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Jun 29, 2021

人や環境を守る「エシカルファッション」。日常の中でできることから始めよう

自然の中で、木の枝にかかっているワンピース

エシカルファッションとは、人や環境に配慮して生産されたファッションのことです。海外で先に広まりましたが、近年では日本国内でも賛同するブランドが増えています。今回は、そんなエシカルファッションの意味や生まれた背景について解説。エシカルファッションに取り組むブランドやエシカルファッションの取り入れ方も紹介します。

エシカルファッションとは

コットンをのせた衣類を持つ女性

 

エシカルファッションは、服ができるまでに関わる人や環境への考え方を見直すことがきっかけとなり誕生しました。まずは、エシカルファッションの意味と生まれた背景について紹介します。

人と環境に配慮したファッション

エシカルファッションの「エシカル(Ethical )」には、「倫理的な」「道徳上の」という意味がありますが、英語圏では、「環境や社会に配慮した」などの意味合いで使われています。エシカルファッションは、服の素材選定から生産、販売までの過程で、不当な労働搾取や環境破壊をせず、人や環境に配慮したファッションのことを表しています。

労働環境や環境破壊などの背景から生まれた

コスト重視で行われるファッションの大量生産の中で、労働者の人権や環境破壊への問題が、これまで多々取り上げられてきました。そんな中起きたのが、2013年にバングラデシュで起きたビルの崩落事故(死者数1,100人以上・負傷者数2,500人以上)。安全管理を怠り、劣悪な条件や環境で労働を強いたことが悲劇を招いてしまったのです。

 

その他、素材の染料により起きていた環境汚染や労働者の健康被害などの問題も明るみになりました。エシカルファッションは、このような悲劇や問題を繰り返すことがないように、人や環境に配慮した取り組みとして生まれたのです。

エシカルファッションの基準とは

枝にかかったTシャツ

 

エシカルファッションは、実際どのような基準で作られているか分かりにくい人もいるでしょう。次にエシカルファッションの基準について、具体的に紹介します。

Ethical Fashion Forumにより定められている

エシカルファッションは、推進団体である「The Ethical Fashion Forum」の定めた基準をもとに作られており、人権・地球環境・動物保護など持続可能な開発を推進しているのがポイントです。「Ethical Fashion Forum」が提唱する基準は次の通りです。

 

  • ①ファストファッション(流行を重視し安価で消費サイクルが短い大量生産型のファッション)の反対
  • ②生産する過程で労働者権利・賃金・労働環境を守っている
  • ③持続可能な生活をサポートしている
  • ④化学薬品・有毒農薬の使用問題に対処している
  • ⑤環境に優しい素材の使用や開発を行っている
  • ⑥水の使用量を最小限に抑えている
  • ⑦リサイクルを行い、エネルギー・ゴミ問題に対処している
  • ⑧持続可能なファッションを開発し、推進している
  • ⑨新たな取り組みを人々に認知させ、解決する方法を広めている
  • ⑩動物の権利(人間からの搾取・虐待がない)を守っている
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エシカルファッションに取り組むブランド

ここでは、エシカルファッションを積極的に取り入れ、推進している国内外のブランドを紹介します。エシカルファッションを意識して服を選ぶ時の参考にしてくださいね。

【国内】People Tree(ピープルツリー)

フェアトレード専門に、30年に渡り環境に優しく持続可能なファッションを展開しているブランドです。衣服やアクセサリー・食品・雑貨などは、オーガニックコットンなどの自然素材を使い、手作りにこだわった商品を取り扱っています。公正な価格設定となっており、発展途上国の人々は手仕事をすることで収入を得られています。また、環境にも優しい持続可能な生産を続けているのも特徴です。

【国内】CASA FLINE(カーサフライン)

 

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人にも環境にも優しいオーガニック・サステナィブル素材を積極的に使いつつ、おしゃれ度の高いデザインにもこだわった京都発のブランド。ローカルメイドとすることで、技術の伝承と雇用を生みだし、地域産業の発展にも貢献しています。


余剰のプリント生地を使った商品の開拓をしたり、在庫製品をリメイクして価値を高めたりなど、徹底的にエシカルなファッションにこだわっているのが特徴です。ファッションの他に、雑貨やスキンケア商品も取り扱っています。

【国内】oblekt(オブレクト)

 

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サスティナブル&エコ素材を使用したモノづくりにこだわるブランド。長く愛用できるように、限りなく無駄なものをそぎ落としたシンプルなデザインが多いです。世界各国のヴィンテージブランドやエシカルブランドからのセレクト品も取り扱っており、ファッションからアクセサリー・雑貨まで、ナチュラルでおしゃれなコレクションになっています。

【海外】Patagonia(パタゴニア)

 

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アメリカの有名なアウトドア・カジュアルファッションブランドです。1996年からオーガニックコットンを使用した製品を取り扱い、世界に先駆けてサスティナビリティに取り組んできたブランドとしても知られています。リサイクル素材を使用した製品の開発、フェアトレード、サスティナビリティ環境助成基金のプログラムなども実施し、エシカルファッションを見つけやすいブランドです。

【海外】Stella McCartney(ステラ・マッカートニー)

 

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ポール・マッカートニーの娘、ステラ・マッカートニーが代表を務めるブランド。立ち上げ当初からサスティナビリティをテーマに掲げ、オーガニックコットンや再生ナイロンなどを使用し、環境に配慮した製品展開を行っています。動物愛護協会へ支援するなど、エシカルファッションに積極的に取り組むブランドです。

エシカルファッションを意識した服の買い方・選び方

オーガニック素材の衣服

 

服を選んだり購入したりする時に、エシカルファッションかどうかを意識することも大切です。ここでは日常生活の中で簡単に取り入れられる、環境へ配慮した服の選び方や買い方を紹介します。

素材の表示を確認して選ぶ

オーガニック素材100パーセントの衣類

 

服を選ぶ時は、流行のデザインや好きなカラーで決めてしまいがちですよね。エシカルファッションを意識するなら、使われている素材に注目して選んでみてください。例えば、農薬を3年以上使わずに作ったオーガニックコットンや環境負荷が少ない麻などの素材、動物の毛を使わないエコファー、排水設備が整った工場で作られたエコレザーなどは、各認証マークが表示してあります。オーガニックやエコマーク、フェアトレードなどの認証マークを確認して選ぶと良いでしょう。

長く着られるものを購入する

環境に優しい素材で作られたニット

 

安価なものをたくさん買い、ワンシーズンで買い替えることは、労働や環境に配慮するエシカルな考え方に反します。エシカルファッションの考え方を取り入れるなら、少し値段が高くても、長く着られそうなものを購入することをおすすめします。流行に左右されないシンプルなデザインや、1枚でオールシーズン使えるものは、長く着ることができるので、エシカルファッションと言えるでしょう。

服をリメイクする

デニムをリメイクする女性

 

1着の服を長く着るために、リメイクするのもおすすめです。別のデザインに変えて大切に着ることは、エシカルな考え方に結びつきます。気に入った色柄の服があったら、捨てる前にリメイクできないかを考えてみてくださいね。

リサイクルショップやレンタルショップを活用する

携帯で服の写真を撮る女性

 

 

着なくなった服でまだ使えそうなものは、古着としてリサイクルショップやフリーマーケットなどに出して再利用してもらうのも良いでしょう。フリマアプリを使うと気軽にリサイクルできますよ。また、服を再利用する活動団体に寄付するのもおすすめです。


また、最初からあまり使わないことが分かっている服や小物は、買わずにレンタルショップを活用する方法もあります。なかには、ハイブランドなアイテムが見つかるレンタルショップもあるようです。これらを利用すれば環境に優しいだけでなく、経済的にもメリットがあるのでおすすめですよ!

できることからエシカルファッションを取り入れてみよう

ピンクニットのリサイクル品

 

エシカルファッションを選ぶ時には、衣類ができるまでの過程を想像し、人にも環境にも優しいものであるか意識してみましょう。エシカルファッションに取り組むブランドの服を買うだけでなく、日常の中で、まずは簡単にできることから始めてみてはいかがでしょうか。


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