そもそも七夕とは
中国と日本の伝統文化が融合してできた
「織姫と彦星が天の川を渡って年に一度だけ会える日」
「願いを書いた短冊を笹の葉に飾って星に願う日」
としておなじみの七夕。
現在の七夕の起源は、中国の故事「乞巧奠(きっこうでん)」と日本の伝統行事である「棚機(たなばた)」が融合したものと言われています。「乞巧奠」では、「織姫」と呼ばれる機織りの女神と「牽牛(けんぎゅう)」と呼ばれる牛飼いの星が年に一度だけ天の川で出会うという伝説が語られています。その織姫にあやかって裁縫が上達するように7月7日にお祈りをする行事でした。
一方「棚機」は、古くの日本にあった禊のひとつで、乙女たちが神様のために機織りをするという行事。日本では、これらの故事と行事が結びつき、毎年7月7日には笹の葉に短冊を飾り、織姫のように裁縫が上達するように願うようになります。やがて裁縫だけでなく芸事や書道の上達も願うようになったのが、現在の七夕の由来とされています。
「七夕(しちせき)の節句」という五節句のうちの一つ
七夕は「七夕(しちせき)の節句」として、五節句の一つに数えられています。江戸時代に、五節句の一つとして幕府の公式行事となり、庶民の間にも広く親しまれるようになりました。野菜や果物をお供えして、詩歌や習い事・芸事の上達を願ったそうですよ。
七夕におすすめのお花と花言葉
かすみ草
小さな白いお花がいくつも集まっているお花。その名の通り、霞(かすみ)のように儚げで、ふんわりかわいらしい姿に非常にファンの多いお花です。どんなお花とも相性がいいため「名脇役」と呼ばれているかすみ草ですが、そんなかすみ草が主役になれるのがこの七夕の機会。小さな白い花が集まる様子がまるで天の川のように見えるということで、七夕の時期には数多くのお花屋さんでかすみ草が並びます。
花言葉:「清らかな心」「無邪気」「幸福」「感謝」
デルフィニウム
自然界に数少ないと言われている、青色のお花。その代表的なお花のうちのひとつがこのデルフィニウムです。水色、濃い青色、紫色など寒色のカラーバリエーションが豊富なので、夜空に見立てて、七夕の花生けのベースにするのがおすすめ。透明感のあるお花は涼しげでこの季節にもぴったりです。
花言葉:「清明」「あなたは幸福を振りまく」
ブルースター
こちらも数少ない青色のお花。5枚の花びらが星形を連想させることから「ブルースター」という名前がついたと言われています。青色は先述のデルフィニウムとも相性ぴったり。星形のお花は夜空の星を表現することができます。
花言葉:「幸福な愛」「信じ合う心」
キキョウ
落ち着いた紫色の、上品なお花。このキキョウも花の形が星形に見えることから、七夕の花生けにぴったり。先述したお花たちと混ぜ合わせて生けるときは、アクセントにするとキキョウの美しさが映えます。また、和の雰囲気と非常に相性が良いので、竹などの器に単体で生けるのも風流に。落ち着いた大人の七夕を演出することができます。
花言葉:「変わらぬ愛」「清楚」「誠実」「気品」
ルリタマアザミ
トゲトゲした丸い形のお花。メタリックな印象が、輝きを放つ星のようにも見えます。こちらもかすみ草やデルフィニウムと組み合わせるときはアクセントに。トゲトゲが痛いので、扱うときは怪我をしないように注意してくださいね。
花言葉:「鋭敏」「傷つく心」「豊かな感情」
流れのあるグリーン
流れのあるグリーンは、天の川や天女の羽衣を連想させます。
リキュウソウ
動きのあるグリーンとして外せないのがリキュウソウ。つる特有の軽やかでランダムな茎のうねりがたまらなくかわいいんです。透け感のあるやわらかな緑色・艶感のある葉も非常に美しく、七夕のグリーンとしてイチオシです。
花言葉:「奥ゆかしさ」
ハゴロモジャスミン
こちらもリキュウソウと同じくつるの動きが非常にかわいいグリーン。ぱっと見の雰囲気はリキュウソウに似ていますが、リキュウソウよりも葉が小さく、緑色も濃い目です。葉が小さい分、より繊細な雰囲気を演出することができます。
花言葉:「誘惑」「官能的な愛」「優しさを集めて」
ハートカズラ
ハートの形をした葉、細くて華奢な茎がかわいらしいグリーン。茎はかなりやわらかくふにゃふにゃで、前述のリキュウソウやハゴロモジャスミンと違って自立しないので、花に絡ませたり、垂らすようにするといいですよ。
花言葉:「協力」「助け合う」
スマイラックス
こちらも、やわらかな黄緑色が美しいつる状のグリーン。細い紐のような茎に、びっしりとたくさんの葉がついています。かなり長いので、茎の先端を花瓶に入れて、残りの部分は花瓶の周りにふんわり置いたり、棚から垂らすようにすると非常に華やかになります。ブライダルのテーブルコーディネートでも非常に重宝されています。
花言葉:「勝利」「何も変わらない」「普遍」
七夕におすすめのお花の飾り方
七夕におすすめのお花の組み合わせ
かすみ草単体で
普段は他のお花と組み合わせられることの多いかすみ草ですが、七夕では主役のお花。この七夕の機会にかすみ草単体をたっぷり生けるのがおすすめの楽しみ方です。繊細で儚い美しさを持つ、かすみ草のふんわり感を存分に楽しんでみてください。
デルフィニウムとかすみ草
青いデルフィニウムを夜空に、かすみ草を天の川の星たちとイメージして組み合わせるのも七夕のお花の楽しみ方のひとつ。花の量は1:1くらいにするとバランスが良くなりますが、お好みで好きなお花の量を多くしてももちろんOK。どちらも小ぶりなお花が枝分かれして咲くお花なので、適当に生けてもいい感じになります。配置などは気にせず、自由に生けてみましょう。
好きなお花同士をごちゃ混ぜに
かすみ草・デルフィニウム以外の七夕おすすめの花も、小ぶりのお花ばかり。色合いも白や感触が中心なので、あまり深く考えずに、好きなお花を混ぜこぜで生けてみてください。あなたオリジナルの七夕の花生けを楽しんでくださいね。
七夕を楽しむお花におすすめの器
ガラスボウル
普段なかなか使いにくい形のガラスボウル。ガラスボウルの中に浅めに水を張り、ボウルの中に花を生けると、まるで星空のドームのように。もちろん束ねたお花をいつも通り生けても◎丸い形がボリューム感あるお花とよくマッチします。
シルバーの器
七夕のキラキラ感をより一層楽しませてくれるのがシルバーの器。今回紹介した、白・寒色系のお花とも相性ばっちりです。
七夕と一緒に楽しみたい小物や食事
七夕と一緒に楽しむ小物
笹飾り
七夕で外せないのはやっぱり笹飾り。笹の葉を売っているお花屋さんも多いので、ぜひお花と一緒に買ってみてくださいね。お花と同じ花瓶に笹を生けても◎
白レース
白レースやチュールなどの布を花瓶の周りに流すように飾ってみるのもおすすめ。まるで天の川や天女の羽衣のような雰囲気に。花瓶の下には青系のテーブルクロスなどを敷くとより一層雰囲気が出ます。
光り物
LEDライトや、シルバー・ゴールド系のキャンドルホルダーをお花の隣に置くことでさらに星空のような空間が広がります。光に照らされて壁に映る花々の影も、プラネタリウムのような美しさを醸し出します。
七夕を楽しむ食事
そうめん
そうめんは、七夕の行事食として一般的になりつつある料理。天の川や、織り糸に見立てたとされています。断面が星の形をしている、オクラを一緒に盛り付けると◎
ゼリー
七夕の日の給食のデザートにゼリーが出てきたという人も多いのではないでしょうか。あの時のときめきを再現してみませんか?ゼリーは簡単に作れる上に、唯一無二の透明感が非常に美しいので、星空を表現するのにもってこい。青いゼリーの上に、金箔や銀箔・アラザンを散らすと本物の星空のようでとてもきれいになるのでおすすめです。
スパークリングワイン
ちょっぴり大人な七夕には、スパークリングワインもおすすめ。金色の液体の中から立ち上る小さな泡たちにうっとり。プラスひと手間して、スパークリングワインにアラザンを入れると、銀色の粒がしばらく上がったり下がったりします。まるで流れ星のようで、見ているのもとっても楽しいのでぜひやってみてくださいね。
年に一度のロマンティックな夜を、花と一緒に楽しんで
織姫と彦星が天の川を渡って年に一度だけ会える夜。そんなロマンチックな雰囲気を、お花でお部屋に取り入れてみると、いつもとは違う特別な七夕になるはず。星空に見立てて花を生けるのもとても楽しいので、ぜひやってみてくださいね。今年も織姫と彦星が無事会えますように。
そして、あなたの願いが星に届きますように!
花と緑をこよなく愛するお花屋さん。 日々の暮らしがちょっぴりハッピーになるような、花や緑との関わり方をお届けします。
花屋WAKAflower(わかフラワー)