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Dec 03, 2023

冬に欠かせない結露対策8つ!放置による影響や発生したカビの対処法も

結露を拭いている様子

結露は、冬になると多くの人が頭を抱える悩みのひとつです。何もせずに結露を放置してしまうと、健康や家の強度に影響が出てしまう可能性があります。この記事では結露が発生する原因やメカニズムを押さえた上で、冬にできる結露対策を8つ紹介。併せて、結露によってカビができてしまった場合の対処法も紹介します。

結露する原因とメカニズム

窓についている結露

 

冬に結露が発生する原因は気温差によるものです。結露対策をする前に原因とメカニズムを理解しておきましょう。

【原因】室外と室内の気温差

結露は外の冷たさと室内の暖かさによる温度差が原因で発生します。冬になると窓が結露しやすいのは、ストーブやヒーターなどの暖房器具によって部屋が暖められ、外との気温差が出やすいためです。

【メカニズム】水蒸気が冷やされて水滴に変化

結露は、水蒸気が冷やされ、空気中に含まれる水蒸気量の上限(飽和水蒸気量)を超えた分が水滴に変化する仕組みによって発生します。例えば、乾いたグラスにキンキンに冷えた飲み物を注いだらグラスに結露が発生するのも、この仕組みによるものです。

結露対策をせずに放置した場合の主な影響

水滴がついた窓

 

窓などに付着した結露を放置すると、さまざまな影響を及ぼします。健康被害が発生したり、家の劣化につながったりするため注意が必要です。

カビやダニの発生・繁殖

大前提として、カビは「高温・多湿・栄養分」の3つが揃って繁殖します。室温が高く、さらに窓に結露が発生していると、その場所の湿度も高くなります。湿ったところにはほこりが付着しやすく、そのほこりを栄養にカビが発生し繁殖。同時に、そのカビをエサとするダニも発生してしまいます。

 

カビの胞子やダニの死骸が体内に入ると、アレルギー症状や喘息を引き起こす可能性があるため、特に抵抗力の弱い子どもや高齢者がいる場合は注意が必要です。

住宅の劣化・強度の低下

結露対策をせずに放置すると、建材に水分が溜まって内部結露した状態になり、以下のように建材・建物自体の強度が低下します。

 

  • ・建材が木材の場合、結露による腐敗によってシロアリやカビが増殖してボロボロになる
  • ・結露の水滴によって壁・壁紙・床が腐食する
  • ・マンションの場合、サッシに結露が集中するため、サッシが劣化する

結露対策をした方が良い場所一覧

暖房器具が置かれた部屋

 

結露対策をした方が良い場所は、以下の通りです。

 

  • ・窓やサッシ回り
  • ・ストーブをつけている部屋
  • ・家具の裏側
  • ・クローゼットや押し入れの中
  • ・北側にある壁や部屋
  • ・浴室やキッチンの天井
  • ・玄関の扉

 

特にマンションは機密性が高いため、戸建てよりも結露しやすい傾向があります。外気と接する場所は特に結露がひどくなるので、しっかり対策をしましょう。

今すぐできる!冬の結露対策4つ

窓を開けて換気をしている様子

 

続いて、冬の結露対策を紹介します。カビやダニの発生や繁殖を防ぐために、今できる結露対策から始めましょう。

1.こまめに換気をする

こまめに窓を開けて換気し、室内の空気を入れ替えることが結露対策のひとつです。外の乾燥した空気を部屋へ入れると、除湿に効果的。1時間に10分程度を目安に換気しましょう。対角線上にある2ヵ所の窓を開けて、空気の通り道を作るのがポイントです。

 

扇風機やサーキュレーターを窓に向けて設置し、空気を追い出すようにすると、より効率的に換気できます。もし部屋に窓が1つしかない場合は、これらのアイテムを取り入れてみてください。

2.洗剤を使って窓拭きをする

食器用洗剤には水分をはじく効果のある界面活性剤が入っているため、窓拭きの際に使うと結露対策に効果的です。

 

<用意するもの>

  • ・水 200ml
  • ・食器用洗剤 大さじ1杯
  • ・バケツ
  • ・スプレーボトル
  • ・濡らした雑巾

 

<手順>

  1. 水と食器用洗剤をバケツに入れてよく混ぜ、スプレーボトルに入れる
  2. 1を窓ガラスにスプレーし、濡らしてかたく絞った雑巾で窓を拭く

拭き跡が気になるかもしれませんが、乾けば跡がなくなるので心配いりません。

3.空気の通り道を作る

壁と家具の間や押し入れの中に隙間が少ないと、空気の流れが悪くなって湿気がこもり、カビが発生する原因になります。家具を壁から10cm程度離して設置し、風の通り道を作ることを意識しましょう。

 

押し入れの中はものを詰め込みすぎないようにしたり、すのこを利用したりして空気の通り道を確保してください。

4.部屋の温度を調整する

結露は室内と室外の気温差によって生じるため、室温を上げすぎないよう注意が必要です。暖房器具の使い方や温度設定を今一度見直して、外との気温差を少なくしましょう。

【湿気の原因と対策】湿気をコントロールして快適な空間に!

家電・グッズを使った冬の結露対策4つ

部屋に置いている除湿器

 

家電やグッズを上手に使うことでも結露対策ができます。必要に応じて、家電・グッズの活用や買い替えを検討してみましょう。

1.除湿機を使う

除湿機を使用して空気中の水分を取り、湿度を下げるのも結露対策のひとつです。除湿機には、コンプレッサー式とデシカント式の2種類があります。

 

  • コンプレッサー式:室温が高いときの除湿に最適で、夏向き。
  • デシカント式:室温が低いときの除湿に最適で、冬向き。

 

部屋の湿度が40〜60パーセントになるよう、上手に調整しましょう。

【湿気&結露対策】おすすめは除湿機!目的やライフスタイル別の選び方

ガスや灯油を使うヒーターは水蒸気を発生させるため、使用しているヒーターを見直してみるのも手です。水蒸気を発生させないエアコンやオイルヒーターであれば、結露が発生しにくくなります。

 

もし、水蒸気が出ないタイプに変えたことで乾燥が気になる場合は、湿度計を確認しながら最適な湿度になるよう加湿器を併用してみましょう。

3.結露防止シート・スプレー・除湿剤を使う

結露防止シートやスプレー、除湿剤などのアイテムは、手軽に結露を防止できるアイテムです。

 

<結露防止シート>

結露防止シートには断熱効果があるため、窓の温度が下がらず結露を防げます。商品にもよりますが、一度貼れば頻繁に張替える必要はありません。

 

<結露防止スプレー>

結露防止スプレーを窓に吹きかけると、吸水効果のある膜が張れて結露を防げます。効果は2週間〜1ヵ月程度。定期的にスプレーして効果を持続させましょう。

 

<除湿剤>

除湿剤は湿気を吸収してくれるアイテムです。押し入れや下駄箱など湿気が溜まりやすいところに設置します。

4.窓専用のヒーターを設置する

窓専用のヒーターを使って温めると、窓の温度が下がらないので結露の発生を抑えられます。それに伴い部屋の温度も下がりにくくなり、暖房効率がアップするといったメリットもあります。

 

設置自体が簡単なため、使う部屋を都度変えられるのも嬉しいポイントです。温度調節機能や転倒検知機能が付いているヒーターなら、つけっぱなしによる火事の心配がなく、より安心して使えるでしょう。

結露でカビが発生した場合の対処法

スプレーを使って掃除をしている様子

 

結露によってカビが発生した場合は、見た目が汚くなるのはもちろん、健康被害の面においても不安を感じやすいものです。正しい対処法でカビをしっかり取り除きましょう。

エタノールでカビ菌を除菌する

カビが生えたところにエタノールを使うと、カビの細胞膜にまで成分が浸透することでカビ菌の退治ができます。ただし、エタノールには漂白効果がないため、根を張ったカビの見た目は変えられません。根を張る前のカビがある場合は、エタノールを使ってみましょう。

 

最適なエタノールの濃度は70パーセントで、これ以上高くても低くても効果が下がります。(参考:文部科学省)高濃度の無水エタノールを使用する際は、濃度が70%になるよう薄めてから使ってください。

 

また、カビの繁殖の予防としてエタノールを吹きかけるのもおすすめです。

カビ取り剤で除去する

根を張った頑固なカビや見た目を漂白したいときは、塩素系漂白剤などのカビ取り剤を使いましょう。

 

<手順>

  1. カビが発生している箇所にカビ取り剤を吹きかける
  2. キッチンペーパーやラップで覆い、30分~1時間程度放置する
  3. キッチンペーパーやラップをはがし、濡れ雑巾などでカビを拭き取る

 

カビ取り剤を使用するときは、肌に触れるのを防ぐためにゴム手袋を着用し、部屋をしっかり換気してください。

温度・湿度の調整が結露対策の肝!

温度・湿度計が置かれたテーブル

 

結露は外気と室温の気温差によって発生します。結露を防ぐには、温度や湿度を調整するのがポイント。換気や暖房器具の温度設定などでも対策できますが、必要に応じて結露防止アイテムを取り入れるのもおすすめです。体の健康と住まいを守るためにも、冬の結露対策を万全にしましょう。