家具選びはその人のコダワリと個性が出る部分。
おうち時間が増えて、インテリアを見直した方も多いのではないでしょうか。
しかし、「インテリア迷子」という言葉があるように、センスのいいお部屋にするにはどうすればいいのか分からない…。
インターネットで調べてみても、色々な情報があり過ぎて、迷ってしまいますよね。とりあえずで家具を買ってしまうと、サイズが合わないことも。
また、好きな家具を買っていくと、一つ一つは素敵でも統一感がなくなってしまいます。
今回はそんな悩みを解決してくれる家具屋さんをご紹介。
無垢材家具専門店のルームアート松井の常務取締役、久保さんに
インテリアコーディネートのコツを教えていただきました。
MOKUJI
教えてくれるのは、ルームアート松井の久保さん
年齢:34歳
学生時代からインテリア一本!
松井産業株式会社 常務取締役 久保祐輔さんです。
その人のイメージや理想のお部屋にぴったりの家具を提案してくれます。
ルームアート松井をご紹介!
ルームアート松井は、都内最大級の老舗インテリアショップです。どんな家具の取り揃えているのか、店内の雰囲気について紹介します。
創業97年の老舗インテリアショップ
1924年創業のルームアート松井は、お部屋(room)を輝かせるための家具選びと、心を豊かに彩るartを取り扱う総合ショップです。長い年月で積み上げてきた経験と実績で国内だけではなく、世界中のコダワリインテリアをセレクトしています。
西大井にある店舗は広さ600㎡と都内最大級。数多くの提案の中から、自分にぴったりのコーディネートが見つかります。
無垢材家具の魅力
ルームアート松井では無垢材の家具を中心に取り扱っています。無垢の家具をベースに麻や皮など様々な天然素材感を取り入れることで、より落ち着いた空間を演出できます。
無垢材の家具は同じ木目がなく、個性が出せるところが人気です。長く使えば経年変化を楽しむことができるのも、天然素材ならではのおすすめポイント。重厚感があり、頑丈なので一生モノの家具として購入する方も多いのだとか。
国産家具と海外インテリアの融合
「家の中でメインとなるソファやテーブルなどは、そのほとんどをサイズオーダーに合わせるため受注生産で対応しています。国産家具は、きめ細やかな対応と耐久性を叶え、どんな部屋にもサイズの合った家具を購入できるので満足度も高いです。」
ルームアート松井には「世界の上質な素材を日本へ」というコンセプトでプロデュースされた「KIWAMI SOFA」「orbitex」「MUSUBI」「North Factory」の4つのオリジナルブランドがあり、そのうち「orbitex」と「MUSUBI」では海外から輸入したデザイン性の高い照明やラグなどを取り扱っており、まるでアートのような海外インテリアを取り入れることで空間が一気に華やかになり、ワンランクアップした大人の空間を演出できます。
くつろいで家具選びができる店内
ショールームのメイン部分は靴を脱いで上がります。家でくつろぐように家具を試すことができ、実際の使用感をイメージすることができます。
センスのいい家具の選び方
久保さんにインテリアを合わせる際に意識していることを聞いてみました。
椅子は長く愛着が持てるものを選ぶ
「使い易さや座り心地は大前提ですが、テーブルは生活スタイルに合わせて、椅子はお部屋のイメージを決定づけるのでコーディネートの中心としてセレクトします。家具の中でもデザイン・設計がきちんとされているものは意外と多くありません。その中でも椅子は別格的な存在。きちんと設計されていないものはすぐに不具合が生じたり、2、3年ぐらいで壊れてしまうものもあったりします。ちゃんとデザインされているいい椅子は価値が下がりにくく、長く使えるので、年数が経つたびに愛着も増すことでしょう。少しお金をかけても損はない家具としておすすめです。」
メリハリのあるサイズや色にする
「色やサイズ感を統一しすぎると、きれいには見えますが、全体の印象としては平面的に見えてしまうこともあるんです。逆に家具の色や大きさにメリハリをつけると、部屋全体に立体感が出て広く見える効果もあります。
こちらの14畳のLDKも、家具の配置次第で更に広々と見せることができます。リビングとダイニングをラグの重ね敷きでうまく一体化させつつ、それぞれのサイズにメリハリをつけ、コンパクトな空間ながら最大限のサイズ感で、寛げる空間を目指しています。」
日本の家は元々空間を「仕切る」文化があります。そのためリビングとダイニングが一部屋で繋がっていても、家具で仕切るお家が多いそう。
「無理に仕切らず、ひとつの部屋としてコーディネートすることで、より空間を大きくみせることができますよ。」
異素材を取り入れる
クッションなどの小物に、麻や皮などの天然素材を取り入れることで、寛ぐための空間は維持しつつ、アクセントがついてメリハリが出せるのだとか。
「異素材のインテリアは統一感をだしたり、まとめたりするのが難しそうですが、そんな時は黒い家具が活躍します。
一見挑戦的な黒い家具には、ばらつきやすい異素材の家具をまとめる接着剤のような役割があります。インテリアの中で効果的に使えば一気に海外のホテルのようなラグジュアリーな雰囲気になるため、高級感があって落ち着いたテイストのインテリアが好みの人にはぴったりだと思います。」
一般的に、インテリアに取り入れるカラーは3色程度に抑えるとバランスが良くなります。
バランスのいい割合
・ベースカラー70%(床、壁紙)
・メインカラー25%(ラグ、カーテン、ソファ、家具)
・アクセントカラー5%(小物やクッションなど)
にするとバランスが良いと言われています。
「最初にお気に入りの家具を決めて、それを中心にコーディネートしたり、
全体のテイストを決めてから一つ一つアイテムを決めたりするのも楽しいですよね。」
隠れた主役はラグと照明
「ソファやテーブルがスーツのジャケットとズボンだとすると、照明やラグは、ネクタイや靴の役割。その人の要望に応えるために様々なテイストの小物を取り扱っています。
コーディネートの中で個性や好みを引き出す時には、この二つのアイテムにコダワリをつめこみます。インテリアコーディネートの仕上げのような存在でもありますね。」
一生使える海外ラグの魅力
「ラグを敷くことで大き目の家具の圧迫感を和らげることもできます。」
ショールームの一角では、ルームアート松井が展開するブランド「orbitex」のベルギーラグや「MUSUBI」のイランの手織り絨毯ギャッベが展示されています。
「ギャッベはアート性の高い1点ものの絨毯で経年変化を楽しめるため、ヴィンテージになるまで使用できます。ベルギーラグは機械織りでカラーとサイズ展開が豊富でデザイン性抜群、様々なシーンにフィットします。」
デザイン性で魅せる海外照明の魅力
照明も、形やデザインは様々。
「基本的には温かみのある照明を取り入れて落ち着く空間を作るのが一番ですが、お子さんがいらっしゃるお家にはスタンドライトやライティングレールで照明を追加して、明るさや色を調節できるようにしています。」
スタンドライトからフロアライトまで、店内を彩る間接照明は、まるで美術館の展示品のよう。
ラグや照明などの小物類で部屋の雰囲気をガラッと変えることができるので、気分転換や模様替えをする際は意識したいポイントです。
久保さん流!インテリアコーディネートの3箇条
1. 無垢材を取り入れて居心地のいい空間にすること
2. 異素材やカラーの組み合わせでコーディネートすること
3. 海外インテリアで個性を出すこと
「私たちの理想は上質な日本の家具を、世界に通用するものにすること。
いつか国産の家具が世界中で楽しんでもらえるようにしたいです。」
最後に、家具選びに悩んでいる方へコメントをいただきました。
「インテリア全体の方向性が漠然としている方は是非ご相談ください。
また、こんな照明が欲しい、こんなソファが欲しいという方も、その家具の背景や、その他の家具はどんなものを組み合わせればいいかなどアドバイスさせていただきます。
新築やリフォームするお家でしたら、内装やライトの位置が決まる前にご相談いただければ、お家全体の雰囲気に合わせてトータルコーディネートもさせていただきます。」
おわりに
ルームアート松井は無垢材と様々な天然素材を組み合わせたインテリアが素敵な家具屋さんでした。
インテリアを選ぶ際は、統一感を意識してデザインの無難なものを選びがちでしたが、思い切って異素材や海外インテリアを取り入れることで、おしゃれな部屋作りをワンランクアップさせてみたいと思いました。お部屋の中に何かひとつでも自分のコダワリのつまったお気に入りがあれば、おうち時間がもっと豊かなものになりそうです。
interview&writing&photos Aoyama Mizuki
奈良県出身 神奈川県在住。
趣味はアートと旅行と観葉植物。
休日はドライブして新しいところに出かけたり、お絵描きして過ごしています。