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Aug 09, 2024

【8月におすすめの小説・エッセイ・絵本】夏に読みたい一冊を発見!

海の目の前の机と水と本とサングラス

夏真っ盛りの8月。日中は外に出るのも大変な季節ですが、そんなときこそ室内で読書を楽しんでみてはいかがでしょうか。この記事では、8月にぜひ読んでおきたい本7選をご紹介します。不朽の名作やノスタルジーを感じられるもの、背筋がぞくっとするものなど、幅広いジャンルの本をピックアップしたので、ぜひ参考にしてみてください。

「読書の夏」を始めよう♪8月におすすめの本7選

海水浴や花火大会など、夏は外出する機会が増える時期。ですが、そんなときこそ本の世界に没入することで、心身ともにリフレッシュできます。ここでは、編集部おすすめの8月に読みたい本を7作品紹介します。普段あまり本を読まない人でも夢中になれる本ばかり集めたので、ぜひ気になるものを探してみてくださいね。

おばあちゃんに会いたくなる「西の魔女が死んだ」梨木香歩

西の魔女が死んだ 表紙画像
「西の魔女が死んだ」梨木香歩 著:新潮文庫

主人公は、中学で不登校になってしまった少女「まい」。感受性が強く繊細なまいは、中学に進んで間もなく学校へ足が向かなくなり、ついに「学校には行かない」と宣言します。仕事で毎日多忙の母親はそんなまいに困り、英国人である自分の母親(まいのおばあちゃん)へ預けることにしました。魔女の血を受け継いでいるという祖母のもとで過ごすうちに、徐々にまいは「生きるためのスキル」を身に着けていきます。かたくなだった殻も少しずつ剥がれ、意思の力を持てるようになりますが…。芯を持つことの大切さや物事への向き合い方を学べる、児童文学のベストセラー小説。まいの成長物語を通して、大切なことを思い出せる、そんな作品です。

ひと夏の恋に懐かしさを感じる「風の歌を聴け」村上春樹

風の歌を聴け 表紙画像
「風の歌を聴け」村上春樹 著:講談社文庫 表紙イラスト:佐々木マキ

東京の大学に通う「僕」が一人称の作品。地元・神戸に帰省した「僕」が訪れたのは、懐かしい行きつけのバー。なにか苦悩を抱えているように見える地元の友人「鼠」とダラダラした時間を過ごしていると、酔いつぶれている女の子を発見します。女の子を介抱し自宅へ送ることになった「僕」。ここから物語はゆるやかに動き出し…。ほろ苦い青春の一ページを軽快なタッチで展開しつつ、孤独や喪失、人間関係のもろさを描いた作品。若かりしあの頃を思い起こさせるような内容で、ページをめくるうち作者・村上春樹の世界観に引き込まれていきます。

夏の蒸し暑さが絶妙にリンクする「八月の路上に捨てる」伊藤たかみ

八月の路上に捨てる 表紙画像
「八月の路上に捨てる」伊藤たかみ 著:文春文庫

主人公は30歳の誕生日を目前に妻との離婚を控える会社員、敦。自販機補充の仕事をする敦は、シングルマザーの同僚、水城と営業車で巡回する毎日。8月最後の暑い日、いつものように水城とたわいもない話をしている道中で、離婚の経緯を打ち明けることになります。夢と仕事と生活。どれも大切なものだけれど、何ひとつうまくいかなくて…。日常を過ごす男の身の上話から夫婦の現実や社会のひずみがひしひし伝わり、うまくいかなさにもがく人々の言葉に思わず共感してしまう、第135回芥川賞受賞作です。

すぐにでも旅行に行きたくなる「表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬」若林正恭

表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬 表紙画像
「表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬」若林正恭 著:文春文庫

第3回斎藤茂太賞を受賞した、お笑い芸人・オードリーの若林正恭さんの旅行記。「別のシステムで生きる人々を見たい」という気持ちから、わずか5日間の夏休みに単身キューバ、モンゴル、アイスランドを渡った記録がつづられています。「明日亡くなるとしたら、生き方は変わるのか」。海外で出会った人との交流や初めて見る景色を通して生き方を考えさせられる、笑いあり涙ありの名作エッセイです。

人間の寂しさと切なさに浸る「窓の魚」西加奈子

窓の魚 表紙画像
「窓の魚」西加奈子 著:新潮文庫

登場人物は、おとなしいナツ、明るいアキオ、可愛いハルナ、不愛想なトウヤマ。秘密を抱えた2組のカップルが温泉宿で過ごした翌朝、一体の死体が発見される…。旅館で起きた恐ろしい事件。これは殺人なのか、それとも自殺なのか、亡くなった人は誰なのか。4人それぞれの視点で順番に物語が進む形式で、語る人が変わるたびさまざまな事実が明らかになります。嫉妬や執着、無関心など人間のダークな一面が垣間見え、得体の知れない気味悪さとリアルな人間味を感じられる小説です。

こどもの無邪気さが怖さを加速する「夏と花火と私の死体」乙一

夏と花火と私の死体 表紙画像
「夏と花火と私の死体」乙一 著:集英社文庫

「九歳の夏休み、私は殺されてしまったのです」。死体が語り手という、斬新な展開のホラーサスペンス小説。主人公の「私」は冒頭、あまりに些細な理由で殺されてしまいます。ひとつの死体をめぐって幼い兄妹が試行錯誤をする様子が丁寧に描写されており、一冊を通してなんともいえない狂気が感じられる作品。無駄をそぎ落としたシンプルな文章が、逆に物語への没入感を高めてくれます。ホラー作家乙一のデビュー作であり、第6回ジャンプ小説・ノンフィクション大賞受賞作。

夏の自然を全身で味わいたくなる「なつのいちにち」はたこうしろう

なつのいちにち 表紙画像
「なつのいちにち」はたこうしろう 著:偕成社

小さいこどもはもちろん、大人にもおすすめの絵本が「なつのいちにち」です。麦わら帽子をかぶって一身に走る少年は、「今日は絶対にクワガタを捕まえる」という強い想いを胸に、ひとりでクワガタがいる山へ向かいます。一面緑の田んぼ、もくもくと立ち上がる入道雲、突然やってくる夕立など、鮮やかな絵から夏特有の温度が伝わり、「こどもの頃の感覚が鮮明によみがえってきた!」という声も多数。夏が来るたび読み返したくなる、こども時代の思い出を丁寧に描いた作品です。

意外な楽しみ方も!8月におすすめの読書法3選

古民家で風鈴がなびく

 

物語の世界にじっくり入り込むには、自分にとって心地よい環境を選ぶことが大切です。季節を感じながら読めば、より没入することができるでしょう。ここでは8月にぴったりの読書スポットやおすすめの読書法を紹介します。理想的な場所を見つけて、ぜひゆっくりと読書を楽しんでくださいね。

真夏のビーチ、パラソルの下で読む

読書というと、室内でするイメージが強いですよね。ですが、ときには外に出て大自然の中で本を読んでみると、心も体もリラックスできます。特に波の音はリフレッシュ効果が高いといわれているので、ぜひビーチに出かけてみてください。静かで心地よい海での読書時間は、なんとも贅沢なひとときです。海辺でテントを張り、潮の香りを感じながら過ごすのもおすすめです。ただし熱中症にならないよう、暑さ対策は万全に!

セミやヒグラシ、風鈴の音を聴きながら読む

夏の夜長には、心地よい虫の音を聴きながら本を読むのもいいでしょう。都市部など自然の虫の音が聞こえないときは、虫の鳴き声を収録したBGMを流すだけでも、風情を感じられます。また、風鈴の軽やかな音色もくつろぎタイムにはぴったり。風鈴の音を聴きながら夏が舞台の本を読めば、どこか風流な気持ちになれます。ぜひ窓辺に飾って、情緒豊かな読書を楽しんでみてはいかがでしょうか。

畳の上で寝転がりながら読む

エアコンの効いた部屋の中、畳の上にごろんと寝転がって本を読む。読書をはじめ、畳の上で過ごすと、日本の夏らしいノスタルジーな気持ちになりますよね。畳の程よい柔らかさと足触りの良さは、リラックスしたいときに最適です。また、畳に使われる「い草」には森林浴と同じような効果があり、癒しやリラックス効果、集中力を高める効果も期待できるといわれています。うつぶせになったり、仰向けになったり、態勢を変えながらごろごろ好きな本を読んで、至福の時間を過ごしましょう。

おわりに

机に置かれた冷たい麦茶と本

 

旅行やお祭り、マリンスポーツなど、夏ならではのイベントはたくさんありますが、心身ともに落ち着いて過ごしたいときは読書をするのがおすすめです。知らない世界に触れたり、過去を振り返ることができたりと、読書にはたくさんの魅力があるもの。ぜひ気になる本を探してみて、暑さ厳しい日本の8月を楽しく過ごしてくださいね。

 

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