薬膳ごはんとは、中医学の考え方を基に、その時の体調や季節に合った食材を使って作るごはんのことです。主に旬の食材を使うので、材料が手に入りやすく、簡単に作れます。この記事では、夏の厳しい暑さで疲れた体におすすめの食材や薬膳レシピまで、幅広く紹介。これからの暑い季節におすすめなので、ぜひチェックしてくださいね。
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薬膳ごはんとは
湿気が多くてジメジメする梅雨や厳しい暑さが続く夏は、胃腸が疲れやすい時期でもあります。そんな体調不良に悩む人におすすめなのが、薬膳ごはん。ここでは、薬膳の基本的な考え方について紹介します。
薬膳の基本の考え方①陰と陽
陰と陽は、薬膳を語る上で欠かせない言葉です。 陰は冷たさや暗さ、湿気などを表し、陽は温もりやカラッと乾いた状態などを表します。
陰と陽は、中間でバランスを取ることが大切だと考えられており、体が陰へ偏ると、冷えやすくなったり、疲労を感じたりするとされています。一方で、体が陽へ偏ると、熱くなったり、ニキビができたりといったトラブルが起きる可能性があるでしょう。
薬膳の基本の考え方②五行
薬膳について理解するには、五行の考え方も知っておきましょう。五行とは、「木」「火」「土」「金」「水」と、自然に属するものを分類したもので、五臓六腑や季節、五味が関連し、バランスを取り合うと考えられています。どれか1つが強すぎたり、弱すぎたりしても体調に良くない影響があるとされるため、注意が必要です。
- ・五臓:「肝」「心」「碑」「肺」「腎」
- ・六腑:「胆」「小腸」「胃」「大腸」「膀胱」
- ・季節:「春」「夏」「梅雨」「秋」「冬」
- ・五味:「酸」「苦」「甘」「辛」「鹹」
上記の順で、それぞれの項目が対応します。例えば、 肝臓や胆のうの調子が優れないなら酸味のあるものを、心臓や小腸が不調なら苦味のあるものを摂取すると良いですよ。
薬膳ごはんは季節の食材を使う
旬を迎えた食材は、その季節に補いたい栄養が豊富に含まれているため、薬膳ごはんに使われることが多いです。
高温多湿の傾向にある日本の夏は、暑さで苛立った気分になる他、不眠やめまい、食欲不振などが起こる可能性があります。ベストな状態で夏を過ごすために、旬の食材を意識してはいかがでしょうか。
夏の薬膳ごはんにおすすめの食材
日々の食事から体調を整えるには、使う食材にこだわることが大切です。ここでは、薬膳ごはんにおすすめの食材をパターン別に紹介。自分の体調に合わせて、食材を選んでくださいね。
湿気を放出させるもの
ジメジメとした梅雨の季節には、体内の水分が溜まりやすくなります。そうなると、体が冷えるなどの不調を引き起こすかもしれません。体を内側から温めて代謝を上げ、溜まった湿気を出すようにしましょう。
食材としては、生姜やネギ、三つ葉、パクチー、シシトウなどがおすすめ。辛味の成分が、体の水分代謝を促すと考えられています。
気の巡りを良くするもの
湿気によって、イライラや憂鬱な気分になることもあるでしょう。そんな時は、気の巡りを良くするものが適していると言われています。
レバー、あさり、しじみ、ジャスミン茶といった、香味を感じる食材を用いてみてください。
体に潤いを与えるもの
暑い夏は良く汗をかくため、体が乾いた状態になりやすいもの。必要な水分を補給し、体の熱を冷ますとされる食材を活用しましょう。
食材には、キュウリやズッキーニ、トマトなどの野菜の他に、スイカやキウイなどの果物が良いと言われています。また、豚肉や豆腐もおすすめです。
不要なものを体から排出するもの
体に不要なものが溜まりがちな時は、暑さによる体の火照りを軽減しながら、排出を促す食材が適しています。
この場合には、キュウリやゴーヤ、緑豆などが重宝するでしょう。
胃腸の働きを助けるもの
夏は湿気や暑さにより、胃腸が弱りやすいと言われています。
胃腸の働きを助けると言われているのが、カボチャや長芋、桃など。また、アジやカツオ、鶏肉、牛肉なども、弱った胃腸に良いとされています。
むくみ解消につながるもの
体内に不要な水分が蓄積されると、むくみが起きやすくなります。
むくみを改善したい場合は、利尿作用が期待できるナスやキュウリ、ゴーヤ、はと麦などを活用した料理が良いですよ。
また、旬の食材を美味しく食べるには、野菜の水分だけで調理できる無水鍋を使うのもおすすめです。下記の記事を参考にして、旨味と栄養たっぷりの無水鍋料理を楽しみませんか?
【便利グッズ】無水鍋で美味しく節約!おすすめの人気商品やレシピを厳選紹介夏に食べたいおすすめの薬膳レシピ
暑い夏を乗り切るには、食欲増進や夏バテ効果を期待できる食材を使った薬膳ごはんがおすすめ。ここからは、おすすめ食材を使ったレシピを紹介します。暑さに負けず、夏を快適に過ごすための参考にしてくださいね。
夏野菜を使った薬膳どんぶり
夏野菜を気軽に取れる、具沢山のどんぶりレシピ。豚肉が入るので、ボリュームもあっておすすめです!
<材料>
【具材】
- ・豚バラ肉
- ・トマトやズッキーニなどの夏野菜
- ・バジル
- ・ごはん
- 【調味料】
- ・レモン汁
- ・塩
- ・塩コショウ
- ・ごま油
- ・粒マスタード
- 【タレ】
- ・醤油
- ・みりん
- ・酒
- ・かつお・昆布出汁
- ・すりおろし生姜
- 【仕上げ用】
- ・キビ砂糖
<作り方>
- ごま油を引いたフライパンにカットした夏野菜を並べて、塩・塩コショウを振る。
- 野菜に火が通ったら取り出す。
- 野菜を焼いた同じフライパンにごま油を引き直し、豚バラ肉を炒める。
- タレの材料を混ぜ合わせて、豚バラ肉を加える。
- どんぶりにごはんを盛り、野菜と豚バラ肉を乗せ、粒マスタードとバジルの葉を飾る。
- フライパンの油を拭き取り、タレにキビ砂糖を加えたものを軽く煮詰める。
- タレとレモン汁をどんぶりにかけたら完成!
夏バテ防止の薬膳そうめん
夏バテなどで食欲がわかない時にもおすすめなのが、このレシピ!爽やかな酸味が効いた薬膳そうめんを紹介します。
<材料>
【具材】
- ・トマトやきゅうりなどの夏野菜
- ・シーチキン
- ・卵
- 【調味料】
- ・トマトジュース(無塩)
- ・オリーブオイル
- ・バルサミコ酢やレモンなど酸味のあるもの
- ・砂糖
- ・醤油
- ・塩コショウ
<作り方>
- 夏野菜を適当な大きさにカットし、シーチキンは油を切っておく。
- 卵は茹でて殻をむいておき、4等分ほどに切る。
- 調味料と半分量の具材と混ぜておく。
- そうめんを茹で、水気を切る。
- 3の具材と残りの調味料をそうめんに混ぜ合わせる。
- お皿にそうめんと残りの具材を乗せ、塩コショウを振りかけたら完成!
日焼け対策におすすめ!夏の薬膳ドリンク
紫外線が厳しい夏は、日焼けが気になる人もいますよね。日焼け対策には、血の巡りを良くするものや、潤いを補給できるものを摂取すると良いでしょう。ここでは、日焼けが気になる夏におすすめの薬膳ドリンクを紹介します。
血の巡りを良くするヨーグルトスムージー
日焼けの原因となる紫外線は、血液をドロドロにする可能性があると考えられています。また、肌の乾燥やシミの原因になる場合も。そんな時は、造血作用が期待できるレーズンや、体の巡りを良くすると言われるオレンジジュース、乾燥対策に役立つとされるヨーグルトを合わせたスムージーがおすすめです。
<材料>
- ・にんじん
- ・フレッシュオレンジジュース
- ・レーズン
- ・レモン汁
- ・プレーンヨーグルト
- ・はちみつ
<作り方>
- レーズンは、熱湯をかけて水気を切り、にんじんとマンゴーは小さく切っておく。
- ヨーグルトとはちみつ以外をミキサーで混ぜる。
- グラスにヨーグルトとはちみつを入れた後に、スムージーを加えたら完成!
レシピの材料以外にも、マンゴーなど、肌に良いとされるビタミンCを含んだフルーツ類を加えるのも良いですよ。ただし、オレンジなどの柑橘類は紫外線の吸収を促してしまう可能性があるため、念のため飲むのはお出かけ後にしましょう。
しっかりと潤いを補給できる桃のビネガー
桃は体を潤す作用の他、体を優しく温める働きを期待できます。紫外線対策の他に、冷えによる夏バテ対策にもおすすめです。
<材料>
- ・桃
- ・白ワインビネガーや果実酢
- ・はちみつ
- ・すりおろし生姜
- ・塩
<作り方>
- 桃の皮を剥き、小さめに切る。
- 材料を鍋に入れたら中火にかけ、煮立ったら弱火で15分ほど煮る。
- 火を止めてミキサーにかけた後、目の細かいザルなどでこす。
- 好きな割り方で4倍程度に薄めて飲む。
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おすすめの薬膳レシピや食材を取り入れて、元気に夏を過ごそう
暑さや湿気で崩れがちな夏の体調を整えてくれる、薬膳ごはん。悩みに合わせた旬の食材を活用することで、コンディションを整えやすくなるかもしれません。毎日の食事に薬膳も活用して、今年の夏を元気に過ごしてくださいね!
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