普段から何気なく飲んでいるコーヒー。どの種類を飲んでいるか把握していますか?一口にコーヒーと言っても、豆の種類・焙煎・挽き方・淹れ方によって風味は大きく異なります。そこで、この記事ではコーヒーの種類について様々なポイントから解説します。自分好みのコーヒーを見つけるために、ぜひ参考にしてください。
MOKUJI
コーヒー豆の種類
まずはコーヒー豆の種類について解説します。
三大原種
コーヒーには様々な種類がありますが、飲むためのコーヒーとして栽培されている種類は大きく分けて3種類に分類でき、三大原種と呼ばれています。
アラビカ種 | 現在流通しているコーヒー豆の半分以上を占めています。品質は高いですが、病気や虫害に弱いです。 |
カネフォラ(ロブスタ)種 | アラビカ種の次に多く栽培され、病気や虫害に強い品種です。苦みが強い特徴があるので、インスタントコーヒーやアイスコーヒーの原料として使われることが多いです。 |
リベリカ種 | マレーシアやフィリピンなどの一部地域のみで栽培され、全体の1%以下しか流通していない希少な種類です。 |
産地
コーヒーはコーヒーベルトと呼ばれる一部の地域でほとんどが栽培されています。コーヒーベルトは地球上の赤道を中心にして、南回帰線から北回帰線の間にある熱帯地方のことです。年間平均気温が15~30℃ぐらい、降雨量が1800mlで排水のよい土地にコーヒー農園は作られています。
世界三大コーヒーとは
コーヒー豆の中でも人気が高く、流通量が少ない種類を世界三大コーヒーと呼んでいます。
ハワイ産コナ | 癖が少なく、苦みや酸味が控えめで甘味のある果実感が楽しめます。ホワイトハウスの晩餐会でも出され、コーヒーが苦手な人でも飲みやすいです。 |
タンザニア産キリマンジャロ | 柑橘類のようなすっきりとした酸味と深いコクが楽しめます。キリマンジャロの山のふもとで栽培され、粒が多いのが特徴です。 |
ジャマイカ産ブルーマウンテン | ブルーマウンテン山脈の800~1,200mの標高で栽培されています。コーヒー特有の苦みはあるものの、すっきりとした酸味で上品にまとまった味です。 |
コーヒーの焙煎の種類
コーヒー豆の焙煎方法は、浅煎り・中煎り・深煎りの3種類に大きく分けられ、浅煎りのほうが酸味が強く、深煎りのほうが苦みが強い味わいです。焙煎の程度をさらに8種類に分けた分類は次のとおりです。
焙煎度合い | 名称 | 特徴 |
浅煎り | ライトロースト | ほんのりと茶色がかった見た目。あまり飲まれることはなかったが、昨今のサードウェーブコーヒーのブームで使われることも。非常に強い酸味が特徴。 |
シナモンロースト | 豆の青臭さがあるものの、強い酸味が好きな人には好まれている。口当たりが軽く、すっきりとした酸味が特徴。 | |
中煎り | ミディアムロースト | コーヒーらしい香ばしさとまろやかさを感じられる、バランスのとれた焙煎方法。日本ではアメリカンコーヒーによく使われる。 |
ハイロースト | コーヒーらしい苦みや甘さを感じられる。柔らかな口当たりで、すっきりとした苦味が特徴。やや浅めのレギュラーコーヒーに使われる。 | |
深煎り | シティロースト | 酸味と苦みのバランスが取れていて、コーヒーらしい味わい。豆の種類がわかりやすい焙煎方法。 |
フルシティロースト | 酸味が少なくなり、苦みが際立つのが特徴で、焙煎の香りも楽しめる。アイスコーヒーやカフェオレに向いている。 | |
フレンチロースト | 酸味はほとんどなくなり、強い苦みと深みが際立つ。ミルクやクリームと合わせて飲むのがおすすめ。 | |
イタリアンロースト | 真っ黒で表面にコーヒーの油分が出てくる。深い苦味と香ばしい香りが特徴。煙臭さを楽しむコーヒーと言われており、エスプレッソやカプチーノに使われる。 |
コーヒーの挽き方の種類
コーヒー豆をそのままお湯につけてコーヒーを抽出することは可能ですが、長い時間がかかってしまいます。そのためコーヒー豆を細かく挽き、豆から成分を抽出する時間を短くするのが一般的です。ただし豆を挽いてしまうと、空気と触れる面積が増えて空気中の酸素と結びついて風味が失われていきます。コーヒーの風味を損なわずにおいしく飲めるのは7~10日と言われており、挽いてからすぐだとおいしく飲むことができます。
コーヒーの挽き方は、挽いた後の粒の大きさによって5段階に分けられています。
挽き方 | 粒の大きさ | 特徴 |
極細挽き | 粉糖のようなパウダー状 | 渋みや苦みが強く、エスプレッソに使われる |
細挽き | 上白糖とグラニュー糖の中間 | 濃いめの味わいで、水出しコーヒーに使われる |
中細挽き | グラニュー糖 | 一般的な挽き方で、バランスの良い味わい |
中挽き | グラニュー糖とザラメの中間 | サイフォン・ネルドリップ・フレンチプレスなどじっくりと時間をかけて抽出する方法に合っている |
粗挽き | ザラメ | 苦みが少なめで、酸味が出やすくなる |
コーヒーの淹れ方の種類
コーヒーには淹れ方にも種類が多くあります。その中でも代表的な5つの種類を紹介します。
ペーパードリップ
ペーパードリップは、自宅で淹れる時に最もポピュラーな淹れ方です。コーヒー豆を入れた紙のフィルターをドリッパーにセットし、お湯を注ぐことで抽出します。温度や蒸らしの時間などが少し変わるだけで、同じコーヒー豆でも異なる味わいになるので、奥が深い淹れ方です。
ネルドリップ
ネルドリップは、起毛した織物であるフランネルで作られた「ネルフィルター」を使った淹れ方です。ペーパードリップと比べてお湯とコーヒー豆が接触する時間が長いので、中挽きかや粗挽きがおすすめです。ネルフィルターは使用前にお湯通しが必要で、使用後も水に漬けておく必要があるので、お手入れ方法も確認しておきましょう。
パーコレーター
パーコレーターは、一見普通のポットに見える器具ですが、蒸気圧によってお湯が吸い上げられることでコーヒー豆とお湯が接触する淹れ方です。お湯を繰り返し循環させることで、コーヒーの濃度を調節することができます。他の淹れ方と異なり、パーコレーター1つあればコーヒーを入れることができるので、キャンプなどのアウトドア用として人気が高まっています。
フレンチプレス
フレンチプレスは、ティーポットのような見た目で、コーヒー豆とお湯を入れて抽出する淹れ方です。コーヒーを抽出するまで放置しておけるので、忙しい朝でも淹れやすいと人気です。また、コーヒー豆やお湯の量・時間を決めて手順通りに淹れれば毎回同じ味が出るので、コーヒー初心者でも淹れやすいですよ。
サイフォン
サイフォンとは、蒸気圧を利用してフラスコ内のお湯を移動させながらコーヒーを抽出していく方法です。華やかな見た目で、カフェや喫茶店などで見かけたことがある人も多いのではないでしょうか。サイフォンで淹れたコーヒーはしっかりとした味わいが特徴で、器具を揃えて手順を覚えれば自宅でも楽しむことができますよ。
コーヒー芸人がオススメする「おうちコーヒー」の楽しみ方と美味しいこだわりコーヒー豆や方法にこだわって自分の好きなコーヒーを淹れてみよう
コーヒーは豆の種類・焙煎・挽き方・淹れ方など様々な要素によって味が変わります。コーヒー豆は挽きたてが風味が強いため、自宅で挽きたてのコーヒーを飲んでみてはいかがでしょうか。自分好みのコーヒーが見つかるまで試してみるのも楽しいでしょう。
コーヒーかすの再利用アイデア!捨てずにエコ習慣を始めよう