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Mar 15, 2024

おいしい手作り味噌の作り方|失敗しないコツと正しい保存方法とは

ビタミンやミネラルが豊富に含まれている味噌は、体に良い調味料として知られています。なかでも時間をかけて丁寧に熟成された手作り味噌は栄養価が高く、旨みや香りも市販品とは比べ物になりません。この記事では初めてでも手軽に作れる味噌レシピと、おいしい味噌を作るためのコツを紹介します。ぜひ参考にして、自分だけの手作り味噌を仕込んでみてくださいね。

新豆がおいしい季節、手作り味噌を作ろう

 

味噌を手作りするメリットは、なんといっても自分や家族好みの味に調整できることです。手作り味噌は熟成期間を自分で決められるので、あっさり味が好きな人は熟成期間を短く、コクのある味が好みの人は長期間熟成すれば、最高においしい状態の味噌を味わえます。そのほか、塩の種類を変える、大豆以外の豆を使うなど色々なアレンジができたり、色素や調味料が使われたりしていないところも、手作り味噌ならではの魅力です。

味噌づくりは一年中いつでもできますが、初めて作るときは1月上旬から2月上旬までの時期に仕込む「寒仕込み」がおすすめです。寒仕込みは味噌の熟成に約10ヵ月もの長い時間がかかる反面、味噌の旨みや風味をしっかり感じられます。前年の10月頃に収穫された新豆を使って作る伝統的な手法なので、ぜひチャレンジしてみてくださいね。

手作り味噌の材料は3つだけ!選ぶときのポイントは?

 

自家製味噌だからこそ、材料にもこだわりたいという人は多いでしょう。味噌を作るときに必要な材料は大豆、麹、塩のたった3つです。ここでは、それぞれの選び方のポイントを解説します。

手作り味噌に必要な材料「大豆」を選ぶときのポイント

赤大豆や青大豆、黒大豆など、ひとくちに大豆といってもさまざまな種類がありますが、このうち味噌づくりに向いているといわれるのは「黄大豆」という、いわゆる一般的な品種です。黄大豆はタンパク質と脂質が豊富で、甘みや旨みが強いコクのある味噌づくりにぴったり。熟成時の色の変化も分かりやすいので、初めて味噌づくりに挑戦するときは黄色大豆を選ぶのがおすすめです。

手作り味噌に必要な材料「麹」を選ぶときのポイント

手作り味噌の味は、どんな麹を使うかによっても大きく変わります。例えば玄米麹を使った味噌は強く濃厚な香りで、やや苦みのある味がします。一方、全国的に普及されている白米麹は甘口で、こどもでも食べやすい味わいが特徴です。独特の発酵臭も少ないので、クセが少ないお味噌を作りたいときは白米麹を、いつもと違った味わいを楽しみたいときは玄米麹を使うと良いでしょう。

手作り味噌に必要な材料「塩」を選ぶときのポイント

味噌を安全に発酵させるには、殺菌作用のある塩が欠かせません。塩には天然塩と精製塩、再加工塩の3種類がありますが、基本はどれを選んでも大丈夫です。よりミネラル豊富な塩が良い場合は天然塩を、特にこだわりがなければ一般的な精製塩や再加工塩を用意しましょう。

手作り味噌に使う道具

 

自宅で味噌を作るには、以下の道具が必要です。

 

鍋:大豆を煮るために必要。圧力鍋も使える。
豆をつぶす道具:マッシャーやハンディミキサー、フードプロセッサー、めん棒など。
保存容器:ホーローやガラス製のものが最適。なければジップロックでもできる。

手作り味噌のシンプルレシピを紹介!自分好みの味を作ろう

 

味噌をいちから作るというと難しそうに聞こえますが、実はその作り方はとてもシンプルです。手順さえしっかり覚えれば誰でも簡単に作ることができるので、ぜひ気軽な気持ちで挑戦してみましょう。

手作り味噌のシンプルレシピ|手順①大豆を洗う

まずは大豆をよく洗い、汚れや不純物を落としましょう。見た目には分からなくても、大豆は意外と汚れています。豆をこすり合わせるようにしっかり洗って、余計な油分や土を取り除いてください。

手作り味噌のシンプルレシピ|手順②大豆を水に漬ける

大豆の3倍以上の水を用意し、一晩(12~18時間)漬けておきます。大きいボウルに水を張り、大豆が十分水分を吸えるようにしておきましょう。水は少しずつ減っていくので、様子を見ながら途中で足していってください。しっかり水を吸った大豆はぷっくり膨らんで、色も明るい黄色になります。

手作り味噌のシンプルレシピ|手順③大豆を煮る

大豆と水を鍋に入れ、沸騰するまで強火にかけます。焦げや煮汁不足を防ぐため、水の量は大豆の1.5倍くらいに調整してください。沸騰したらお湯がふつふつする程度に火を弱め、親指と小指で簡単につぶれる柔らかさになるまで煮込みます。圧力鍋を使う場合は約20分、通常の鍋なら3時間ほどかかるので、焦らずじっくり火を通しましょう。

手作り味噌のシンプルレシピ|手順④大豆を潰す

ざるを使って大豆をあげ、フードプロセッサーやマッシャーなどでつぶします。粒が残らないよう、なめらかなペースト状になるまでムラなくつぶすのがポイントです。すり鉢を使ったり、ビニール袋に入れて手でもみこむようにつぶしたりするのもOK。すべてすりつぶしたら人肌くらいの温度になるまで冷ましましょう。

手作り味噌のシンプルレシピ|手順⑤麹と塩を混ぜる

別のボウルに麹と塩を入れ、ムラがないようしっかり混ぜます。この麹に塩を混ぜ合わせたものは「塩切り麹」といい、塩の効果で麹の酵素を出やすくする役割があります。

手作り味噌のシンプルレシピ|手順⑥大豆を加える

全体が混ざったらつぶした大豆を加え、じっくり丁寧に混ぜてください。このときしっかり混ざっていないとカビが生える原因になるので、丁寧かつ素早く混ぜることが大切です。

手作り味噌のシンプルレシピ|手順⑦団子状に丸めて保存容器へ

小指がすんなり入るくらいになったら、空気を抜きながら団子状に丸めます。パサついて丸めづらいときは、冷ました大豆の茹で汁を少し加えて硬さを調整しましょう。大きさは野球ボールくらいがベストです。続いて保存容器に丸めた味噌を投げ入れ、ひとつずつ上から押さえて平らにします。隙間があるとカビが生えやすくなるので、ぴったり収めましょう。

手作り味噌のシンプルレシピ|手順⑧熟成させる

保存容器の内側やフタに付いた味噌をキッチンペーパーなどで拭き取ります。ジップロック以外の容器を使う場合、味噌が空気に触れないようラップをぴったり貼り付けて、上から重石を置きます。最後にしっかりフタをしたら完成です。風通しの良い冷暗所に保管し、半年から1年後の食べごろを待ちましょう。

味噌づくりで失敗しないコツ・保存時の注意点

 

味噌づくりを成功させるには、どんな点に注意すれば良いのでしょうか。ここでは、味噌づくりを失敗しないために押さえておきたいポイントや出来上がった味噌を適切に保存する方法について説明します。

大豆に水をたっぷり吸わせる

大豆が水を十分吸えていないと、大豆の芯が残ってうまく炊き上がらなかったり、水分が足りずパサパサになったりします。大豆を水に漬ける時間は短縮せず、しっかり水分を含ませるのがポイント。大豆は煮るとまた水を吸って膨らむので、たっぷりの水で煮込むようにしましょう。

日光が当たらない、涼しい場所で保管する

味噌は気温が高いほど発酵が進み、クセのある風味になります。食べごろを迎えた味噌は日光が当たらない冷温所に保管しましょう。味噌の風味をなるべくそのままに保ちたいときは、冷蔵庫や冷凍庫で引かして保存するのもおすすめです。味噌は冷凍庫に入れても凍らないので、取り出したらすぐに料理に使えます。

重石を置く

味噌づくりに使った重石は食べる直前まで乗せておきましょう。重石を載せることで味噌の発酵が程よく進み、カビも生えにくくなります。重石は味噌の重量の30%程度を目安に、均等に重みをかけられるものを選んでください。

シンプルな材料で手作り味噌を作ってみよう!

 

自分好みの味を楽しめる手作り味噌は、たった3つの材料で作れるお手軽なもの。作業時間も合計1時間ほどで、思い立ったらすぐに挑戦できるのが魅力です。余計な添加物は一切入っていないので、健康を意識している人も安心して食べられるのが嬉しいですね。ぜひこの機会に味噌づくりにチャレンジして、味噌本来の味わいを堪能してみてくださいね。