早起きをして毎日のお弁当作り。家族のために…と張り切るものの、作り終わるころにはグッタリなんて日もありますよね。そんなときに便利なのがアレンジの効く作り置きおかず。これさえあれば、慌しい朝のお弁当作りもラクラクできちゃいます。
今回は「手作りお弁当」がInstagramやメディアで人気の山本了子さんのご自宅を直撃。日持ちがして簡単にレパートリーが広がる作り置きおかずで、月曜~金曜日の5日分のお弁当レパートリーを組んでもらいました。
MOKUJI
山本了子さんプロフィール
フリーランスのPR・ディレクター。2人の男児を育てる中、ママ目線や子ども目線からから見た、家族の気持ちに寄り添うPRを行う。雑誌や広告のスタイリングも手掛けるなど多彩な分野で活躍中。Instagram
作り置きが毎日のお弁当を美味しくする
「毎日のものなので、とくに凝った味付けはせず、普段から食べ慣れているものを入れるのが我が家流。同じおかずを使い回しますが、お弁当箱を変えたり、盛り付け方に変化を付けたりしてあげるとマンネリ化しません。
下の息子は好き嫌いが多いのですが、不思議なことにお弁当に入れるときれいに食べてくれるんですよ。お弁当が食育になるなんて…と驚いています」
「子どもがまだ小さいころは、お弁当を作ることに慣れていなくて、随分と気合いを入れていたように思います。でも、それだと朝から疲れてしまって。どんどん必要がないことをそぎ落とし、私自身のライフスタイルに馴染むよう考えた結果、この『作り置きおかずのお弁当』にたどり着いたんです。
息子たちは夏休みなど長い休み以外は給食なので、普段は私が食べるために毎日作っています。お弁当にすると時間の自由度が高まるし、栄養のバランスのとれたものを口にすることができるので健康にもいい。お弁当って偉大ですよね」
お弁当のための一週間作り置きおかず8品
「ローテーションや使いまわしに便利な、メイン用の半調理冷凍食材3種と、お惣菜5品の合計8品のレシピをご紹介します。
美味しそうに見えるお弁当の基本は、黄・緑・赤が彩りよく入っていること。そこに紫が入るとぐんとオシャレ感が出せます。紫キャベツ・紫たまねぎ・ラディッシュなど紫色の食材が一般的なスーパーマーケットでも買えるようになりましたね。
詰め方は、大きいものを先に詰めてから、余白を埋める感じで副菜を添えてあげると上手くいきます。
副菜は、マリネが日持ちするので活用しています。基本的に食材が冷蔵で持つのは3~4日。根菜類や切り干し大根はもう少し日持ちするので、作り置きに便利です」
①ピーマンのナムル
【材料】(2~3人分/冷蔵で3~4日保存可能)
ピーマン:3個
(A)
塩:2つまみ
鶏ガラスープの素:小さじ1/2
ごま油:小さじ2
【作り方】
①ピーマンは洗って種を取り、細切りにする
②耐熱皿に①を入れ、ラップをかけて電子レンジ(600W)で1分半加熱
③ ②の水気を切り、Aを加えてよく和える
「サッパリとした味付けにしておくことでアレンジしやすくなります。塩昆布を混ぜたり、おかかやすりごまを加えるのもオススメ。
ピーマンはあまり日持ちがしないので、作ったら優先的に使うようにしましょう」
②紫キャベツのマリネ
【材料】(2~3人分/冷蔵で4~5日保存可能)
紫キャベツ:1/6個(150g程度)
(A)
酢:大さじ1
砂糖:小さじ2
塩:少々
黒こしょう:少々
オリーブオイル:大さじ1/2
【作り方】
①紫キャベツは千切りにし、ボウルに入れて塩少々(分量外)を振り、水分が出たら水気を切る
② ①にAを加えて和え、少し時間をおいてマリネする
「マリネにすると日持ちがしやすくなります。紫色が鮮やかなのでお弁当に添えると一気に華やかに。そのままでも十分美味しいですが、スイートチリソースを少量と砕いたナッツを加えてエスニック風にアレンジするとオシャレな味に変身」
③切干し大根
【材料】(2~3人分/冷蔵で4~5日保存可能)
切り干し大根(乾燥):30g
ニンジン:50g
干ししいたけ:2枚
油揚げ:1枚
油 大さじ1
(A)
だし汁:150ml
しょうゆ:大さじ1
みりん:大さじ1
砂糖:小さじ1
【作り方】
①切り干し大根と干ししいたけをぬるま湯に入れて戻して、それ以外の具材も合わせて食べやすい大きさにカット
②鍋に油を引き、切干し大根・しいたけ・ニンジン・油揚げを入れてしんなりするまで炒める
③ ②にAを加え、水分がなくなるまで煮詰める
「アレンジしやすく、栄養価も高く、とにかく万能なおかずです。子どもたちにあまり人気がないのが残念ですが、ちらし寿司に入れるとパクパク食べてくれます」
④かぼちゃの煮物
【材料】(2~3人分/冷蔵で4~5日保存可能)
かぼちゃ(皮付き):400~450g
(A)
だし汁:1カップ
砂糖:大さじ2
しょうゆ:大さじ1
酒:大さじ1
【作り方】
①かぼちゃは食べやすい大きさにカットし、耐熱ボウルに入れてラップをかけて電子レンジ(600w)で3分加熱する
②鍋にAを入れて火にかけ、煮立ったら①を入れ、落しぶたをして火が通るまで煮る
「我が家の子どもたちの苦手なかぼちゃの煮物。でも、栄養価が高いので絶対食べさせたい一品ですよね。残った分はつぶしてコロッケにするのが我が家の定番です」
⑤れんこん・ニンジン・ゴボウのきんぴら
【材料】(2~3人分/冷蔵で4~5日保存可能)
れんこん:150g
ニンジン:100g(約1/2本)
ゴボウ:80g(約1/2本)
(A)
しょうゆ:大さじ1と1/2
酒:大さじ1
みりん:大さじ1
ごま油:大さじ1
砂糖:大さじ1/2
【作り方】
①れんこんとゴボウはスライスして水に浸しアクを抜く。ニンジンはいちょう切りにする
②フライパンにごま油を引き、水気を切った①をしんなりするまで炒める
③Aを加え、水気がなくなるまで炒める
「ゴボウやニンジンを大きめにカットしておくことで、さまざまなアレンジに使えるようになります。細かく刻んでから、かぼちゃの煮物をつぶしたものに混ぜてコロッケにすると、食べ応えがある一品に」
⑥鶏の生姜醤油漬け
【材料】(2~3人分/冷凍で3週間保存可能)
鶏モモ肉:2枚
(A)
しょうゆ:大さじ2
酒:大さじ2
鶏ガラスープの素:小さじ1
すりおろし生姜:小さじ1/2
すりおろしニンニク:小さじ1/2
【作り方】
①鶏モモ肉は余分な筋や脂身を取り、食べやすい大きさに切る
②フリーザーバッグにAを入れ、①を加えて揉み込み、空気を抜いて冷凍庫で保存
③調理するときは必要な分を前日の夜に取り出し、冷蔵庫に入れて解凍しておく
「そのまま焼いてもいいし、小麦粉と片栗粉を混ぜた衣を付けて揚げても美味。下味を付けておくことで、手間なく料理できるようになります」
⑦豚ひき肉下味
【材料】(2~3人分/冷凍で3週間保存可能)
豚ひき肉:300g
しょうゆ:大さじ2
砂糖:大さじ1
酒:大さじ2
みりん:大さじ2
すりおろし生姜:小さじ1
【作り方】
①フリーザーバッグにすべての材料を入れ、よく揉み込む
② ①を平らにならして空気を抜き、袋を閉じる
③袋の上から菜箸などで筋目を付けてから冷凍
④調理するときは必要な分を前日の夜に取り出し、冷蔵庫に入れて解凍しておく
「そのまま炒めれば鶏そぼろに、片栗粉を少々入れて丸めて焼けば肉団子に。ねぎを加えてつみれに…と、幅広くアレンジが効きます。菜箸で板チョコのように筋目を付けておくと、必要な分量が取り出しやすくなるので、ぜひ試してみてください」
⑧生鮭塩こうじ漬け
【材料】(作りやすい分量/冷凍で3週間保存可能)
生鮭:2切れ
塩こうじ:大さじ2
酒:少々
【作り方】
①バットに鮭を並べ、酒をまぶしてしばらく置いて出てきた水気をキッチンペーパーで拭き取る
②塩こうじを鮭全体にまぶし、1切れずつラップにくるむ
③フリーザーバッグに入れて空気を抜いて冷凍
「ほどよく塩分が染み込み、とても美味しい塩鮭になります。息子が野球を習っているので、練習日にはおにぎりを持たせるのですが、この鮭を使ったおにぎりはとても好評。保存料や添加物を気にせずに済むので、生鮭があったときに作っておくといいですよ」
作り置きおかずで作る、5日間お弁当レパートリー
さてここからは、先ほどご紹介した8品のおかずを使って作る、月曜〜金曜日の5日分のお弁当をご紹介。ランチタイムが楽しくなる、美味しいアイデアが詰まっています。
【月曜】やる気を高める唐揚げ&鮮やか2色弁当
メイン:⑥鶏の生姜醤油漬け ⑦豚ひき肉下味のそぼろ
副菜:①ピーマンのナムル ②紫キャベツのマリネ ③切干し大根
「月曜日って、なかなかやる気が出ないことがありますよね。そんなときはパワーが出るよう唐揚げをメインにしたこんなお弁当がおすすめ。
鶏の生姜醤油漬けに、小麦粉と片栗粉1:1を混ぜた衣を付けて、180度の油でカラリと揚げました。豚ひき肉はそぼろに。卵をプラスして、たんぱく質たっぷりのお弁当に仕上げています」
【火曜】鮭おにぎりが主役の秋色弁当
メイン:⑥鶏の生姜醤油漬け ⑧生鮭塩こうじ漬け
副菜:②紫キャベツのマリネ ③れんこん・ニンジン・ゴボウのきんぴら ④かぼちゃの煮物
「生鮭を焼いたものをほぐし、刻んだ青ジソと白ごまをご飯に混ぜておにぎりに。鶏は油を引いたフライパンで焼きました。
彩りとしてかぼちゃの煮物と、れんこん・ニンジン・ゴボウのきんぴら刻んでを入れた卵焼きを添えています。おにぎりって不思議と気分が上がる食べ物。ちょっと気合いを入れたい日のランチは、こんなお弁当がGOOD」
【水曜】彩りたっぷり・ちらし寿司弁当
メイン:⑦豚ひき肉下味
副菜:①ピーマンのナムル ③切干し大根 ⑤れんこん・ニンジン・ゴボウのきんぴら
「ちょっと疲労がたまってくる水曜日は、すっぱさで心も体もリフレッシュ!ご飯に刻んだ切干し大根を加えた酢飯には、錦卵とラディッシュの甘酢漬け、絹さやをのせて彩りよくしました。
ピーマンのナムルは塩昆布を加えてアレンジを。豚ひき肉下味は、刻んだ長ねぎと片栗粉少量を加えて団子状にし、フライパンで揚げ焼きしています」
【木曜】具だくさん&ヘルシーなかぼちゃコロッケ弁当
メイン:④かぼちゃの煮物
副菜:①ピーマンのナムル ②紫キャベツのマリネ ③切干し大根 ⑤れんこん・ニンジン・ゴボウのきんぴら
「かぼちゃの煮物をつぶし、刻んだきんぴらと少々の片栗粉を混ぜたものを成型してコロッケに。彩りを考え、切干し大根を混ぜ込んだ卵焼きを作って添えました。
ピーマンのナムルは、すりごまを加えて風味をプラス。野菜ベースのお弁当なのでとってもヘルシー。揚げ物をメインにする場合は、これくらいヘルシーなほうが嬉しいですよね」
【金曜】焼くだけ!手抜きに見えない焼き鮭弁当
メイン:⑧生鮭塩こうじ漬け
副菜:⑤れんこん・ニンジン・ゴボウのきんぴら
「5日目になると作り置きしたおかずがなくなってくるので、シンプルな卵焼きとブロッコリーをプラス。梅干しは塩分を考えて半分に。メインは漬けておいた鮭を焼くだけなので、簡単に作ることができます。
私は焼いた鮭とご飯を一緒に食べるのが大好き。塩麹に漬けて焼くと、冷めてもパサつかず美味しく食べられます」
おわりに
こうしておかずを作っておくことで、朝のお弁当づくりは20分ほどで終えることができるという山本さん。もちろん、おかずはお弁当だけじゃなく、普段の夕飯や朝食にも副菜として活用し、食卓に彩りを添えているんだとか。
週末にのんびりと作り置きおかずを作っておけば、残り5日間のお弁当がぐっとラクになります。みなさんもぜひ山本さんのテクニックを真似て、余裕のある朝を手に入れてみてください。
Photo_Kohji Kanatani Interview & Text_Megumi Waguri Edit_Yasushi Shinohara