寒い季節のファッションで人気のブーツ。購入する際に長く履ける素材を選ぶ人も多いでしょう。ブーツを長く綺麗に履き続けるためは日頃の手入れや保管方法に注意する必要があります。今回こちらの記事では、そうしたトラブルを避け、ブーツを綺麗に心地よく履くための手入れ方法について解説します。
ブーツの手入れに必要なアイテム
こちらの項目ではブーツの手入れに使用するアイテムを紹介します。素材別の専用手入れアイテムも合わせて紹介するので、ケアアイテム購入時の参考にしてくださいね。
【本革ブーツの手入れに必要なアイテム】
本革ブーツで手入れに使用するアイテムは、ブーツ以外のシューズケアでも使用できるので揃えておくと重宝します。
シューズブラシ
ブーツについている汚れやホコリを落とす役割があります。ブラシは馬毛や豚毛など素材によって特徴があり、効果が異なります。
▶️馬毛
汚れやホコリを落とすのに向いています。
▶️豚毛
革用クリームの浸透を助け、ツヤ出しの効果があります。
柔らかい布
ブーツを磨いたり、クリーナーをつけて汚れを落とす時などに使用します。色移りする可能性があるので、何枚か持っておくと安心です。
革用クリーナー
ブラッシングで落としきれなかった汚れを落とす際に使用する専用クリーナーです。
革用保湿(栄養)クリーム
革のヒビ割れやシワを防ぐためのアイテムです。
補色クリーム
経年変化や傷、擦れなどによって色落ちや色ムラのある箇所をカバーするためのアイテムです。
防水スプレー
水によるシミ汚れや、その他汚れの付着を防ぐために使用します。
防カビスプレー
ブーツにかけて乾燥させることでカビの発生を抑えます。
ブーツキーパー
保管する際にブーツの中にブーツキーパーを入れておくことでブーツの形を整え、革のシワを予防することができます。
【スエードブーツ・ムートンブーツの手入れに必要なアイテム】
スエードブーツやムートンブーツはデリケートな素材であるため、手入れの際は専用アイテムを使用します。
クレープブラシ
毛並みを起こし、毛の間に付着した汚れやホコリを取り除く働きをします。
皮革専用消しゴム
スエードやムートンブーツの表面に付着した汚れを落とすアイテムです。軽く擦るだけで汚れを落とすことができるので、持っていると便利です。
起毛素材用クリーナースプレー
スエードをはじめとする起毛素材の風合いや色を保ち、汚れも落とすアイテム。
起毛素材専用シャンプー
先に紹介した専用消しゴムやクリーナースプレーでも落とせない汚れは、専用シャンプーを使用して洗います。
起毛素材用専用の防水スプレー
仕上げに使用する防水スプレーもスエードなどのデリケートな素材向けのものを使用することをおすすめします。
素材別ブーツの手入れ方法
ここからは素材別ブーツの手入れ方法を紹介します。
本革ブーツの手入れ方法
本革ブーツは履き続けることで甲の部分や足首の部分にシワができたり、乾燥によるひび割れも起きたりする可能性があります。そのため、専用アイテムで保湿し、栄養を与えるようにしましょう。
【本革ブーツの基本のケア方法】
- ブラシを使用して表面のホコリや汚れを落とす。この時、シワなどの隙間のホコリも除去するようにする
- 革用クリーナーを柔らかい布に取ってブーツに馴染ませ、ブラシで落としきれなかった汚れを拭き取る
- 革用保湿(栄養)クリームを柔らかい布にとって、シワやひび割れしやすい足首や甲の部分を中心に塗る。この時、シワの間までしっかり塗り込むようにする
- 必要に応じて補色クリームを塗る。補色クリームは色移りの可能性もあるので、服が当たる部分を避けて使用するようにする
- 豚毛ブラシを使用してクリームを均等に広げ、ツヤを出し、最後に防水スプレーをかける
本革ブーツが傷ついてしまった時の対処方法
本革は傷が目立ちやすい素材です。こちらの項目では傷の種類別の対処方法を紹介します。
【すり傷】
- 全体を馬毛ブラシでブラッシングし、汚れとホコリを取り除く
- 靴の色に合った色付きのクリームを柔らかい布などですり傷部分に塗布し、馴染ませる
- 柔らかい布で余分なクリームを優しく拭き取る
【凹み傷】
- ブーツキーパー(シューズキーパー)を入れて形を整える
- 凹んだ部分に水を1滴落とす
- ゴムハンマーで凹み部分が平らになるまで叩く
スエードブーツの手入れ方法
スエードブーツは繊細な素材で、汚れがつきやすいです。そのため、手入れの際は専用アイテムを使用して手入れするようにしましょう。
【スエードブーツの基本のケア方法】
- 全体をしっかりとブラッシングし、汚れとホコリを取り除く
- クレープブラシで毛並みを起こし、毛の間のホコリや汚れまでしっかり取り除く
- 皮革専用消しゴムで気になる汚れを落とす
- ブラッシングし、最後に起毛素材用専用の防水スプレーをかけ、風通しの良いところで乾燥させる
スエードブーツの汚れの落とし方
スエードは汚れがつきやすい素材ですが、専用のシャンプーを使用することで皮革専用消しゴムで落としきれなかった汚れも落とすことができます。
- ブラッシングで表面の汚れを落とす
- 濡れた雑巾を使い、濡らした雑巾を押しつけるようにして汚れ部分を湿らせる
- スポンジに専用シャンプーを染み込ませ、汚れ部分を洗う
- スポンジやタオルを水で濡らし、シャンプーを優しく拭き取る
- ブーツの中にブーツキーパーを入れ、風通しのいい日陰で十分に乾燥させる
ムートンブーツの手入れ方法
ムートンブーツもスエード同様に起毛素材です。そのため、表面の手入れ方法はスエードと似ています。
【ムートンブーツの基本のケア方法】
- 全体をしっかりブラッシングし、汚れとホコリを取り除く
- 皮革専用消しゴムで気になる汚れを落とす
- 専用クリーナーをかけてスポンジで全体に馴染ませてつつ、汚れを取り除く
- ブラッシングし、起毛素材用専用の防水スプレーをかけ、風通しの良いところで乾燥させる
ムートンブーツの汚れの落とし方
ムートンブーツにはフェイクムートンとリアルムートンがあります。フェイクムートンの場合は自宅で洗濯することができます。具体的な洗濯方法は以下の通りです。
- バケツに水と衣類用洗剤を混ぜて洗浄液を作る(水と洗剤の量は洗剤の種類によって異なります)
- ブーツを洗浄液に浸し、優しく押し洗いし、汚れ部分は柔らかいブラシを使って落とす
- ブーツをしっかりと水で洗い、洗浄液を洗い流す(ブーツは水分を吸い込んでいるので、残留洗剤を残さないようにする)
- 新しいバケツに水と衣類用柔軟剤を入れて混ぜ、そこにブーツを浸す
- バスタオルなどで水分を拭き取り、脱水機は避けて手作業で水分を取り除く
- ブーツの中に新聞やタオルを詰め、風通しのいい場所で3日ほど陰干しする
- 完全にブーツが乾いたらブラシで毛並みを整え、起毛素材用専用の防水スプレーをかける
リアルムートンの場合は家庭での洗濯は難しいので、専用消しゴムや専用シャンプーでも表面の汚れを落とせない場合は専門店に預けることをおすすめします。
日頃からできる簡単ケア方法
こちらの項目では日頃からブーツを履いた後にしておくと良い手入れ方法を紹介します。
▶️ブラッシング
どの素材のブーツでも、1日履いたら汚れとホコリをブラシで取り除くようにしましょう。目立った汚れができた場合は上記で紹介した素材別の方法で落とすようにします。
▶️ブーツキーパーを入れて形を整える
ブーツを履いたあとは、ブーツキーパーをブーツに入れて形を整えるようにします。特に本革ブーツはシワがつきやすくなるので、ブーツキーパーを使用するようにしましょう。
▶️風通しの良いところで乾燥させる
ブーツは熱がこもりやすく、汗などで湿気もたまりやすいです。そのため、ブーツを履いたあとは日が当たりにくく、風通しの良いところで乾燥させましょう。また、ムートンブーツは特に湿気が溜まりやすいので、ブーツの中に乾燥剤を入れておくと良いでしょう。
ブーツの保管方法とカビ対策
こちらの項目では来シーズンまでの保管方法を紹介します。また、合わせてブーツにカビが生えてしまった場合の対処方法も解説します。
ブーツの保管方法
【保管前の共通手入れ方法】
先述したそれぞれ素材別のブーツの手入れを行ったあと、カビ用ミストをブーツ全体に吹きかけ、日陰で乾かします。完全に乾かした後はブーツキーパーを使用して型崩れ防止しましょう。
【本革ブーツの保管方法】
長期保管の場合、通気穴の空いているボックスに入れて保管、もしくは通気性の良いシューズクロークに収納しましょう。
【スエードブーツの保管方法】
長期保管の場合は不織布などの袋に入れ、通気性の良いシューズクロークに収納しましょう。
【ムートンブーツの保管方法】
ムートンブーツの場合は中のボア部分に湿気が溜まりやすいので、保管の際はブーツの中に乾燥剤を入れてカビの発生を防ぎましょう。長期保管の場合は通気穴の空いているボックスに入れて保管、もしくは通気性の良いシューズクロークに収納し、湿気に注意しましょう。
ブーツにカビが生えてしまった場合の対処法
【本革ブーツのカビ対処法】
本革ブーツにカビが生えてしまった場合の対処方法は以下の通りです。
- カビが生えている部分を乾いた布で優しく拭き取る
- 柔らかい布に革靴用の除菌スプレーを吹きかけ、カビの生えた部分を拭く
- ブーツを風通しの良いところで十分に乾燥させる
【スエードブーツのカビ対処法】
スエードブーツにカビが生えてしまった場合の対処方法は以下の通りです。
- カビの発生部分を乾いた布でやさしく拭き取る
- ブーツ全体を優しくブラッシングし、汚れを落とすと共に毛並みを整えます
- スエード用のシャンプーを使用して、ブーツ全体を洗う
- 乾いた布で水気を拭き取り、ブーツの形を整える
- 日陰で数日間、ブーツを自然乾燥させます
- 乾燥後、ブラッシングして毛流れを整える
【ムートンスエードブーツのカビ対処法】
ムートンブーツにカビが生えてしまった場合の対処方法は以下の通りです。
- 固くしぼった濡れタオルを使用して、カビの発生部分をやさしく拭き取る
- 風通しの良い場所、特に日陰に置き、数日間自然乾燥させる
フェイクムートンの場合は上記で紹介した方法で丸洗いするのもおすすめです。
お気に入りブーツを丁寧に手入れして長く履こう
今回は本革、スエード、ムートン3つの素材のブーツの手入れ方法について紹介しました。ブーツを長く綺麗に履くためには、まずはブラッシングなど簡単に取り入れられることからはじめて、お気に入りのブーツを素敵に履きこなしてくださいね。