自宅でゆっくりとコーヒーを飲む時間は幸せなひとときですよね。毎朝飲む人や、休憩の合間に淹れる人も多いのではないでしょうか。コーヒー抽出後のコーヒーかす(コーヒー粉)は定期的に飲むと溜まりがちです。捨てる前にちょっと待って!実はコーヒーかすが毎日の暮らしに役立つアイテムとしてアップサイクルできると、今注目されています。そこでこの記事では、コーヒーかすの効果や手軽に再利用する活用方法を紹介します。消臭剤や堆肥など生活の役に立つ便利なアイデアを、ぜひお試しください。
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コーヒーかすの効果とは?
コーヒーかすの効果を2つ解説します。
消臭効果
コーヒーには周りの臭いを吸収しやすいという特徴があります。また、コーヒーかすは酸性のため、アルカリ性であるアンモニアの成分を吸着・中和するといわれています。そのため、コーヒーの保管には他の食品の臭いが付かないように気を付ける必要がありますが、コーヒーかすは消臭剤として利用可能です。脱臭剤として有名な活性炭よりもコーヒーのほうが5倍の脱臭効果があるといわれるほど、消臭効果が期待できます。乾燥させたコーヒーかすをお茶パックなどに入れてゴミ箱など気になるところに置いておきましょう。
冷蔵庫の消臭に
飲んだ後に十分冷ましたコーヒーかすをペーパーフィルターごとお皿に載せて、冷蔵庫の中へ置くのもおすすめ。冷蔵庫の中の嫌な匂いを消臭してくれます。ラップはせず、2-3日経ったらフィルターごと捨てるようにしましょう。
トイレの消臭に
トイレの消臭には淹れた直後の湿ったコーヒーかすがおすすめ。水に溶けやすいアンモニアのアルカリ成分がコーヒーかすに含まれる水分で吸着し、中和してくれる効果が期待できます。カビが発生する原因になるので、1日ごとに交換するようにしましょう。
除湿効果
コーヒーは焙煎させて作る工程があるため、炭に近い性質を持ちます。そのため、抽出し終わったコーヒーかすを乾燥させると、除湿剤として利用可能です。湿気や臭いがこもりやすい靴箱に置くことがおすすめです。
家庭菜園の肥料として活用
コーヒーかすは家庭菜園やガーデニングの肥料として再利用することもできます。コーヒーかすをそのまま使うと、植物の成長を阻害する働きがあるため、雑草の除草剤にも向いています。
雑草予防に除草剤として
コーヒーには植物の育成や成長を阻害するカフェインが含まれています。植物を育てたい場所にコーヒーかすをそのまま撒くことはNGです。しかし、雑草が生えて困っている場所にコーヒーかすを撒いておくと、長期的に土壌の質を変えて雑草が生えにくくなる効果があります。注意点としては既に生えている雑草にはあまり効果がないため、雑草を抜いてからコーヒーかすを土に混ぜると効果的です。
コーヒーかすを再利用して肥料を作る方法
コーヒーかすを肥料として使用するためには、発酵する手順を踏む必要があります。実際にコーヒーかすを再利用した肥料を作る方法を紹介します。
【材料】
- コーヒーかす 500g
- 厚めのダンボール
- 新聞紙
- 腐葉土 1.2L
- スコップや手袋
- いらなくなったタオルなどの布
【手順】
- コーヒーかすを十分に乾燥させておく
- ダンボールに新聞紙を敷き詰めて土が漏れないようにする
- 腐葉土と乾燥しているコーヒーかすをダンボールの中で混ぜる
- 雨や虫が入らないように布でダンボールをふたする
- 毎日空気を含ませるように混ぜる
- 1か月ほど熟成し、熱を持つようになってきたら完成
失敗せずに肥料を作るポイントは2つです。1つ目は、コーヒーかすを完全に乾燥させ、熟成中にも雨などで濡れないようにすることです。水分があるとカビが発生してうまく発酵しません。2つ目は、通気性が良い場所で保管することです。発酵を促進するためには、新鮮な空気が必要なため、雨からまもるためにビニル袋など通気性のない素材でダンボールを覆わないように注意しましょう。
楽しく作るハンドメイドアイディア
コーヒーかすはさまざまなハンドメイドの材料としても簡単に有効活用することができます。
針のサビが防げる針山(ピンクッション)
針山は使わない針を刺しておくために使われる、裁縫道具の1つです。通常は綿や繊維を詰めていますが、ここにコーヒーかすを詰めると嬉しい効果が得られます。コーヒーには油分が含まれているため、針山に入れておくと針に適度な油分が付着してサビつくのを防止する役割があります。針山としてコーヒーかすを使う場合は、よく乾燥した状態を使用しましょう。水分が残っていると、逆にサビやすくなったり、カビが生えてしまったりします。
リラックスタイムに入浴剤として
コーヒーの香りをお風呂で楽しむために、入浴剤としてコーヒーかすを再利用する方法もあります。紙フィルターでドリップしたコーヒーかすを、紙フィルターごといらないストッキングやタイツに入れて口を縛るだけです。外側が破れても安心なように、紙フィルターもホッチキスなどで留めておくとコーヒーかすがお湯に入らなくて済むでしょう。お風呂でもコーヒーの香りを楽しんでリラックスしたい方におすすめのアレンジ方法です。
その他のコーヒーかすの再利用方法
さらにコーヒーかすを再利用する使い方を紹介します。
食器用洗剤として
コーヒー豆は多孔質という表面に無数の穴が空いた構造になっています。豆を細かく挽いたコーヒーの粉やカスは表面積が増えて、より穴に油や臭いを吸着することが可能です。油汚れが付いたフライパンにコーヒーかすを入れて油となじませ、汚れごとふき取ることで洗い物がとても楽になります。また、粒子の細かいコーヒーかすは研磨剤としても活躍します。汚れや水垢がこびりついてしまった食器やタッパーなどの容器はもちろん、魚焼きグリルなどにも、コーヒーかすをまいてから洗うと、綺麗な状態になります。
靴磨きや家具などのツヤ出しに
コーヒーかすには油分が含まれているため、ツヤ出しのニスとしても活用できます。コーヒーかすをしぼって水が出ないほどにしたら、ティーパックなどに入れて磨きたい部分にこすりつけましょう。ふわっとコーヒーの香りも広がり、良い香りを感じながらきれいにお手入れすることができます。
染料・塗料として
煮出したコーヒーかすからコーヒー液を作り、染料・塗料として活用することもできます。コーヒーの色を利用して、DIYで家具の塗料やキズ直し・隠しとしても利用できます。染め物に使う場合は、コーヒーの種類や焙煎の具合によってコーヒー液の濃さが変わるので、染め物に使う場合は、いろいろ試して自分の好みの風合いを楽しんでみてくださいね。
虫除け・猫よけにも
アリや蚊などの昆虫、ナメクジやカタツムリ、猫はコーヒーの香りを嫌います。そのため、家の周りや生け垣、外壁付近の地面にコーヒーの抽出後の粉を撒くことで、害虫対策や猫を寄せ付けない効果があります。
コーヒーかすの乾燥の方法
除湿剤や肥料などとしてコーヒーかすを使用する場合は、乾燥させる必要があります。コーヒーかすを乾燥させる3つの方法を解説します。
天日干しをする
コーヒーかすを平らなお皿などにのせて、風通しの良い場所で自然乾燥させる方法です。時間はかかりますが、手間がかかりません。風が強い時はコーヒーかすが飛ばされてしまう可能性がありますので、気を付けましょう。
電子レンジでチン
電子レンジでコーヒーかすを加熱して水分を飛ばす方法です。ラップをかけずに平らに広げたコーヒーかすを加熱します。長時間一気に加熱するのではなく、こまめにコーヒーかすをかき混ぜて平らにならしながら加熱すると成功しやすいです。また、電子レンジ内の臭いもコーヒーかすによって消臭することができます。
フライパンや鍋で煎る
フライパンや鍋でコーヒーかすを煎ることで、水分を飛ばします。なるべく平らにコーヒーかすを煎ると効率的に水分が飛ばせるので、直径が大きいフライパンがおすすめです。弱火でじっくりと焦がさないように火にかけましょう。
コーヒーかすは廃棄せずに再利用しよう
コーヒーかすを再利用する使い道を紹介しました。コーヒーを自宅で定期的に淹れる習慣がある方は、ぜひご自身の生活スタイルに合った方法でコーヒーかすを再利用し、SDGsに取り組んでみてはいかがでしょうか。ゴミの量も減らすことができ、サステナブルで環境に優しい生活を心がけたい方におすすめのリサイクル方法です。