日本の春の風景には、桜が欠かせません。桜は見て楽しむだけでなく、塩漬けにして桜餅やクッキーなどのお菓子、桜茶、おにぎりやパンなどに入れて楽しむことも可能です。本記事では、春の風物詩である桜を使った塩漬けの作り方やアレンジレシピを紹介します。今年は桜を目で楽しむだけでなく味わって楽しみたい方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
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桜の塩漬けとは
桜の塩漬けは、桜の花びらを塩や酢に漬け込んで食用にしたものです。桜の塩漬けの歴史は所説ありますが、江戸時代末期に作られるようになったと言われているのが一般的です。地域のお祭りで桜の塩漬けを販売し始めたことから始まり、庶民に親しまれていきました。ほかにも、旅人をもてなすために桜の塩漬けが茶屋で出されるようになった説もあります。見事に咲き誇る桜を目だけでなく食べて楽しむ庶民のアイテムとして、桜の塩漬けは今なお多くの人々に愛され続けています。
桜の塩漬けの基本的な材料
桜の塩漬けは自宅でも作れます。何を用意すべきか、基本的な材料を見ていきましょう。
塩漬けにおすすめの桜の種類
桜の塩漬けに使われる桜は一般的に見られるものではなく、やわらかく食べやすい八重桜や大島桜が使われるのが一般的です。5~7分咲きの、きれいな環境で育った八重桜を用意しましょう。
桜以外の材料
桜以外の材料として、以下のものを用意しましょう。
・塩
・レモン汁または米酢か梅酢
酢は桜の色をきれいに保存するために使います。赤梅酢を使うと鮮やかなピンク色を維持できます。落ち着いた色にしたいなら米酢、酢のにおいが苦手な方にはレモン汁がおすすめです。
桜の塩漬けの基本的な作り方
桜の塩漬けの基本的な作り方を紹介します。下処理から丁寧にすれば、長期間保存できるおいしい桜の塩漬けを作ることが可能です。
まずは桜の下処理
まずは桜の下処理をしましょう。桜の根についている小さい赤い葉っぱを取り除きます。その後ボウルに桜と水を入れて、優しくもみ洗いをして汚れを取り除きましょう。これを2~3回繰り返します。キッチンペーパーでしっかり水気を切ったら、塩を振りかけます。
塩漬けする手順
1.桜の半量程度をタッパーに入れて塩を振り、その上に残りの桜を入れ、塩を振りかける
2.レモン汁または米酢か梅酢を回しかける
3.重石を乗せて3日程度日陰で放置する
4.天気のいい日に陰干しする
5.保存容器に塩と桜を入れて保存する
桜の塩漬けの日持ち
桜の塩漬けは作り方にもよりますが、1年ほど日持ちします。塩は食料を長期保存するのに役立ち、塩にしっかり漬け込むことでより長期間保存できます。葉が乾かないように保管するのがポイントです。1年ほど経過すると変色してしまいますが、十分食用として使い続けることは可能です。
桜の塩漬けを塩抜きする方法
桜の塩漬けは塩味が強いため、スイーツなどに使う際は塩抜きすることがおすすめです。水を入れたボウルに桜の塩漬けを入れ、10~20分放置するだけで塩抜きができます。一つ口に含み、塩気が十分に抜けているか確認してください。塩抜き後は水分を多量に含んでいるため、キッチンペーパーで水気を切ってから使いましょう。
桜の塩漬けの活用方法とアレンジレシピ【ごはんもの】
桜の塩漬けを使ったごはんもののアレンジレシピです。お花見やピクニックにもぴったりなので、ぜひチャレンジしてみてください。
桜の一口おにぎり
お花見のお弁当に最適な、桜の一口おにぎりを紹介します。
<材料>(4個分)
・ごはん……250g
・白いりごま……小さじ2
・昆布茶……小さじ1/2
・桜の塩漬け……4個
・お湯……適量
<作り方>
1.ボウルにお湯と桜の塩漬けを入れて塩ぬきをし、水気を取る
2.別のボウルにご飯と白いりごま、昆布茶を入れて混ぜ合わせる
3.4つのおにぎりを作る
4.桜の塩漬けを乗せて完成
好みに合わせて、量を調節しながら塩を加えるのもおすすめです。
桜のおいなりさん
お花見にぴったりの、桜のおいなりさんのレシピです。
<材料>(10個分)
・油揚げ……10枚
・砂糖……大さじ5
・酒……大さじ5
・水……大さじ5
・醤油……大さじ4
・みりん……大さじ4
・米……2合
・すし酢……30cc
・白いりごま……大さじ1~2
・蓮根……50g
・桜の塩漬け……4本(寿司飯用)10本(飾り用)
<作り方>
1.レンコンを1cm角に刻んで酢と砂糖を入れたお湯で3分程度煮る
2.米をやや固めに炊く
3.お湯を沸かして油揚げを3分ほど茹でて水気を着る
4.鍋に油揚げと砂糖、酒、水、醤油、みりんを入れて落し蓋をして煮る
5.油揚げが飴色になるまで煮たらやや水気が残る程度に絞る
6.桜の塩漬けを水に入れ15分程度塩抜きし、水気を着る
7.ご飯に酢を入れて混ぜ合わせ、レンコン、桜の塩漬け、白ごまを混ぜる
8.油揚げにご飯を入れる
9.油揚げの上に飾り用の桜の塩漬けを乗せる
レンコンを紅ショウガと砂糖を入れた水に一晩漬け込むとピンク色になり、油揚げに入れるご飯もピンク色で華やかになりますよ。
桜と抹茶のクリームパスタ
和風の雰囲気を満喫できる、桜と抹茶をふんだんに使ったクリームパスタを作ってみましょう。
<材料>(2人分)
・スパゲッティー……200g
・生ハム……4枚
・ブナピー……1パック
・生クリーム……大さじ8
・抹茶……大さじ1/2
・桜の塩漬け……8本
・オリーブオイル……大さじ1
・塩……適量
・こしょう……適量
<作り方>
1.スパゲティを多めのお湯に入れて固めにゆでておく
2.ブナピーを小分けに、生ハムは1cm幅に、桜の塩漬けは水につけて塩抜きをしておく
3.フライパンにオリーブオイルを家れてブナピーと名やハムを傷める
4.生クリームと抹茶を入れて煮詰め、塩とこしょうで味を整える
5.スパゲティと桜の塩漬けを入れて混ぜ合わせ、火を止める
6.器に盛り付けて桜の塩漬けを追加でトッピングする
生ハムの塩分が高い場合は塩こしょうの量を減らし、味のバランスを整えましょう。
桜の塩漬けの活用方法とアレンジレシピ【スイーツ】
桜の塩漬けを使ったスイーツのレシピを紹介します。お花見や来客時、または訪問時のおもてなしにぴったりな、季節を感じられるスイーツを作ってみましょう。
桜のクッキー
サクサク触感が楽しめる桜のクッキーです。手土産などにも最適です。
<材料>(30枚分)
・薄力粉……125g
・ベーキングパウダー……5g
・バター……50g
・水……30ml
・塩……1つまみ
・グラニュー……糖50g
・打ち粉用の薄力粉……適量
・桜の塩漬け……30個
<作り方>
1.薄力粉とベーキングパウダーをボウルに古い入れる
2.鍋にバター、水、塩、グラニューを入れて弱火で混ぜ合わせる
3.2を1のボウルに入れてゴムベラで混ぜる
4.生地がまとまったらラップで包んで1cm程度に伸ばし、冷蔵庫で30分程度寝かせる
5.生地に打ち粉をして厚さ2mm程度に伸ばす
6.5cmの型で生地を抜く
7.それぞれに桜の塩漬けを1つずつ乗せ、180度に余熱したオーブンで10~15分焼く
周囲がうっすら色づけば完成です。焼き上がりの時間は最初は短めにし、調節していきましょう。
桜のムース
見た目も美しく、優しいくちどけを楽しめる桜のムースの作り方を紹介します。
<材料>(4個分)
・生クリーム……100g
・ヨーグルト……100g
・砂糖……大さじ2
・桜リキュール……大さじ3
・昆布つゆ白だし……小さじ1
・桜の塩漬け……4枚
・ゼラチン……3g (水大さじ2)
<作り方>
1.ゼラチンを水でふやかし、桜の塩漬けを水につけておく
2.生クリーム、ヨーグルト、砂糖、桜リキュール、昆布つゆ白だしをフードプロセッサーに入れて混ぜ合わせる
3.ゼラチンをレンジで10~20秒加熱し、フードプロセッサーに加えて混ぜ合わせる
4.容器に生地を流し込んで冷蔵庫で固める
5.固まったら桜の塩漬けを乗せて完成
白だしを加えることで和風の味わいが高まります。お好みで量を調節してみましょう。
桜のマフィン
ホットケーキミックスで簡単に作れる桜のマフィンです。華やかな見た目は、お花見に持っていくのにも最適です。
<材料>(6個分)
・ホットケーキミックス……200g
・牛乳……80ml
・卵……1個
・桜の塩漬け……10g
・ホワイトチョコレート……30g
・桜の塩漬け (飾り用)……6枚
<作り方>
1.桜の塩漬けを水に30分ほどさらして塩抜きし、キッチンペーパーで水気を取っておく
2.桜の塩漬けとホワイトチョコレートをみじん切りにする
3.ボウルにホットケーキミックス、牛乳、卵、桜の塩漬けを入れて混ぜ合わせる
4.マフィン型に生地を流し込み、飾り用の桜の塩漬けを乗せる
5.180度に余熱したオーブンで15分程度焼く
オーブンでの焼き時間は、自宅のオーブンによって調整しましょう。竹串をさして生地がついてこなければ完成です。
おわりに
春の風物詩、桜を使った塩漬けの作り方やアレンジレシピを紹介しました。市販の桜の塩漬けも使えますが、一から手作りすればより春を満喫できるでしょう。桜の塩漬けは料理やお菓子、パンなどにアレンジして楽しむことが可能です。食感からも桜を満喫し、春の訪れを楽しみましょう。