日本の食卓の定番、豆腐。大豆や水にこだわり、出来立てをすぐに味わえるのが、手作り豆腐の大きな魅力。手順さえ知っていれば、自宅でも簡単に豆腐作りに挑戦できます。この記事では、家庭で作れる豆腐の簡単な作り方や保存方法、賞味期限を紹介します。ぜひ豆腐の正しい作り方を知って、美味しい豆腐を手作りしてみてくださいね。
大豆から作る豆腐の作り方
豆腐を作るには、「大豆から作る方法」と「市販の豆乳を使った方法」の2種類があります。どちらも出来立ての豆腐はとろりと柔らかく、濃厚で自然な甘みがあるのが特徴です。ここでは、大豆から作る豆腐の作り方について詳しく解説します。
材料・道具
【材料】
- 水 1000cc
- 大豆 300グラム
- にがり メーカー推奨の使用量
【道具】
- 木べら
- 温度計
- ミキサー
- 大きめの鍋×2
- 大きめのボウル
- さらし布(キッチンペーパー)
- 豆腐型(市販の豆腐の空き容器でもOK)
さらし布は豆乳を絞ったり、水を切ったりする際に必要です。さらし布がない場合は洗えるキッチンペーパーや大判のガーゼ、薄い手ぬぐいなどでも代用できますよ。
下準備
豆腐作りを成功させるポイントは、あらかじめ大豆にしっかり水を吸わせておくことです。豆腐作りをする前日に、よく洗った大豆をボウルに入れ、1000ccの水に一晩つけておきましょう。十分に吸水すると、大豆は2倍以上の大きさに膨らむので、大きめのボウルに入れておくと安心です。
なお、水を吸わせる時間は夏で10時間程度、冬は15~16時間程度が目安ですが、大豆の種類や水温、状態によってもベストな吸水時間は変わります。試しに一粒を半分に割ってみて、断面が平らに割れればしっかり吸水できている証拠です。
作り方
(1)大豆をミキサーにかける
一晩水を吸わせた大豆を2~3つに分け、つけ汁ごとミキサーに入れます。大豆の粒感が無くなり、なめらかなペースト状になるまでしっかりすり潰しましょう。一度にミキサーをかけようとすると量が多くて入りきらなかったり、きちんとすりつぶせなかったりするので、面倒でもミキサーは何度かに分けてかけるのがおすすめです。
(2)すり潰した大豆を火にかける
鍋に1000ccの水を入れ、(1)ですり潰した大豆を加えます。強火で加熱し、焦げないように絶えず木べらでかき混ぜましょう。約8~10分ほど鍋底に沿って縦横と混ぜていき、泡が浮いてきた場合はこまめに取り除きます。沸騰直前になったら火を止めて、鍋のまま20分ほど冷まします。
(3)火にかけた大豆ペーストをこす
別の鍋に水で濡らして絞ったさらし布を広げ、(2)を流し込みます。全量入れたらゴム手袋をはめ、やけどに注意しながら布ごと絞りましょう。布の中に残ったものはおから、絞り汁は豆乳です。おからはこの後の工程で不要なので食べて構いませんが、傷むのが早いため食べる場合は当日中に調理するのがおすすめです。
(4)豆乳を火にかけてにがりを入れる
搾り取った豆乳を中火にかけ、かき混ぜながら70~80度に温めます。適温になったら火を止め、にがりを木べらに沿わせながら少しずつ全体に行き渡るように入れましょう。木べらでゆっくり十字を切り、蓋をして10分ほど置けば水と豆腐に分離します。
(5)豆腐を形作る
市販の豆腐型や底面に穴を開けた豆腐の空き容器にさらし布を敷き、(4)で分離した豆腐を入れます。容器の下には網などを敷き、バットに入れておくと抜けた水の逃げ場ができますよ。豆腐を容器に入れるときは表面を平らにし、固めるイメージで軽く押すようにします。
(6)しばらく置いて水に放す
容器に入れた豆腐をしばらく置き、バットに水が溜まったらボウルに水を張ります。さらし布ごと豆腐を容器から取り出し、ボウルの中に放しましょう。数回水を取り替えれば、手作り木綿豆腐の完成です。
無調整豆乳を使って簡単手作り豆腐
もっと手軽に豆腐を作りたいなら、豆乳を使ったレシピがおすすめです。手作り豆腐は使う豆乳で味わいが変わるので、ぜひさまざまな豆乳を使って好きな味を見つけてみてくださいね。
材料・道具
- 【材料】
無調整豆乳 500cc
にがり 小さじ2
無調整豆乳は大豆固形分が多いほど、大豆の旨みを感じやすくなります。市販の無調整豆乳の多くは約8~10%の大豆固形分ですが、手作り豆腐に使うならより旨みを感じられる「大豆固形分10%以上」のものがおすすめです。
- 【道具】
鍋
木べら
さらし布(キッチンペーパー)
豆腐型(市販の豆腐の空き容器でもOK)
作り方
(1)豆乳とにがりを混ぜる
よく冷やした豆乳を鍋に入れ、にがりを加えます。泡立たないよう均一に、木べらでしっかり混ぜましょう。
(2)鍋を弱火にかける
鍋を10~15分ほど弱火にかけます。表面がフツフツしてきたら火を止め、蓋をして更に10~15分ほど置いて冷やし固めます。固まったら完成です。
なお、豆腐は電子レンジで作ることもできます。耐熱容器に無調整豆乳とにがりを入れてよく混ぜ、ラップをかけて600ワットで1分30秒加熱するだけ。加熱後はラップを取らずに5分ほど置いておけば、ふわトロ食感の濃厚な豆腐が完成です。冷蔵庫に入れて冷やすと少し固まり、より豆腐らしい食感を楽しめますよ。
手作り豆腐の保存方法
手作り豆腐を衛生的に美味しく保つには、正しい方法で保存することが大切です。手作り豆腐は正しい方法で保存しましょう。ここでは、手作り豆腐の保存方法を「冷蔵」と「冷凍」に分けて解説します。
冷蔵保存
豆腐の冷蔵保存には、「水に漬けて保存する方法」と「水なしで保存する方法」の2つがあります。どちらも長所・短所があるので、状況に合ったほうを選びましょう。
水あり冷蔵(食感を保ちやすく傷みにくい)
深めの容器に豆腐を入れて、ひたひたにかぶるくらいの水を加える
蓋(ラップ)をして冷蔵庫で保存する。水は毎日取り換える
水なし冷蔵(豆腐本来の旨みが逃げにくい)
豆腐の水を切って皿やざるに載せ、ラップをかけて冷蔵庫へ入れる
保存中に水が出てきたら、こまめに水切りをする
冷凍保存
豆腐は冷凍すると2週間ほど日持ちします。冷凍後の豆腐は高野豆腐のような弾力のある食感になるので、汁物や煮物に使うのがおすすめです。期限内に食べきれないときや冷凍ならではの食感を楽しみたいときは、ぜひ冷凍庫で保存しましょう。
- 豆腐の水気をキッチンペーパーなどで切る
- 重ならないよう、ジップ付きの保存袋に入れて冷凍する
なお、冷凍した豆腐は、「冷蔵庫で自然解凍」「流水解凍」「電子レンジ解凍」のいずれかで解凍しましょう。汁物や煮物に入れる場合は冷凍のまま直接入れてOKです。
自然解凍:使う5~6時間前に冷凍庫から冷蔵庫へ移す
流水解凍:シンクやバットに水を溜め、凍った豆腐を袋ごと入れて上から水を流す
電子レンジ解凍:豆腐約100gに対して、500ワット1分30秒加熱する
手作り豆腐の賞味期限と消費期限
手作り豆腐の賞味期限は当日、消費期限は約3日です。手作り豆腐には保存料が入っていないので、24時間経ってから食べるときは念のため火を通すと安心です。
正しい方法で保存していればすぐに傷んでしまう心配はありませんが、美味しさを保ったまま食べ切るためにも、作った当日中に消費するのがおすすめ。もし豆腐が黄色く変色していたり、すっぱい臭いや変な味がしたりする場合は食べずに処分しましょう。
おわりに
お店で買うイメージが強い豆腐ですが、実は自宅でも簡単に作ることができます。市販の無調整豆乳を使ったレシピなら、あと一品欲しいときや小腹が空いたときにも作りやすいでしょう。電子レンジなら火も使わないので、子供がいる家庭でも安心して一緒に作れますね。今回ご紹介したレシピを参考に、ぜひ出来立ての豆腐を味わってみてはいかがでしょうか。