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Jul 10, 2024

夏でもお弁当が腐らない11の方法 調理のコツや便利アイテム、おすすめおかずも

色鮮やかなお弁当

夏になると気温や湿度が上がり、お弁当が腐りやすくなります。細菌が繁殖しやすい環境になるため、調理や盛り付けの際は十分な注意が必要です。お弁当を作る際のコツを、調理時と盛り付け時に分けて解説するとともに、腐るのを防ぐときに役立つ便利アイテムやおすすめのおかずを紹介します。子どもや自分自身の弁当作りの際に参考にしてみてくださいね。

夏場のお弁当はなぜ腐りやすい?

外でお弁当を食べる幼稚園児

 

お弁当が腐ることは、細菌が繁殖する状態を指します。細菌が増える要素は、温度・水分・栄養の3つで、その中でも温度は最も大きな要素です。細菌によって増殖に適した温度は異なりますが、ほとんどが20〜50℃で増殖。特に人の体温である35~36℃を好むため、夏の気温は細菌にとって好都合の温度帯であると言えるでしょう。

 

また食べ物には、細菌が生きる・増殖するのに必要な水分と栄養が含まれており、これらの要素が加わることでさらに腐りやすくなります。

 

食中毒にならないためには、細菌を「つけない(清潔・洗浄)」「増やさない(迅速・冷却)」「やっつける(加熱・殺菌)」の三原則が重要です。

【調理】夏に腐らないお弁当を作るコツ

キッチンで料理をする女性

 

調理時に大切なのは、清潔にして細菌をつけないこと、十分に加熱して細菌をやっつけることです。腐らないお弁当を作るためのコツを、調理時と盛り付け時に分けて解説します。

①手・調理器具を清潔にする

調理前やトイレ後は、石鹸を使った手洗いが必須。また食材の細菌が手に付着してしまうため、調理中に肉や魚介類、卵、生野菜を触った後も同様です。手を洗ったら清潔なタオルやペーパータオルで水気を拭き取り、アルコール消毒をします。

手や指に傷口がある場合は、傷にいる黄色ブドウ球菌が食材に付着するのを防ぐために、調理用の手袋を着けて作業してください。調理機器も清潔に洗い、十分乾燥させたものを使いましょう。

②冷ます時間を考えておかずを作る

お弁当を盛り付けるときには、すべてのおかずがしっかり冷めている必要があります。加熱温度が高く、冷めにくい揚げ物から調理を始めるように、おかずを作る順番に気を付けましょう。

③食材にしっかり火を通す

生焼けだと細菌が繁殖する原因になるため、食材は内部までしっかり火を通します。卵焼きやゆで卵は、半熟ではなく完全に固めましょう。そのまま食べられる、ハム・かまぼこ・ちくわなども、念の為加熱するのがおすすめです。

④少し濃い味付けにする

塩分や糖分を多めに使って、いつもより少し濃い味付けにするのも細菌の増殖対策には有効です。塩や砂糖が食材の水分を吸収し、菌が増殖するときに使う水分が少なくなるので腐りにくくなります。

⑤抗菌作用が期待できる食材や調味料を使う

梅干しやポン酢、レモン、お酢を使って味付けするのもおすすめ。これらの食材や調味料には、酢酸・クエン酸が含まれているため、抗菌作用が期待できるでしょう。またごはんやおにぎりに梅干しを入れる、梅肉やポン酢で和える・炒める、お酢を使ってさっぱり煮を作るなどバリエーションが多く、味付けの幅も広がります。

さらに生姜に含まれるジンゲロールという辛み成分には、殺菌作用があるとされているため、味付けに取り入れてみてください。

⑥作り置きのおかずはなるべく使わない

便利な作り置きおかずや、前日の残り物のおかずをそのままお弁当に使用するのは危険です。作りたてでないものは、必ず電子レンジなどで再加熱し、中心まで十分に熱してください。その後、しっかり冷ましてからお弁当に詰めましょう。

おかずを作り置きする際は、抗菌作用のある調味料を使ったり、味付けを濃いめにしたりして、傷みを防ぐ工夫も重要です。お弁当箱が電子レンジ対応かどうかも確認してから使用するようにしてくださいね。

職場や学校に電子レンジが置いてある場合は、食べる前にお弁当を再加熱するとなおいいでしょう。マイクロ波によって食品が温められるため、食中毒菌を殺菌することができます。一方温めムラが起こりやすいので、全体がしっかりと加熱されるように注意しましょう。

【盛り付け】夏に腐らないお弁当を作るコツ

台所でお弁当を作る女性

調理時に気を付けていても、盛り付け時に細菌が付着してしまう場合もあります。以下の詰め方のコツを参考にし、細心の注意を払って盛り付けましょう。

①お弁当箱を清潔にする&しっかり乾かす

お弁当容器を洗うときは外せる部品をすべて分解し、フタのパッキン部分やその溝を含めしっかりと洗います。その後、お弁当箱の耐久温度を事前にチェックし、可能であればすべての部品を熱湯消毒しましょう。

盛り付け時の水気は厳禁です。ペーパータオルでしっかりと水分を拭き取り、乾かしてから使ってください。

【厳選】おすすめのお弁当箱を紹介!選ぶ時に知っておきたい機能性や素材も解説

②素手で盛り付けない

人の手はさまざまなところを触るため、細菌がたくさん存在しています。また手をしっかり洗ったつもりでも、手のひらのシワや爪と指の間、指輪に細菌が残ってしまうことも。

ごはんやおかずは素手で触らず、清潔な調理器具を使って盛り付けましょう。またおにぎりを握るときには、ごはんをラップで包んだ上で握るのがおすすめです。

③おかずやご飯は冷ましてから詰める

ごはんやおかずを温かいままお弁当箱に詰めるのは厳禁です。お弁当箱の中の温度や湿度が上がったり、蒸れて水滴が付いたりして細菌が増えやすい環境を作ってしまいます。そのため、必ず冷ましてから詰めるようにしましょう。

なお前日に作って冷蔵庫で保管していたおかずは、詰める前に必ず再加熱し、冷ましてから入れるのもポイントです。

④水分をよく切る

水分は細菌の増えやすい環境を作る三大要素のひとつです。おかずを詰める際は、清潔なキッチンペーパーで汁気をよく切り、水分を減らします。すりごまや鰹節といった水分を吸い込む食材を上手に使うのも手です。

なお、梅雨の時期や夏に水分の多い生野菜や生の果物を使うのは避けましょう。

⑤おかずごとに仕切る

仕切りカップでおかずを仕切るのもおすすめです。おかずの水分が他のものに染みたり、異なるおかずが接することで傷んだりするのを防げます。

なおシリコンカップはお弁当箱と同様、清潔にすることが大切。食中毒の危険がある夏や梅雨の時期は、使い捨てのカップを使いましょう。

夏の必需品!お弁当が腐らないための便利アイテム

夏のお弁当が腐りにくくなるとっておきのアイテムを紹介します。注意してお弁当を作っても、気温が高いと心配になる人も少なくないでしょう。アイテムを使えば、より安心してお弁当を食べられますよ。

抗菌シート

お弁当の抗菌シート

 

抗菌シートはお弁当の上に乗せるだけで簡単に菌の繁殖を防げるアイテムです。「接触型」と「拡散型」の2種類があり、効果発揮の仕組みが異なります。

 

 

保冷剤

置いてある保冷剤とタオル

 

お弁当の温度が上がらないように保冷剤を使うのも有効です。冷気は上から下に流れるため、お弁当の上に置くとしっかり冷えます。保冷剤が溶けてくると水滴が付いてしまうので、タオルやハンカチで包んでから入れるようにしましょう。

 

保冷バッグ

置いてある保冷バッグと保冷剤

 

保冷バッグはバッグ内の温度を保持するアイテムです。保冷効果を高めるために保冷剤と一緒に入れると温度が上がらず、さらに腐りにくくなります。またお弁当が汁漏れを起こしても、内側のアルミ生地によって外に染みにくくなる点も魅力です。

 

 

夏のお弁当におすすめ!傷みにくいおかず

油で揚げられている唐揚げ

 

夏のお弁当にぴったりのおかずを3品紹介します。

 

<唐揚げなどの揚げ物>

中までしっかり火を通す揚げ物は傷みにくいおかずのひとつです。お弁当の定番である唐揚げやフリッターなどのレシピがおすすめ。コロッケは揚げ物ではありますが、中身のじゃがいもが傷みやすいので避けましょう。

 

<きんぴらごぼう>

きんぴらごぼうは汁気が少なく味付けが濃いめなので、お弁当のおかずにぴったりです。唐辛子を使えば夏バテ予防にもなりますよ。

 

<豚の生姜焼き>

生姜焼きは、殺菌作用のある生姜が使われているため夏のおかずにおすすめです。しっかりと煮込めばよく火が通り、濃いめの味付けに仕上がります。

【お弁当】作り置きおかずで朝時間にゆとりを。 詰めるだけで彩り&栄養も満点♡

夏のお弁当では避けるべきおかず

半熟卵

 

次に夏のお弁当では避けた方がいいおかずを紹介します。

 

<炊き込みご飯>

混ぜる具材によって水分が出やすいため、混ぜご飯はお弁当全体を痛めやすくする可能性があります。のり、青のり、ゆかり、ふりかけ、ごまなどの常温で保存できるフリーズドライや粉末状の混ぜご飯の素を使うようにするか、別で持っていくのがいいでしょう。

 

<煮物>

煮物は汁気が多く、そのままではお弁当を腐りやすくするためNG。お弁当に煮物を詰める場合は、汁気をペーパータオルで取り除いたり、水分がなくなるまで煮詰める必要があります。

 

<生野菜・果物>

お弁当の彩りにもぴったりの野菜ですが、加熱していない生野菜や果物は夏場のお弁当には不向きです。元々が水分が多い上、時間の経過と共に水分が出て食中毒菌が繁殖しやすくなります。ただし、ミニトマトは夏のお弁当に入れても問題ありません。注意点として入れる際にヘタを取り除き、しっかりと洗って水分を十分に拭き取ってからにしましょう。切らずに丸ごと入れるのがポイントです。

 

<半熟卵>

とろっと美味しい半熟卵ですが、加熱してあるからといって安全とは限りません。食中毒の原因となるサルモネラ菌は、70度以上で1分以上加熱するとほとんど死滅すると言われています。しかし半熟卵や温泉卵ではこの条件を満たしていないことが多いため、卵を使用する場合は中までしっかりと火を通してください。

腐らない工夫をして、夏のお弁当を美味しく安全に食べよう

公園でお弁当を食べる子ども

 

夏は気温が高く、持ち運びするお弁当は腐りやすいもの。食中毒を起こさないためには、清潔さ、作り方、盛り付け方、おかずの選び方などに気を付ける必要があります。また食中毒防止に役立つ便利グッズを併用するのもおすすめです。夏のお弁当対策を万全にし、美味しく食べましょう。