毎日の料理の味を決める大きな役割を担う調味料。ご飯を美味しく仕上げるのはもちろんのこと、さらには味変でも大活躍して、食卓のマンネリを解消してくれる頼もしい存在です。
そんな調味料について三つ星レストランでの経験がある一流シェフ・米澤文雄さんに話を伺ったところ「食材よりも調味料にこだわった方が料理の味を底上げできる」とのこと。
高い食材をそろえたり料理の腕を上げようと思うと大変ですが、調味料を変えるだけなら今日からでも実践できそう。そこで今回は、米澤さんおすすめの調味料10選をお届けします。
MOKUJI
- 1 教えてくれるのはシェフの米澤文雄さん
- 2 料理を美味しくしたいなら、こだわるべきは食材よりも調味料!
- 3 米澤家でリアルに大活躍!愛用調味料10選
- 3.1 【定番①】素材の旨味が凝縮!「ろく助塩」
- 3.2 【定番②】もち米で作られる自然な甘み「九重櫻 本みりん」
- 3.3 【定番③】辛味と旨味の絶妙なバランス「一休堂の京七味」
- 3.4 【定番④】伝統製法の昔ながらの味「かめびし にがり入りこいくち醤油」
- 3.5 【定番⑤】カレーに使うだけじゃない「エスビー食品 赤缶カレー粉」
- 3.6 【変わり種①】爽やかな甘味がスイーツにも料理にも「DARBO エルダーフラワーシロップ」
- 3.7 【変わり種②】米澤家の味変アイテムの定番「辺銀食堂の石垣島ラー油」
- 3.8 【変わり種③】シェリーが香る珍しいビネガー「ペドロヒメネス シェリービネガー」
- 3.9 【変わり種④】サトウキビ由来の栄養価の高さ「瀬戸内パウダーラボ 黒糖ライトモラセス」
- 3.10 【変わり種⑤】収穫後8時間以内に搾取のフレッシュさ「SALVAGNO オリーブオイル」
- 4 毎日の食卓を格上げしてくれる調味料を見つけよう
- 5 【マグネットな本】米澤文雄さんを引き付けた一冊
教えてくれるのはシェフの米澤文雄さん
1980年・東京都出身。都内のレストランで修業後、22歳で単身ニューヨークへ。ミシュラン3つ星店「Jean-Georges」で日本人初のスーシェフを経験して帰国後、「Jean-Georges Tokyo」の立ち上げに携わり、料理長として活躍。現在は自身のレストラン「No Code」で腕を振るいながら、飲食業の可能性を日々探求している。Instagram
料理を美味しくしたいなら、こだわるべきは食材よりも調味料!
米澤さん「よく食材にこだわって美味しいご飯を作ろうとする人を見かけますが、僕の考えでは、食材にこだわるよりえりすぐりの調味料を使った方が分かりやすく味に違いが出ます。
それに気がついたのは本格的に調味料に親しむようになった、料理人を志してから。修行しているお店で使っているものや、自分の味を追い求めて本当にたくさんの調味料を試す日々を過ごしました。
特にきゅうりにかける塩とか、納豆にかけるしょうゆとか、シンプルな食材を口にするときにその差に気付かされますね」
調味料にこだわった方がコスパも抜群!
「それにお肉や魚にこだわるととてもお金がかかってしまいますが、調味料なら高いといってもたかが知れています。一回外に飲みに行くことを我慢するくらいの金額で、家庭の料理を格上げしてくれる質の良い調味料が手に入りますよ。
あと、調味料は基本的に腐らないものが多いので、そういう意味でも食材にこだわるよりコスパが高いといえるでしょう」
カルディや成城石井でも。良い調味料は身近なお店で手に入る
「僕は仕事柄、専門店やメーカーさんからさまざまな調味料を紹介してもらっていますが、それ以外にも成城石井やカルディといったスーパーに行って、最近のトレンドや新しい発見をすることもちらほら。
SNSにWEBメディア、料理雑誌にもさまざまな調味料の情報が載っているので、好みのものを探してみることをおすすめします」
米澤家でリアルに大活躍!愛用調味料10選
ここからは米澤さんとご家族がリアルに使っている調味料をご紹介!
今回は日常的に使う「定番」を5つ、少し変わっていたりあると味変になる「変わり種」を5つの、合計10個の至極の調味料を教えてもらいます。
【定番①】素材の旨味が凝縮!「ろく助塩」
「干ししいたけ・昆布・干し帆立貝などの旨味が凝縮された絶品のお塩です。
もともと有名で昔から知ってはいたのですが、使い始めてからは本当に虜で我が家のヘビロテ。野菜などシンプルな食材に振りかけるだけでごちそうになりますよ」
【定番②】もち米で作られる自然な甘み「九重櫻 本みりん」
「1972年創業の醸造所が作る、昔ながらの製法の本みりんは取材を通じて出会った逸品。
天然成分にこだわった甘味が特長で、肉じゃがや魚の煮付けなどの和食の煮込み料理はもちろん、赤ワインソースの隠し味に使っても良い仕事をしてくれます」
【定番③】辛味と旨味の絶妙なバランス「一休堂の京七味」
「唐辛子・ごま・青のり・陳皮・山椒などの香辛料がブレンドされた七味は、我が家では納豆・みそ汁・冷奴・そーめんなど和食を中心に大活躍。
ちょっと味が足りないなっていうときに、ついつい振りかけてしまうレギュラー調味料です」
【定番④】伝統製法の昔ながらの味「かめびし にがり入りこいくち醤油」
「出会いはニューヨークの修行時代に、かめびしの社長さんが売り込みに来てくれたこと。
味はとにかくすごくコクがあって、なめてもしょっぱさより先に旨味を舌で感じることができるほど。どんな和食にも合うことはもちろん、洋食にもぴったりなんです。僕はボロネーゼとか赤ワイン煮込みに使ったり、オリーブオイルと混ぜてドレッシングにしたりしています」
【定番⑤】カレーに使うだけじゃない「エスビー食品 赤缶カレー粉」
「これは皆さんもご存知じゃないでしょうか。昭和の時代から日本人に愛された味の秘訣は、30種類以上のスパイスがブレンドされた美味しさ。
これが本当に良くできていて、和食でも洋食でも隠し味で少し入れてあげることで、プロのようなこなれ感を味に忍ばせることができるんです」
【変わり種①】爽やかな甘味がスイーツにも料理にも「DARBO エルダーフラワーシロップ」
「ヨーロッパでは美容と健康に良い薬用ハーブとして愛用されている『エルダーフラワー』のシロップです。
炭酸で割ったジュースが美味しいし、ワインやリキュールにも合います。あとはドレッシングの隠し味に使うと、オシャレな味を演出することができます」
【変わり種②】米澤家の味変アイテムの定番「辺銀食堂の石垣島ラー油」
「新婚旅行で石垣島を訪れたときに買って以来、愛用している思い出のラー油です。
いわゆる食べるラー油として有名になりましたね。僕も大好きで納豆や冷奴の味変アイテムとしていつも美味しく食べています」
【変わり種③】シェリーが香る珍しいビネガー「ペドロヒメネス シェリービネガー」
「食材業者さんに教えてもらった一本。シェリー酒を発酵させて作ったという珍しいお酢で、甘さがあるのにコクもあってソースやドレッシングにピッタリ。
アイスクリームにかけたり、ソーダで割ってジュースにしたりしても美味しいです」
【変わり種④】サトウキビ由来の栄養価の高さ「瀬戸内パウダーラボ 黒糖ライトモラセス」
「モラセスとは、サトウキビから砂糖を生成するときに生まれる糖蜜のこと。ミネラル・鉄分・ビタミンB群をたっぷりと含んでいて、栄養価バツグンの調味料です。
我が家ではBBQソースやグラノーラ、照り焼きソースを作るときに重宝しています」
【変わり種⑤】収穫後8時間以内に搾取のフレッシュさ「SALVAGNO オリーブオイル」
「料理人として初めて働いたお店で使われていたオリーブオイルで、20年以上愛用しています。フレッシュさが一番の特長で、洋食全般どんな料理にも合います。
辛味と風味のバランスが絶妙な一本です」
毎日の食卓を格上げしてくれる調味料を見つけよう
料理のプロが愛用する調味料の数々は、すぐにでも欲しくなるものばかりでしたね。
普段の何気ないご飯も、調味料を少しこだわるだけで見違える美味しさになるはず。米澤さんのオススメ以外にもSNSやお店で、お気に入りを見つけてみてはいかがでしょうか。
【マグネットな本】米澤文雄さんを引き付けた一冊
『くらしマグネット』の出演者に、その人のライフスタイルに大きな影響を与え、まさに磁石のように吸い寄せられた一冊を紹介してもらうコラム「マグネットな本」。
米澤文雄さんにそんな本を選んでもらいました。
Jean-Georges Vongerichten『Simple Cuisine』
「ニューヨーク時代の師匠の著書です。僕の人生のバイブルといえる一冊で、料理に対する考え方を教えてくれた師匠の想いが込められた本は、いつまでも手元に置いておきたいものです。
デザインがすごくオシャレで見やすく、載っているレシピも基本的な簡単なものばかりなのも魅力です」
Photo_Ikki Fukuda Interview,Text & Edit_Yasushi Shinohara