手作りご飯は、飼い主さんの愛情を猫に伝えられるひとつの手段。猫の体調や好みを考慮できる点が魅力ではありますが、あげる食べ物や食べさせ方には注意が必要です。猫に手作りご飯をあげる際の基本から、メリット・デメリット、初心者でも挑戦しやすいおすすめレシピを紹介します。
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猫のご飯を手作りする上で押さえておくべき基本
猫に手作りご飯やおやつを食べさせる前に、押さえておくべき基本をチェックしましょう。食べられる食材の確認やアレルギーの有無など、命にかかわる重要なことばかりです。
猫が食べてはいけない・注意が必要な食材を把握する
猫には絶対に与えてはいけない食べ物と、与えるときに注意すべき食べ物があります。
【絶対に与えてはいけない食べ物】
- ・ネギ類(ネギ、玉ネギ、ニラ、ニンニクなど)
- ・ブドウ・レーズンなど
- ・チョコレート
- ・生肉や生魚
食べると健康被害をもたらし、場合によっては命にかかわるケースもあるのでしっかり把握しましょう。
【与えるときに注意するべき食べ物】
- ・ほうれん草、ジャガイモ
- ・バナナ
- ・イカ、タコ、エビ
成分自体には問題がないですが、食べすぎると体調不良になったり、カロリーオーバーになったりするものもあるので与え方には注意が必要です。
イカやタコは必ず加熱すること。また消化に悪いので、体に負担がかからないよう量に気を付けて食べさせてください。
猫のアレルギーを確認する
人間と同様、猫にもアレルギーがあるので把握しておきましょう。食べ物においては、穀物、パパイヤ、マンゴー、イチジクなどでアレルギーが出ることがあります。
なかでも発症しやすいのは穀物です。ただし猫によってアレルギーの原因が違うので、手作りご飯をあげる前に病院でアレルギー検査をしておくと安心です。
必要な栄養素やご飯の基本比率を知る
猫は完全肉食動物といわれ、肉・魚といった動物性の食べ物が必要です。一方で、穀物や野菜の栄養も摂取する必要があります。猫はもともと、狩った動物を丸ごと食べて、その動物の内臓に残った植物なども一緒に食べて栄養を摂取していました。
猫に手作りご飯をあげるときは、以下の比率を目安に、肉類をメインとしたバランスが取れた食事内容にしましょう。
- ・肉魚:野菜:穀物=7:2:1
- ・肉魚:野菜=7〜8:3〜2
猫のご飯を手作りするメリット
市販のキャットフードには、バランス良く栄養素が詰まっていてとても便利。しかしご飯を手作りすれば、猫の体に配慮した食べさせ方ができるといったメリットがあります。
ご飯を食べながら水分を補給できる
猫は一定量の水分を必要としますが、それほど多くの量を飲みません。猫は本来、砂漠で暮らしていたこと、狩った獲物を食べて水分を補給していたことが理由です。
肉・魚、野菜、フルーツが入った手作りのご飯なら、食事から水分を同時に摂取することができます。ドライフードに含まれる水分量が10%であるのに対し、手作りご飯なら60~80%の水分量が含まれています。
使用する食材・調味料を選べる
手作りご飯なら、使う材料や調味料を吟味できるため、着色料や添加物を控えた体に優しいご飯を食べさせられ安心です。市販のキャットフードには聞きなれない材料が含まれていることがあります。また手作りなら、栄養価の高い食材や旬の食材を使用できるといったメリットも得られるでしょう。
好みや健康状態に合ったご飯を食べさせられる
「お腹の調子が良くないから消化に良いものを」といったように、猫の体調や好みに合わせてご飯の内容を調整できる点もメリットのひとつ。猫をより気に掛けるようになるため、ちょっとした異変に気づきやすくなるでしょう。
猫のご飯を手作りするデメリット
手作りご飯は猫の体に優しいですが、その分手間がかかるもの。栄養バランスについてもしっかり考える必要があります。
手間がかかる上に保存がきかない
手作りご飯は、猫のために献立を考えたり材料を揃えたりするのに手間がかかります。加えて、保存がきかず作り置きができないのも懸念点。毎食分、時間をかけて作る必要があります。
手作りご飯だけで栄養バランスを確保するのが難しい
質の高いキャットフードであれば、必要な栄養がバランス良く摂れますが、手作りのご飯は自分で栄養バランスを考えなければなりません。猫の好みばかりを優先させていると、栄養が偏ってしまう場合があります。
猫の栄養バランスは人間と異なるため、専門的な知識があった方が安心です。手作りご飯を食べさせる際は、念の為獣医師に相談しましょう。もし、専門的な知識がない・かかりつけの獣医師のサポートを受けられないといった場合は、手作りご飯は週1回ぐらいにとどめるのがおすすめです。
猫におすすめの手作りご飯レシピ
手作りご飯を初めて作る飼い主さん向けに、簡単に作れるメニューを3つ紹介します。添加物を入れない体に優しいメニューなので、手作りご飯が初めての猫にもおすすめです。
シンプルな味付け「鶏肉とキャベツのご飯」
たんぱく質が豊富な鶏むね肉と野菜を茹で、煮干しで風味付けしたシンプルなご飯。初めての手作りご飯にぴったりです。
<材料>1食分
- ・鶏むね肉(皮なし) 50g
- ・キャベツ 1/8枚
- ・にんじんの輪切り 5mm幅
- ・煮干し 小さじ1/4
- ・オリーブオイル 小さじ1/2
※分量は、猫に合わせて調整してください
<作り方>
- 鶏むね肉をミンチにする
- 1を沸騰したお湯に入れて茹で、あくを取り除く
- キャベツとにんじんは細かく切って茹でる
- 3と煮干しをすり鉢ですり潰す
- 鶏むね肉、野菜、煮干しを皿に入れ、オリーブオイルとお好みでゆで汁を加えて混ぜれば完成
野菜がたっぷり入った「親子丼」
やわらかく煮た肉と野菜を卵でとじた親子丼です。肉と卵でたんぱく質をしっかり摂れます。
<材料>1食分
- ・鶏むね肉 60g
- ・にんじん 5g
- ・えのき 5g
- ・水菜 5g
- ・ご飯(やわらかめ) 10g
- ・煮干し 小さじ1/2
- ・溶き卵 小さじ2(10g)
- ・水 適量
- ・鰹節 ひとつまみ
※分量は猫に合わせて調整してください
<作り方>
- 野菜はみじん切り、鶏むね肉は食べやすい大きさに切る
- 鍋に具材がつかるくらいの水、にんじん、鰹節を入れて沸騰させる
- 沸騰したら鶏肉、えのき、水菜を入れやわらかくなるまで煮る
- 具がやわらかくなったら溶き卵を回し入れ、フタをして卵に火を通す
- 皿にご飯をのせ、ほぐした4をのせて混ぜれば完成
えごまで良質な油が摂れる「ぶりとひじきの和え物」
栄養価が高いぶりを使ったレシピです。ただし、ぶりはカロリーも高いので脂身を避けて使ってください。えごま油を加えることで良質な脂も摂取できます。
<材料>1食分
- ・ぶり 50g
- ・ひじき 10g
- ・スプラウト 10g
- ・えごま油 小さじ1/2
※分量は猫に合わせて調整してください
<作り方>
- ぶりを茹でて身をほぐす
- さっと火を通したひじきとスプラウト、えごま油を1に加え混ぜる
- 2を皿に盛り付けてぶりのゆで汁を少しかけて完成
簡単に手作りできる猫のおやつ
せっかくなら猫にあげるおやつも手作りにしてみてはいかがでしょうか。添加物が入っていない、猫向きおやつの作り方を紹介します。
フードドライヤーで作り置き「ジャーキー」
ささみをオーブンで焼くだけの簡単おやつです。冷蔵庫で3日ほど保存がきくので、数日分まとめて作っておくと良いでしょう。
<材料>
- ・ささみ 好きな分だけ
<作り方>
- ささみを綿棒で叩いて薄く伸ばす
- 1をクッキングシートにのせ、200〜250度に設定したオーブンで20分ほど焼けば完成
優しい魚介の風味が特徴の「クッキー」
エビ・鰹節といった猫が大好きな魚介入りのクッキーです。
<材料>
- ・小麦粉 100g
- ・白エビ、鰹節 少々
- ・猫用の牛乳 80ml
<作り方>
- 白エビと鰹節をすり潰し、すべての材料を混ぜ合わせる
- 1がまとまったらラップに包んで、冷蔵庫で30分寝かせる
- 冷蔵庫から2を取り出して、打ち粉をして2mmぐらいに伸ばす
- 好きな形に型抜きする
- 180℃に余熱したオーブンで15~20分焼いて、冷めたら完成
猫の体に考慮した愛情たっぷりの手作りご飯を作ってみよう
飼い主さんの愛情をたっぷり込められる手作りご飯。猫の体への優しさを考えて合うものを食べさせられる一方で、栄養バランスの偏りが懸念されるため、ごほうび程度の頻度であげるのがおすすめです。手作りのご飯やおやつで、猫との絆をさらに深めてみてはいかがでしょうか。
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