リラックスしたいときや体調が優れないときなど、さまざまな場面で利用されているアロマオイルは、迷ってしまうほどたくさんの種類があります。選ぶときのポイントをおさえて、暮らしへ上手に取り入れましょう。この記事では、アロマオイル初心者におすすめの香りや使い方を紹介します。
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アロマオイルの基本
数あるアロマオイルの中から自分にぴったりのアイテムを見つけるには、アロマオイルの基本を正しく理解することが大切です。アロマオイルの成分や気を付けるべき注意点を紹介します。
アロマオイル=「精油」「エッセンシャルオイル」
アロマオイルとは「精油」または「エッセンシャルオイル」のことですが、最近では「アロマオイル」という言葉が主流です。
植物の芳香成分は、圧搾法や蒸留などの特殊な方法で抽出しています。合成的に作られた香料を用いているフレグランスとは製法が異なります。
植物から抽出された芳香物質は、古くから薬や治療、香油としても使われてきました。
アロマオイルが使われる場面
アロマオイルは、健康や美容に役立つ自然療法であるアロマテラピーでも使われます。ストレスを感じたときや睡眠前などのリラックスしたいときはもちろん、アレルギー・花粉症・風邪・腸の調子が悪いときなど、利用されているシーンはさまざまです。
アロマオイルの注意点
だれでも気軽に手にすることのできるアロマオイルですが、取り扱いには注意が必要です。原液は肌にとって刺激が強いので、直接触れるのは厳禁です。また、アロマオイルを飲用してはいけません。
アロマオイルの中には女性ホルモンに影響するといわれているものもありますので、妊娠中の人や病気治療中の人は、医師に相談してください。
また3歳未満の乳幼児には刺激が強いため、芳香浴以外は使用しないことが大切です。さらに柑橘系のアロマオイルの中には、肌についた状態で紫外線に当たると皮膚にダメージを与えてしまう光毒性のあるものもあります。日中や外出前には注意が必要です。
アロマオイルの選び方
これからチャレンジしてみたい人がアロマオイルを買うとき、どのような点に気を付けて選べば良いのでしょうか?ここではアロマオイルの失敗しない選び方3つを紹介します。
香りの種類で選ぶ
アロマオイルの香りは、主に7つに分類できます。自分がどんな種類の香りが好みなのかを知っておくと、オイルを選ぶときに失敗しにくくなります。
①フローラル系
ラベンダー、カモミールなどに代表される香り。花から抽出されているものが多く、万人受けしやすい傾向があります。
②柑橘系
爽やかでフレッシュな香り。レモン、ライム、ベルガモットなどが定番です。
③ハーブ系
爽快感があり気分転換におすすめ。ペパーミントやタイム、フェンネルなどが該当します。
④樹木系
森林浴をしているような清々しいイメージの香りで、ユーカリやティーツリーなどが代表的です。
⑤スパイス系
シナモンやカルダモンなど、やや刺激のある香りです。
⑥樹脂系
フランキンセンスやミルラなどの香りで、甘さと重厚感があります。
⑦エキゾチック系
個性的な香り。サンダルウッドやイランイラン、ベチパーなどがおすすめです。
使う目的で選ぶ
目的に応じて選ぶ方法もあります。リラックスしたいときは、心を落ち着かせるラベンダーやカモミールなどがおすすめです。
集中力を高めたいなら、ローズマリーやベルガモットなど。気分をアップさせ、頭がすっきりすると言われています。ローズマリーは、疲れが取れないときにもおすすめです。
風邪をひきたくないときは、免疫力アップを期待できるユーカリやジュニパー辺りがおすすめ。ゼラニウムやジャーマンカモミール、サイプレスなどはホルモンの分泌を促して女性らしさを高めると言われています。
成分で選ぶ
心身の健康に役立つアロマオイルですが、市販されているものの中には品質の粗悪なもの、合成香料を使用している商品もありますので注意が必要です。成分表示をきちんと確認しましょう。
アロマオイルを選ぶときは、100%天然アロマオイルがおすすめ。 また100%天然のアロマオイルを長年取り扱っているような、実績のあるブランドを選ぶと安心です。
初心者におすすめのアロマオイル
アロマオイルにはたくさんの種類があり、なかには初心者に馴染みにくい香りや使いづらい種類もあります。ここでは、くせのない香りで安全に取り入れやすい4つのアロマオイルを紹介します。
ラベンダー
アロマオイル初心者が香り選びに迷ったら、”万能”といわれるほどに用途が広いラベンダーがおすすめ。ラベンダーはやわらかく落ち着いた香りで、不眠やストレス、バランス調整、緊張状態、筋肉痛、頭痛などを感じたときに最適です。
ただし購入するときは、成分調整されているものに注意しましょう。ラベンダーのアロマオイルは、学名が「Lavandula angustifolia」になっているものを選ぶと安心です。
ローズ
ローズは、クレオパトラも愛したとされている歴史深いアロマオイルです。ローズは、製造方法の違いから大きく2種類に分類されています。揮発性の有機溶剤で抽出されたアロマオイルを「ローズ・アブソリュート」、水蒸気を使った蒸留で抽出されたアロマオイルを「ローズ・オットー」と呼びます。
ローズアブソリュートは香り成分を多く抽出するため、香水やアロマデュフューザーなどに適しています。一方、ローズオットーは免疫力アップが期待でき、マッサージやスキンケアにおすすめです。
若返りの薬として古くから利用されていたローズは、少量でも刺激は強いかもしれません。また、貴重な素材であるため、他と比べて高価になる傾向があります。
ティーツリー
ツンとした、やや刺激のあるさわやかな香りが特徴のティーツリーは、アロマテラピーで活躍します。風邪の予防や室内清掃の際に最適で、心と身体をすっきりとリフレッシュさせてくれます。
ティーツリーは原液をお肌につけられるアロマオイルと言われていますが、お肌の弱い人はできるだけ原液のまま使用するのは避け、ホホバオイルなどのキャリアオイルで薄めてから使用する方が無難です。
ゼラニウム
ローズ系が好きな人はゼラニウムもおすすめです。フローラルな香りの中に、ミントのような爽快さも感じられます。
ホルモンバランスが乱れて、肌荒れやむくみなどが見られるときによく利用されています。ローズ系を比較的安く手に入れたい人にもおすすめの香りです。
初心者におすすめの使い方
アロマオイルはアロマディフューザーなどの準備がなくても、普段の生活で気軽に楽しむことができます。ここでは、初心者でも安心・簡単なアロマオイルの使い方を紹介します。
ハンカチにつけて楽しむ
とくにオーソドックスで安全なのは、ハンカチにお好みのアロマオイルを1〜2滴ほど垂らして使用するという楽しみ方です。気軽に好きな香りを携帯できます。自分がリラックスできる香りをハンカチに垂らし、就寝時に枕のそばに置くのもおすすめ。
ハンカチ以外にも、ティッシュやマスクでも同じように楽しむことができます。濡れタオルに3滴ほど垂らして振ると、部屋の香り付けにもなります。
バスタイムに楽しむ
バスタブに1〜5滴ほどのアロマオイルを垂らして使用できます。ただし皮膚刺激が出るアロマオイルもあるので、まずは商品の注意書きをよく確認して、1〜2滴から試してみてください。洗面器にお湯を張り1~3滴を垂らすと、手浴や足浴にも使えます。
掃除・洗濯で楽しむ
アロマオイルを毎日の家事に取り入れるのもおすすめ。洗濯をするとき、柔軟剤の投入口に5滴ほど入れたり、すすぎのタイミングで数滴入れたりする人もいます。ただし洗濯乾燥機は、取扱説明書の禁止事項に入っていないか確認が必要です。
雑巾に数適たらしたり、アロマオイルを吸着させたティッシュを掃除機に吸い込ませたり、掃除にも活用できます。
アロマオイルのある暮らしを楽しもう
アロマオイルに触れたことがないと、最初は自分に合う香りの検討もつかないかもしれません。しかし、初心者向けのものから試していけば徐々に好みも明確になるでしょう。アロマオイルを味方につけて、より心地良い暮らしを始めてみませんか。