かわいらしい犬を見かけて、一人暮らしだけど犬を飼いたい・・・と思ったことはありませんか?一緒に生活したい、癒されたいという想いがあっても、いざ飼うことを考えると一人暮らしで可能なのか不安になる方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は一人暮らしでも安心して犬を迎え入れるための知識や方法を紹介します。
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一人暮らしで犬を飼うための4つの条件
そもそも今の自分は犬を迎えられる状態にあるのか一度考えてみてください。迎え入れたものの問題が生じてやっぱり飼えなくなったでは済まされません。まずは飼うために必要な最低条件を知りましょう。
1.周辺環境が犬OKであること
住まいがマンションやアパートなどの集合住宅の場合、第一にペット可の物件であることが前提です。仮にペット不可の住居で飼ってしまうと、退去しなければならなくなったり、周辺住民に迷惑をかけてしまうおそれがあります。
また、「ペット相談可」であったとしても猫や小動物など種類が限定されていたり犬のサイズが制限されていたり等、住まいによって決まりがあるため事前に確認しておきましょう。そして犬の鳴き声などクレームにつながってしまうこともあるため、あらかじめご近所さんに犬を飼うことへの理解を得ることも大事です。
最近ではペットを飼うための設備が整った”ペット共生型”の住宅も増えつつあり、より飼育環境の整った住まいを検討するのも良いでしょう。
他にも安全な散歩コースがあるか、動物病院が近くにあるかなどチェックしておくと安心です。
2.犬をお世話できるだけの収入があること
犬を飼うには様々な費用がかかります。下記に一例を挙げると・・・
・ケージ代(キャリーバックなども)
・おもちゃ代
・消耗品代(トイレシーツやウェットティッシュ、シャンプー等)
・ドックフードやおやつなどの食費
・動物病院代(ワクチンや去勢・避妊手術や病気による診察等)
・トリミング代
犬にもよりますが、毎月1万円~の費用が必要になってきます。特に飼い始めの頃は、ワクチン等の病院代はもちろん、生活スペースを整えるためのグッズを揃えたり、しつけするためにおやつの消費ペースが早かったりと何かと費用が重なってきます。また、おもちゃに飽きっぽい子の場合、毎月のように新しいものを購入することもあります。
一生涯でみると、平均寿命10~18年だとして約170~450万円かかるといわれています。まずは今後これだけの費用を賄える収入があるかしっかり考えましょう。一概にいくら年収があれば大丈夫とは言えませんが、怪我や病気など急な出費に備えるために貯金があることも重要です。
3.もしもの時犬の預け先があること
旅行に行ったり、体調を崩して入院したりなど、長期間家を空けなければならないとき、犬の面倒を代理で見てもらう必要があります。数日間の旅行であれば、ペットホテルに預けることができますが、犬の性格によってはたとえ数日間だとしても、他の犬がいることでストレスを感じてしまうなど、ホテルが合わない子もいます。
また、長期間の出張や病気による入院などの場合、ずっとホテルに預けるわけにもいきません。そのような場合、親族や友人など信頼できる預け先が必要となってきます。自分は旅行の予定もないし健康だから大丈夫と思わず、もしものときにいつでも頼れる預け先を確保しておくべきでしょう。
4.犬の一生をお世話する覚悟があること
犬を飼うということは、命を預かるということです。自分の思い通りにならないこともたくさんあれば、ときには犬優先で考えなければならないこともありそれなりの覚悟が必要です。
飼い主の中には愛犬の病気や老衰によりお世話が大変になった、引っ越し先に連れていけないから、子どもが犬アレルギーだった等、身勝手な理由で手放す人がいます。やむを得ず手放さなければならなくなったとしても、犬たちは人間と同じように深く心傷つくのです。
犬の寿命は平均10〜13年といわれており、長い時間を共に過ごすパートナーとなります。
何があっても最後までお世話をする覚悟が自分にあるのか、飼う前にもう一度よく考えてみてください。
一人暮らしで犬を飼うことのメリット・デメリット
犬の魅力はかわいい!癒される!だけではありません。犬との暮らしで得られることがたくさんあれば、制限されることも少なからずあります。やっぱり飼わなければ良かった、こんなはずじゃなかったと後悔しないためにも、事前にメリットデメリットを理解しておきましょう。
メリット①毎日の生活が楽しくなる
まず第一にかわいらしい姿は言わずもがな、その行動にも癒されます。犬は感情表現が豊かで、人間の気持ちを理解することに長けている動物です。そのため人間の心を癒すセラピー犬として活躍する子もいます。たとえば飼い主が落ち込んでいるときはそっとそばに来てくれたり、喜んでいると嬉しそうになったりと飼い主に寄り添ってくれます。また、犬を飼うことで新たな出会いや発見があったりと、毎日を楽しく過ごすことができます。
メリット②健康的な生活が送れる
犬と暮らす上でお散歩は必須条件。社会人になってなかなか運動する機会がない中、散歩や犬との遊びは運動不足の解消になることでしょう。また、家で犬が待っていると思うと早く帰ろうと考えるようになり、仕事で残業しなくなったり、飲み会に行かなくなったりと自然と規則正しい生活を送りやすくなるでしょう。
デメリット①急な予定が入れられない
犬をお留守番させる際にはごはんやトイレ、,照明など様々な点において準備が必要になります。たとえば急なお誘いがあったとき、自動給餌器など用意できていなければ家で待つ犬のために断らなければなりません。また、長時間の留守番に慣れていない犬にとってはストレスを感じることもあるため、なるべく急な予定は入れないという覚悟で飼うことがより良いといえます。
そうはいっても一人暮らしの飼い主にとって愛犬の留守番はつきもの。最近では様々なお留守番グッズがあり、工夫すれば長時間の外出が可能となっています。日頃から長時間の留守番に対応できる環境を整えておくともしものときに安心です。
デメリット②住まいが限られる
先述したようにペット相談可の物件や共生型の住宅が増えつつありますが、決して充実しているというわけではありません。たとえば今の家で犬を飼えるとしても、引っ越しすることになった際ペットOKの物件が見つからない場合もありえます。
また、引っ越しによる環境の変化は人間と同様に犬にとっても大きなストレスとなります。当分引越しの予定がない、もしくはあるとしてもペット可の物件が多いエリアを事前にリサーチしておくなどの対策をとると良いでしょう。
一人暮らしで犬をお迎えする方法
犬をお迎えする方法として、最初に思い浮かべるのはペットショップという人は多いのではないでしょうか。その他にも、ブリーダーを利用したり、保護犬の里親になったりと様々な方法があります。それぞれの特性を知って、何が自分にとって最適な入手方法か考えてみましょう。
色々な犬種を見たいならペットショップ
ペットショップでは様々な犬種を取り扱っており、その多くは数か月の子犬が多いことが特徴として挙げられます。いろいろな犬種を見たい方や子犬にこだわりのある方はペットショップでの購入が向いているでしょう。
さらにまだ飼うか迷っている方でも気軽に立ち寄れる点もペットショップならではというもの。仲介している分、購入費用は高くつきますが、数回にわたるワクチン接種やマイクロチップ装着などすでに済ませていることが多く、初めて迎える方にとっては安心できる要素もあります。
犬種が決まっているならブリーダーさんから
ブリーダーとは主に血統書がついている動植物を繁殖させる人のことをいいます。そもそも血統書は両親から祖先まですべて同一種であることの証明であるため、ブリーダーでは特定の犬種を扱うことが多いようです。ペットショップに比べ、一つの犬種における頭数が多いため、飼いたい犬種が決まっている方にはオススメです。
ブリーダーから迎える場合は基本的にはその犬の生活環境や親の姿を見れるため、成長後の姿を想像できるのもメリットとして挙げられます。親や兄弟など他の犬と過ごしている姿を見ることでより安心して迎えられるでしょう。ブリーダーからその犬の情報や育て方などのアドバイスを直接聞くことができるのも良い点の一つです。
しかし中には専門知識を持たず、不衛生な飼育環境で無理な繁殖を繰り返すといった悪質なブリーダーもいるのが現実です。信頼できるブリーダーなのか事前に調べておくとよいでしょう。
保護施設や里親サービスから探す方法も
保健所や動物愛護団体から、譲り受けることを里親になるといいます。なんらかの理由により保護された犬であるため、子犬よりも成犬が多いことが特徴として挙げられます。また、中には病気をしていたり精神的に問題を抱えている子が多くいます。
そんなハンデを抱えた犬を迎え入れるには健康な犬を育てる以上にお世話やケアが大変な可能性もあります。そのため、常時そばにいてあげられること、自身の生活が安定していて根気よく犬と向き合えることが里親の必須条件となり、ひとり暮らしはお断りとしている場合が多くあります。もちろんひとり暮らしでも飼える案件もありますから、条件さえクリアできれば身寄りのない子を救えるとても良い方法といえるでしょう。
一人暮らしにおすすめの犬種3選
一人暮らしでも飼いやすい犬種について次のような特徴が挙げられます。
・小型犬であること
・無駄吠えの少ない温厚な性格
・しつけがしやすい
賃貸やマンションで飼う場合、「小型犬のみ可」「体長〇㎝体重〇kg以内」などの規約があることがほとんどであるため中型犬以上の大きな犬を飼うことは難しいでしょう。小型犬であれば必要な運動量が比較的少ないため、小さい部屋でもストレスなく過ごしやすいといわれています。飼い主にとっても病院やペットサロン等連れて行くにも抱きかかえられるサイズであると安心です。
また、一人暮らしとなるとどうしても避けられないのがお留守番。警戒心が強く吠えやすい犬の場合、万が一留守中に吠え続けてしまい近隣の住民とトラブルとなることも起こりえます。そうした点でも、おとなしい性格でしつけやすい犬種の方が一人暮らしにはおすすめです。
1.トイプードル
小型犬の中でも体臭が少なく、毛が抜けにくく飼いやすいと人気なのがトイプードル。犬の中でもボーダーコリーの次に賢いといわれており、しつけやすい犬種です。吠えやすい性格でもありますが、利口なのでしつけでカバーできます。
2.シーズー
シーズーも抜け毛が少ない犬種。なんといっても温和でフレンドリーな性格が魅力的です。ひとり遊びが上手なため、お留守番中もストレスなく過ごせるため一人暮らし向きの犬種といえます。
3.キャバリアキングチャールズスパニエル
キャバリアは穏やかで優しく、基本的に物静かな犬種です。吠え癖や噛み癖もつきにくくしつけやすいため、一人暮らしでも安心して飼うことができるでしょう。
一人暮らしで犬を飼った時、留守中はどうする?
初めて一人暮らしで犬を飼う場合、多くの人が留守の間、愛犬がどう過ごしているか疑問に思うのではないでしょうか。日中留守の間、寂しい思いをさせてしまわないかなと不安になりますよね。でも大丈夫!様々な対策をとることで犬も飼い主も安心して留守番できる方法を紹介します。
ケージやサークルなど安心できる場所で過ごす
留守中はケージやサークルに入れたり、部屋を解放して放し飼いにしたりと飼い主によってそのスタイルは様々です。犬の本能的にスクートと呼ばれる狭い場所をすみかとしていた習性から、ケージやサークルなどに入れることで落ち着くといわれています。
また、放している状態でも落ち着いていられる子であれば放し飼いの方がストレスなく過ごせるかもしれません。犬の性格にもよるのでその子にあった方法をとるのが一番です。
空調や明かりをつけておく
留守番中は犬がストレスなく過ごせるように常時空調を調節してあげる必要があります。適温でないと犬に負担がかかり病気につながってしまう恐れも。普段から愛犬の過ごしやすい気温はどのくらいか様子を観察しておくと安心です。
また、照明に関しても工夫が必要です。犬にとって暗闇で過ごすこと自体に問題はないのですが、普段明かりがついている時間帯に暗い状態であると不安を感じてしまう犬もいます。人間と同じでいつもと違う環境は不安を感じやすいので、できるだけ普段通りの環境を整えてあげるようにしましょう。
自動給餌機を利用する
便利なお留守番グッズとして、決まった時間に自動で餌をあげられる自動給餌器があります。商品によっては、見守りカメラが付いていて出先でも犬の様子を確認したり声をかけたりと遠隔で操作できるものもあります。うまく活用することで帰りが遅くなってしまう、長時間の留守番は避けられないという飼い主さんも安心してお出かけできるでしょう。
ペットシッターにお願いする
犬を留守番させるのがどうしても不安という方には、飼い主の自宅で犬のお世話をしてくれるペットシッターにお願いする方法もあります。生活環境を変えることなくお世話ができるため、旅行や出張、急な入院の際に利用する方が多いようです。費用はかかりますが、その分しっかりお世話してもらえるので安心です。できることはシッターによってそれぞれなので利用する際はよく調べてみましょう。
犬の幼稚園・保育園に預ける
最近では愛犬を預かってくれるという犬専用の幼稚園や保育園があります。他の犬と遊ばせたりトレーニングしたりなど様々なサービスがあるため、寂しさや退屈を感じさせずに安心して預けることができます。他のわんちゃんと触れ合うことで犬の社会化につながるのも嬉しいですよね。送迎サービスを行っている園が多くあるので、忙しい飼い主さんでも安心して利用できます。
かけがえのないパートナーに出逢おう
一人暮らしで犬を飼うことは決して簡単とは言えませんが、様々なグッズやサービスを利用するといった少しの工夫でそのハードルを下げられます。いつもあなたに寄り添ってくれるような、十数年の時間を共に過ごすかけがえのないパートナーになることは間違いありません。ご縁があった犬を安心しておうちに迎えられるようあらかじめ必要なモノや環境を整えておきましょう。愛犬を思いやる気持ちと一生お世話する覚悟があれば、お互いが幸せな生活を送れることでしょう。