ホットソースとは、主に唐辛子・塩・お酢が原料となったソースのことで、海外では定番の辛味調味料です。
ピザやパスタはもちろん、ハンバーガーやタコスなどメキシコ料理のお店でもよく見かけます。お肉や野菜などさまざまな料理に合うホットソースは、日本でもジワジワとファンを増やし、一度ハマると抜け出せない人も多いのだとか。
日本では、辛いイメージが先行しているホットソースですが、今回は、辛いだけじゃない!個性的で美味しいホットソースの魅力を、無添加クラフトホットソース専門店「HOT SAUCE BAR」の基村さんにインタビューしました。
MOKUJI
「HOT SAUCE BAR」基村さんが語るホットソースの魅力
一口にホットソースと言っても、組み合わせる唐辛子の種類や、フルーツなどによってさまざまな種類があります。日本ではまだあまりメジャーではありませんが、基村さんが日本でホットソースを広めようと思ったきっかけは何だったのでしょうか。
ホットソースとの出会いはアメリカ
「ホットソースとの出会いは大学卒業後、ニューヨークに留学していた時でした。何かおしゃれなお店があるな、と入ったのがブルックリンのヒートニスト(Heatonist)というホットソースの専門店。最初はホットソースの店だと知らずに入ったんです。テイスティングした時に、タバスコやデスソースとは違う衝撃的な美味しさにビビッときてしまいました。ちなみに初めて購入したのはmade in Japanの<Hop in Heaven> でした。」
「パッケージもおしゃれにデザインされていて、テイスティングするたびに面白い発見があるクラフトホットソースの魅力にのめり込んでしまいました。それから日本に帰国する際、お土産としてホットソースを渡したら喜んでもらえたこともあり、この味と面白さを日本に合った形で広めていくこと。これが自分のやりたいことかも、と思いました。」
ストーリーが魅力のクラフトホットソースとは?
アメリカではメジャーな調味料であるホットソースは、各家庭で自作するのもポピュラーなのだとか。ホットソースのメーカーは全米で1000社以上あるとされ、クラフトビールのように、そのほとんどが小規模でじっくりと製造されています。
「クラフトホットソースのいいところは、小規模だからこそ生産者の顔が見えるところです。それぞれとてもユニークなバックグラウンドを持った作り手が、個性的なソースを作っているのを想像しながら食事ができる。ソースの味だけではなく、そんな十人十色のストーリーと一緒に楽しめるのがクラフトホットソースの魅力です。」
「HOT SAUCE BAR」のこだわり
2019年にオープンした「HOT SAUCE BAR」が扱うホットソースには4つの基準があります。
①無添加のクラフトホットソースであること。
②美味しいこと
③個性的なメーカーのブランドストーリーがあること
④ラベルのデザインがお洒落なこと
この基準を満たしたホットソースを厳選して取り扱うことで、ファンやリピーターの心をしっかりとつかんでいます。
ホットソースをもっと身近に
「HOT SAUCE BARのミッションは、ホットソースを日本の食卓に広めて定着させることです。テーブルの上にいつも置いておける調味料になればいいなと思っています。
なので、テーブルの上やキッチンに置いても、インテリアに馴染むようなデザインであることもポイントです。ホットソースの中には、ドクロマークや悪魔をモチーフにしたロゴなどもありますが、そういったものはできるだけ避けるようにしています。」
オールナチュラルなホットソース
「HOT SAUCE BARでは、アメリカで感じた<クールでヘルシー>なホットソースをコンセプトに、食品添加物を一切使用していないオールナチュラルな商品だけを取り扱っています。また、多くの商品がヴィーガン、グルテンフリー、シュガーフリーです。現在はありがたいことにメーカーさんの方から取り扱って欲しいとの問い合わせもいただくのですが、これらの基準を満たしたクラフトホットソースの中から、日本のお客様に紹介したいと思えるものだけをセレクトしています。」
ブランドストーリーのある商品を全国に
日本全国にホットソースを広めるため、お客さんとのコミュニケーションの中にも「HOT SAUCE BAR」のこだわりがあります。その一つが取り扱っているクラフトホットソースメーカーのストーリーを伝えることなのだとか。
「クラフトソースならではのストーリーを伝えることで興味を持ってもらえることに繋がればいいなと思っています。元々グラフィックデザイナーの女性が独学で作ったホットソースが数々の賞を獲得していたり、おばあちゃんの作ったホットソースの味をどうしても再現したくて何年もかけて作ったものがあったりと、一つひとつに様々なストーリーがあるんです。」
ECサイトでも、個性的なホットソースの特徴が書かれているだけではなく、それぞれが持つストーリーやブランドのこだわりが描かれています。
「このコロナ禍で試食販売ができなくなってからは、味に個性のあるホットソースを試してから購入していただくことができなくなり、かなり苦労しました。お客さんにどう説明して、どう使うのかシーンの想定をしていただくのかも大切なポイント。単純な辛い、酸っぱいではなく口に入れた瞬間からどう味が変化してどんな後味なのか、海外の方やワインソムリエの方たちの説明の仕方を参考にしています。」
「HOT SAUCE BAR」基村さんオススメ!ホットソースの使い方
メーカーによって様々な味が楽しめるホットソースを日常に取り入れる際のポイントを教えていただきました。
ホットソースを選ぶ時のコツ
ホットソースには
唐辛子などをスモークして深い味に仕上げたスモーキータイプ、酸味が特徴的なビネガータイプ、フルーツや野菜を取り入れて味に変化をつけたフルーティータイプと大きく分けて3つのタイプがあります。
「ホットソースを選ぶ際は色に注目してみてください。まず初心者の方におすすめするのは、色が赤いオーソドックスなタイプです。万能なものが多く、どんな料理にもマッチします。逆に黄色だとフルーティなものが多かったり、緑色だとハラペーニョなどの特徴がある唐辛子が使われていたりするため、尖った味のホットソースが多く、組み合わせる料理も変わってきます。」
ホットソースを日常使いするコツ
ホットソースはピザやパスタにかけて辛味を足すだけというイメージを持っている方もいるのではないでしょうか。実は色々な料理の味変にも使えます。日本人に馴染みのある料理で言うと、餃子につけて食べるのがおすすめなのだとか。
「ゆずテイストのホットソース<ユズヘブン>をカツオのたたきと合わせたり、クミンのスパイスが効いたメキシカンスタイルの<チポトレ>というホットソースをたこ焼きやお好み焼きにかけたりと、味を変化させる役割と辛味を足す役割を持つのがホットソースの特徴です。」
「店頭に立つと、どうやって使えばいいんですか?という質問をよくされます。そんな時おすすめしているのはマヨネーズとの組み合わせです。マヨネーズ2に対してホットソース1を混ぜて、スパイシーマヨにすれば揚げ物との相性抜群です。酸味や辛さもまろやかになって、自分で味をコントロールできるので色々調整してみてください。他にもケチャップと混ぜてバーベキューソース風に、ハチミツ・マスタードとの組み合わせもおすすめですよ!
僕が海外でカルチャーショックを受けたのは、ニューヨークのお寿司屋さんで、現地の方がお寿司にスパイシーマヨをかけて食べていたことです。試してみるとこれが意外と合うんですよ。」
HOT SAUCE BARオススメのホットソース3選
「HOT SAUCE BAR」がセレクトしたホットソースの中から、おすすめを教えていただきました。
レッドハバネロ&ブラックコーヒー
「いつもの料理に辛味を加えたい時にはこれ。口に入れてから3段階の味を楽しめます。野菜の甘み、柔らかい酸味、そして後からガツンとしたハバネロの辛さがクセになる一品です。」
【QM1】Red Habanero & Black Coffee
チポトレ
「フォルモサのチポトレは、料理の味に変化を加えたい時におすすめです。クミンの風味で一気にメキシカンに。ショップの中でも人気商品の一つで、ビーガン調味料でもあります。」
ファイヤファイヤ
「ファイヤファイヤはうちで扱っている商品の中で最も辛いホットソース。激辛好きの方にはぜひ試していただきたいです。4種類の唐辛子の中には、燻製したトリニダード・スコーピオンと言う、以前ギネスにも認定された唐辛子が入っています。ケチャップと混ぜるとバーベキューソースとして楽しめますよ。美味しさを感じる中で、辛さを攻めたソースです。」
個性的なホットソースで刺激的な体験を!
ホットソースの魅力は味だけではなく、作り手の思いやストーリーに共感して楽しめるところが魅力だと語る基村さん。クラフトホットソースには様々な個性があり、辛さや味わいを自分で選びながら海外の食文化に触れることができます。個性的なホットソースと巡り合って、食事を豊かにするお気に入りの一本を見つけてみてはいかがでしょうか。
「HOT SAUCE BAR」は毎週末の青山ファーマーズマーケットに加えて、全国各地のポップアップショップなどに出店しています。直近の開催情報はこちらから→Instagram
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