May 28, 2020

在宅ワーク歴16年の敏腕ライターが教える!自宅で上手に働く「14のヒケツ」

この数ヶ月でオフィス勤務から在宅ワークへと、働く環境が一変した人が多いのではないでしょうか。でも、気持ちの切り替え方や必要なツールがわからないなど、在宅ワークの勝手が掴めないという話もよく耳にします。

「自分に合ったルールと環境を作ることが効率的な在宅ワークには不可欠」と、ライターとして多忙な日々を送る田嶋章博さんは語ります。
そこで今回は、在宅ワーク歴16年の田嶋さんが実践するルールと環境作りについて教えてもらいます。長く働く中で試行錯誤を繰り返した、自宅での上手な働き方は必見です!

教えてくれるのはこの人

田嶋章博さん

出版社でのファッション誌編集部勤務を経てフリーに。取材ライターとして主にビジネス系記事を、またカレーライターとしてカレー関連記事を執筆・制作。
媒体は「東洋経済オンライン」などのウェブメディア・オウンドメディア・雑誌・広告。

オフィシャルサイト:https://www.muchbako.com/

ルールができるまでの試行錯誤

まずは、今の働き方やツール環境に行き着くまでのエピソードを田嶋さんに直撃。

会社員からフリーランスに転向し、自宅で毎日働く中での試行錯誤には在宅ワークで大切にすべきことが詰まっていました。

 

ー会社員ではなく、今のようなフリーランスの在宅ワークを選んだのはなぜですか?

「業務委託契約で4年ほど会社勤めをしていたのですが、もともとフリーでライター業をしたかったのが、会社勤めをやめた一番の理由です。
いざフリーになってみて、自分は1人で家で作業をするのに向いているなと実感しています。特に取材や打ち合わせ以外は、自分のペースで予定を組めるのがありがたいです」

 

ー在宅ワークに慣れるまでには時間がかかりましたか?

「フリーランスになってから、20代はずっと実家で仕事をしていました。エアコンのない部屋と子どもの頃から使っている机で、仕事環境も全然整っていなくて。
家族から声をかけられたり、原稿がとにかく全然進まなかったことを覚えています。環境を変えたいと思って1人暮らしを始めました」

 

ー環境面のほかにも、難しい部分はあるかと思います。

「自宅で働いていると、どうしても人との交流が少ないので、アイデアを出し合ったり、ふとした会話から仕事の課題解決につながるヒントを見つける、といったことがあまりないのがデメリットだと思います。
だから、最近はあえて人に会ったときは積極的に話し掛けたり、会食や飲みに行くようにしています」

 

ー今のような在宅ワークのルールができるまでに、苦労したことはなんでしょう?

「組んだ予定が予定通りに進まないことです。どうしてもスムーズにできたときの最短時間でスケジュールを設定してしまうんですよね。で、たいていは予定通りに終わらないんだけど、次の仕事ではそれを忘れてまた同じように最短時間でスケジュールを組んでしまう(笑)。

あとSNSやインターネットを見てしまったりして、作業を始めるまでにも時間がかかりました。手を付ければ集中できるんですが、今度は余計な部分のクオリティにこだわりすぎて予定が遅れたりして…」

仕事のリズムを作るも壊すも自分次第

仕事はリラックスできる家着で行うが、いちいち着替えず近所に出られる程度の服装は保つようにしているそう。

「1日のリズムが掴めると、仕事がオートマチックに進んでいく感覚がありますね。通勤がなく、自分のペースも乱されないので、上手くいけばオフィス勤務よりも仕事効率をグッと高められるのが在宅勤務の強みだと思います。
逆に、一歩間違えるといくらでもサボれたり、リズムに乗れなかったりするのが難しいところです。だからこそルールを設けることが大事なのかなと」

 

ールールが定まったのはいつ頃ですか?

常にいろいろなやり方を試し、カスタマイズしてきた感じです。特に大きな失敗をした後や、忙しすぎて大変だった後に、いいルールが生まれることが多いですね。生き延びるための知恵ではないですが(笑)。
いずれにせよ、今回ご紹介する「ルール」と「環境」、両方の工夫が在宅ワークには不可欠だと思います」

自宅で上手に働くヒケツ 〜気構え・ルール編〜

まずは自宅で気持ちを切り替え、効率的に仕事をするために必要な9つのルールをご紹介。
働くことと同じように、休むことにも意識を向けていました。

ヒケツ1 60分働いて、6分休む

ちなみに、仕事終わりにはお酒を飲みながらの読書が一番の楽しみなのだとか。

「一度の作業が60分以下にはならないようにしています。60分以降は気分のノリ具合で決めて、休みたいときに6分休んでいます。これが1回でも守れないとその日はずっとダメなことが多いんですよね。だから、長く休みすぎてしまわないよう心を鬼にしています。ちなみに最初は10分休憩でしたが、それでは長すぎると感じ5分になり、今度は短かすぎたので6分に落ち着きました」

 

休憩後の切り替えが難しいですが、「守れなかった」という事実を作らないようにすることで、一日のモチベーションを保っているとのこと。

ヒケツ2 SNSとメッセージアプリは見る時間を決める

「SNS、メールアプリ、メッセンジャーやLINEなどは、作業への集中を妨げる仕事の最大の敵といえますね。
基本的に6分休憩の間にチェックするようにしています。仕事中は通知も見ないようにしていますね」

 

集中して原稿を書くライター業ならではの方法かもしれません。またメールやメッセージの返信を後回しにすると、返信を忘れてしまったり、作業が二度手間になったりするので、見たらすぐ返すようにしているそうです。

ヒケツ3 作業の始めに楽しい仕事を設定

「仕事から離れる時間が長いほど仕事に戻りづらくなるので、1日の始めやランチ後には、スムーズに戻れるように楽しく感じる仕事をセッティングしておきます。
僕の場合は原稿の最終チェックや面白そうな取材準備とか。脳にも慣性の法則が働くので、休みをダラダラ延ばしたくなる反面、いざ仕事を始めてしまえば、それを続けようという作用も働きます」

 

長い休みから作業を再開する際には、ぜひ楽しいタスクを設定しておきましょう。手を付けやすい仕事から始めることで、気持ちを切り替えるキッカケに。

ヒケツ4 作業は中途半端なところでやめる

田嶋さんの仕事道具。シンプルで使い慣れたものが並ぶ。

「例えば、原稿を全部書き終えた後に休憩をすると、キリが良すぎて休憩後に仕事を再開しにくい。
だから『あと少しで原稿が終わる』『タイトルだけを考えてこれから書き始める』のようなタイミングで休憩に入ります。そうすることで休憩中も頭のどこかで仕事への気持ちを持ったままになり、再開しやすくなるんです」

 

こちらは田嶋さん自身が脳科学者や学習法の研究者に取材をしたときに得たノウハウ。SNSでこのルールを発信したときも大きな反響があったそう。

ヒケツ5 「考える」作業は、家事や育児と組み合わせる

「机に向かってばかりだと、どうしても考えに行き詰まることがありますよね。そこで僕は皿洗いや育児のときに他のことを考えられそうな余裕があれば、並行して仕事のことを考えるようにしています。
すぐに考えるべきことが思いつかないときもあるので、日頃から『考えるべきことリスト』を作っています」

 

仕事の方向性や企画案など、考えないといけない項目をあらかじめストックしているそう。何から考えるかを迷って時間を無駄にしないように。
意外とそんなときにいいアイデアが浮かんだりもするんです。

ヒケツ6 散歩を取り入れる

「これもヒケツ5と同じで、歩きながらだと考えやすいので。買い物に行きながら考えたりもしますね」

 

散歩のときにも考える作業を。特に在宅ワークで煮詰まりやすいので、散歩をしてリフレッシュすることも大切です。

ヒケツ7 昼寝は少しならOK

「『ランチ休憩1時間+昼寝30分』はスケジュールに必ず織り込んでいます。守れないルールを作ると、他のルールに対する信頼性が落ちてしまう。だから無理せずに守れるルールを作っておくことも大事だと思います」

 

ここでも必要なのは休憩と同じ考え方。厳しすぎるルールを設けて“ルールは守らなくてもいいもの”となってしまわないようにしましょう

ヒケツ8 カレンダーアプリでタスク管理

「予定もToDoリストもすべて、カレンダーアプリで管理しています。一本化することでToDoリストの項目をカレンダーに転記する手間がかからないのがメリットです。
ToDoリストを単体で使うと、できなかったものが溜まっていってしまうので、僕には合わなかったですね。
カレンダーの予定には、想定所要時間も一緒に入力しています。その後、実際にかかった時間と照らし合わせることで、締め切りを超えるようなスケジュールのズレがなくなっていきました」

 

タスクの優先順位がひと目でわかり、やらなくていいことをそぎ落とすことができるシンプルな方法。スケジュール管理の振り返りもカレンダー上で行うことができます。

ヒケツ9 家族に仕事のスケジュールをシェア

緑色が仕事の予定、水色が家族の予定。

「奥さんには早めに仕事のスケジュールを伝えて、テレビ電話をしているときに子どもが仕事部屋に入ってこないようになど協力してもらっています。カレンダーアプリで共有しておくと抜け漏れがなく便利です。
その代わり、奥さん側の要望や手伝いもできるだけ断らずにするようにしています」

 

人によっては仕事部屋を確保できないことも。そんなときこそカレンダーでお互いの予定を共有し合えば、スペースや同居者の都合に気を遣った在宅ワークにすることができます。

自宅で上手に働くヒケツ 〜環境・ツール編〜

つづいて「環境・ツール編」をご紹介。
田嶋さんの自宅を参考に、自分に合った作業環境を模索しましょう。

ヒケツ10 ダブルモニターにする

 

「1人暮らしを始めたとき、先輩ライターから『絶対にダブルモニターがいいから』と言われてサブモニターを譲り受けました。それからずっと使っています。もうモニター1つの環境には戻れないですね」

 

ダブルモニターにすることは“作業机”を大きくするようなもの。原稿、資料、メールと複数の画面を同時に出しておけるので、切り替えの手間がなくなります。

ヒケツ11 デスクといす

 

「デスクは大きいものを使って、そのときする仕事に使わない資料などは見えないところに片づけます。視界は極力ミニマルさを心掛けます。
僕は腰痛持ちなので、実家を出て早々にアーロンチェアを買いました。それでも同じ姿勢でいるとつらくなってくるので、姿勢を変えながら仕事をしています。仕事後のストレッチポールもオススメですよ」

ヒケツ12 BGMは日本語歌詞を避ける

 

「仕事モードに入るために作業中は音楽をかけるのですが、ライター業というのもあって歌詞があると気が散るうえ、ビートがあると文章をリズムよく読めなくなります。だから、もっぱらアンビエント音楽(風の音や鳥のさえずりなど、もの静かなBGM)をかけます。
中でもアンビエントがエンドレスに流れ続ける『SomaFM』の“Drone Zone”というストリーミングチャンネルを愛用していて、仕事中はほぼかけっぱなしです」

ヒケツ13 週末の作り置きで、平日ランチに変化を

 

「1人暮らし時代は外でランチをすることが多かったです。今は日曜をカレーの日と決めて、お昼にカレーを自作しています。そして、その残りを平日のランチに食べる。食事の支度や外食の手間が省けるので、作り置きはオススメです」

 

カレーライターとしても活動する田嶋さんらしいテクニック。平日の休憩で調理の手間を減らすことも、頭と身体を休めるポイントですね。

ヒケツ14 耳栓で外音を遮断する

 

「カフェ作業でも耳栓をすると集中できます。つけてみると海の底にいるように落ち着くんです。家族や同居人が騒がしいなど、いざというときの最終兵器に使ってみてもいいかも」

 

在宅ワーク中に同居者がいると、物音が気になってしまうこともあるかと思います。メールなどの通知を切るのと同じように、耳栓で外音を遮断することで集中を保てそうです。

おわりに

なんとなくやってみるのではなく、いろいろな方法を試して試行錯誤することで、自分にピッタリ合ったルールや環境を作る。それが在宅ワークを効率よく、快適に行うためにとても大切なことのようです。

 

田嶋さんの14のヒケツは、その近道になってくれそうです。

 

 

Interview & Text_Koharu Ishizuka Edit_Yasushi Shinohara

 

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