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Jun 30, 2021

コーヒー芸人がオススメする「おうちコーヒー」の楽しみ方と美味しいこだわり

コーヒーを入れるコーヒールンバ平岡さん

自宅で過ごすことが多い今日この頃。「息抜きにコーヒーでも」と思ってもインスタントだと味気ないですよね。
そこで、コーヒーのプロに自宅ならではのコーヒーの楽しみ方とこだわりを教えてもらいます。基本的な淹れ方はもちろん、必要な道具、自宅ならではの楽しみ方などを伝授。講師役はコーヒー芸人として名高い、コーヒールンバ平岡さんです。

教えてくれるのはコーヒールンバ平岡さん

ポットを持って笑顔を向けるコーヒールンバ平岡さん

松竹芸能所属。お笑いコンビ「コーヒールンバ」として活動をしつつ、コーヒー好きが高じて「猿田彦珈琲」広報に就任。趣味はコーヒーショップ巡り、コーヒーショップ経営。夏は毎日アイスコーヒー!Instagram

自宅で飲むコーヒーの魅力

コーヒーの魅力を語るコーヒールンバ平岡さん

お店の美味しいコーヒーに比べると、おうちで飲むコーヒーはどうしても「家レベル」になってしまいそうなもの。でも、家で淹れるコーヒーには、外で飲むものとは違う魅力があると語る平岡さん。
どんな魅力がおうちコーヒーには隠されているのでしょうか。

 

「まず、自分で淹れるかどうかが大きく違います。自分で淹れるからこそ、下手かもしれないけど、自分好みの味になる。そりゃもちろん、外でお金を払って飲むプロのコーヒーは美味しいかもしれません。でも、自分で淹れた一杯は他では味わえないものなんです。
美味しいとか、まずいとか、淹れ方がどうのとか、そういうことにとらわれず、のんびり気楽に淹れられる。これが何よりの魅力だと思います」

 

ーなるほど。自由気ままに楽しむことが、おうちコーヒーの良さなんですね。

 

「そうです。心地よく、楽しむ。これがお酒でもコーヒーでもなんでも、家で飲むときの鉄則。パジャマでもTシャツでもいいんです。気楽に気ままに淹れて、ソファでも床でも台所でも、好きな場所でひと息つきながら飲む。そうすれば絶対に美味しい!って思えますから」

平岡さんは日頃どうコーヒーを楽しむ?

コーヒーを嗜むコーヒールンバ平岡さん

タリーズコーヒーで店長職を経験。コーヒーの美味しさに目覚め、自分だけの一杯を追求してきた平岡さん。日ごろ、自宅でどのようにコーヒーを楽しんでいるんでしょうか。

 

「夏場はもっぱらアイスコーヒー。家では基本、コーヒーか水しか飲まないんですよ。なので、アイスコーヒーをまるで水のようにガブガブと飲んでいます。
2リットル分くらい一気につくって、冷蔵庫で冷やしておいて、飲みたいときに飲みたい分だけ飲む。コーヒーを楽しむというよりも、手元にあって当たり前の存在なので、食事のときもアイスコーヒーは欠かせません。

仕事ではしっかりコクを感じるような濃いめのコーヒーを淹れますが、自宅では薄めくらいが飲みやすいので、テレビ見ながらザ~ッと淹れちゃいますね。水出しコーヒーを試したこともあったんですが、面倒くさくて(笑)。ドリッパーを使ってザ~ッと淹れて、ザ~ッと飲むくらいが僕には合っている気がします」

自宅でコーヒーを楽しむために必要な道具

ドリッパー、フィルター、マグカップ、お湯を沸かすポット

カフェや喫茶店に行くと、カウンターにいろんなコーヒー用具が並んでいるのを目にします。では、自宅でコーヒーを楽しむときに最低限「これだけはそろえておいて!」という道具はあるのでしょうか。

 

「ドリッパー、フィルター、マグカップ、お湯を沸かすポット。それに挽いた豆があれば基本的にはコーヒーを淹れて飲むことができます。

そこからワンランク上を狙うなら、コーヒーミル、先端が細いドリップ用のポット、あとは豆を測るスケールを用意しておくといいですね。

ただ、最初からひとつひとつこだわった道具は必要はないと、僕は思っています。最近は100円ショップでもドリッパーやフィルターが売られているので、まずは自分の手で淹れる楽しさを感じてみてください」

コーヒー豆

猿田彦珈琲のコーヒー豆

「コーヒーは『生豆6割・焙煎2割・抽出1割』といいます。なので最も大切なのは豆選び。まずは身近なお店で買えるものから試してみて、もっと酸味が欲しい、もっと飲み応えが欲しい、など好みの豆を追求していくといいでしょう。

あ、僕が広報を務める『猿田彦珈琲』の豆も美味しいので。選びに来ていただければ、スタッフがお好みの豆探しをお手伝いしますよ!」

コーヒーミル

コーヒーミル

「コーヒーをよく飲むのであれば、ミルをぜひお手元に。お店で『お挽きしますか?』って言われたときに『大丈夫です!』って答えるときの優越感を、皆さんもぜひ味わってください(笑)」

ドリッパー

白色に塗装したDrippen
ちなみにこのDrippenは平岡さんが自分で白色に塗装したのだそう(非売品)

「僕が愛用しているのは猿田彦珈琲オリジナルの『Drippen』。骨組みだけで横に壁がないので、豆の中の二酸化炭素を、効率良く抜いてくれる優れものです。

このDrippenのように円錐形のタイプだと、均一にお湯を落とすことができるのでおすすめ」

フィルター

コーヒーフィルター

Drippenは中空構造なので専用のフィルターを使っています。通常のドリッパーを使うのであれば、オススメは漂白されている白いフィルターですが、まずは100円ショップのフィルターでも十分です」

ポット

注ぎ口が細いドリップ用のポット

「やかんでお湯を沸かしたら、注ぎ口が細いドリップ用のポットにお湯を入れ替えます。
僕が愛用しているポットはやや注ぎ口が太いんですが、もっと細いほうが慣れていない人は繊細に淹れることができます。ポットの形は千差万別。自分の手に馴染むポットを探してみてください」

スケール

HARIOのスケール

「美味しいコーヒーを淹れたい。そう思うのであれば欠かせないのがこのスケール。豆を正確に測ることで、バラつきなく安定した一杯を楽しむことができます。

僕が愛用しているHARIOのスケールは、蒸らしや抽出の時間も測ることができるのが特徴で、より安定感のある味を生み出せるんです」

マグカップ

平岡さんお手製のマグカップ

「テンションを高めるためにも、自身がお気に入りのカップを用意するとGOOD。

ちなみに、写真のカップは僕自身のお手製。手びねりなので完成度は低いんですが、とっても気に入っています。皆さんも至福の一杯のためのマグカップを探してみましょう」

平岡流・初心者向けコーヒーの淹れ方

ポットからお湯を注ぐ平岡さん

さてここからは、いよいよ実践!平岡さん流の美味しいコーヒーの淹れ方を教えてもらいます。

ステップ①スケールで豆を測る

スケールでコーヒー豆をはかる

1杯分はおおよそ浅・中煎り15g。深煎りで20gくらいを目安に。ただ、あくまで目安なので、自分の心地いい分量を探していきましょう。
何度か淹れて試してみて、これくらいがちょうどいい!という味が決まったら、その量をメモしておくと毎回安定の味が再現できます」

ステップ②豆を挽く

豆を挽く

「スケールで測った豆をミルに入れて挽きます。今回は手動のミルを使用。ハンドルをくるくると回し、抵抗がなくなったら挽き終わりのサインです。

何度も試してみて、焙煎度合い・味・好みに合わせた挽き加減を模索しましょう。はじめのうちは、豆を買うときにお店の人におすすめの挽き具合を聞いてみてもいいと思います。味が濃いなと思ったら挽き目を粗く、薄く感じたら細かくして試してみるのも手です」

ステップ③フィルターと挽いた豆をセット

フィルターと挽いた豆をセット

「お湯を沸かす間に、挽き終わった豆をドリッパーに入れます。ミルから粉をすべてフィルターに移したら、表面を平らにならしましょう」

ステップ④お湯を少量注いで蒸らす

ポットからお湯を少量注ぐ

「粉の2倍くらいの量の熱々のお湯を、円を描くようにして粉の上にゆっくり30秒ほど蒸らします。お湯で蒸らして豆から炭酸ガスを放出することで、成分が抽出しやすくなり、より美味しいコーヒーが淹れられます。

はじめにお湯をたくさん注いでしまわないように注意しましょう」

ステップ⑤お湯を入れていく

ポットからお湯を入れていく

「フィルターの中央に少しずつお湯を垂らしていくようなイメージで、ゆっくりとお湯を注いでいきます。まわし入れるやり方もありますが、僕はクリアな後味を目指して一点に注いでいきます。

1分30秒くらいたって、炭酸ガスが抜けてきたら、お湯の量を増やしていきます。3分〜3分30秒で250ccを抽出できるように少しずつお湯の量を多くしていきましょう。

必要な量を抽出したら、ドリッパーを外します。必要量以上に落としてしまうと、味が薄くなってしまうので要注意です!」

ステップ⑥コーヒーをかき混ぜる

ビーカーに落としたコーヒーをかるくかき混ぜる

「ビーカーに落としたコーヒーを、スプーンで軽くかき混ぜます。これは、抽出したままだと上下で濃さが違うため。

また、混ぜることでコーヒーの温度が下がり、フレーバーを感じやすくなります」

ステップ⑦マグカップに注いだら完成

ビーカーからマグカップに注ぐ

「ここまできたら、あとは好みのマグカップに注いで、美味しいうちにいただくだけ。
ちなみに、蒸らしはじめから抽出が終わるまで、3分以内で済ませるというのがおすすめ。タイマーや砂時計などを用意して、時間内で収めるよう練習してみてください」

おわりに

渾身の一杯を嬉しそうに紹介する平岡さん

日本はコーヒー豆輸入量・消費量ともに世界第4位。名実ともに「コーヒー好き」な国民性であるといえるでしょう。

たかがコーヒー、されどコーヒー。まずは手軽なところから始めてみて、自分だけの一杯を徐々に追求してみては。

今回ご紹介した平岡さん流の楽しみ方を参考に、あなたのおうち時間を充実させてみてください。

 

 

Photo_Koji Kanatani Interview & Text_Megumi Waguri Edit_Yasushi Shinohara