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Oct 25, 2022

【11月の花】花屋が教える、秋の終わりにおすすめの花と飾り方|くらしの花図鑑

秋の植物

すっかり気温も下がり、秋が深まる11月。ひんやり冷たい空気から冬の足音が聞こえてきます。
名残惜しいですが、秋のお花も今月が見納め。
シックでおしゃれな、秋ならではのお花たちを今月めいいっぱい楽しんで、悔いなく冬を迎えましょう。

11月に飾りたいお花Best5

11月の代表的な花といえば「秋バラ」「ダリア」「秋色カーネーション」「ケイトウ」「秋色アジサイ」「マム」「アスター」「ネリネ(ダイヤモンドリリー)」「コットンフラワー」「ノバラ」「ティナス」「ピンクペッパーベリー」などです。
その中でも特に、残り少ない秋を存分に楽しむためのお花を紹介します。

 

1:秋バラ

秋バラ

 

入手しやすさ ★★★★★
長持ち度   ★★★✩✩
ドライ向き  ★★★✩✩

 

秋はもうひとつのバラの旬

切花のバラの旬は、春(4〜5月)と秋(9〜11月)。バラは通年出回りのある王道のお花ではありますが、前述した旬の季節には特に品種が多く出揃います。秋バラは春に比べて、落ち着いた大人っぽい色が多くなります。

 

深みのある秋バラの美しさを楽しめるのは今月まで!

秋バラの美しさはなんと言っても、秋らしい深みのある色。シック・アンティークっぽい雰囲気が好きな人にとってはたまらないラインナップですが、それを楽しめるのも今月が最後。色々な品種のバラを楽しんでくださいね。

2:ケイトウ

ケイトウ

 

入手しやすさ ★★★★✩
長持ち度   ★★★✩✩
ドライ向き  ★★★★✩

 

ケイトウも11月が見納め

た秋ならではのお花、ケイトウも今月が見納め。12月になるとほとんど出会えることがなくなるので、ケイトウファンの方は今月しっかり満喫しておきましょう。

 

ベルベットの質感は唯一無二

ケイトウの魅力はやはり、ベルベットのような上品で艶のある毛の質感。11月に入ると、深まった秋にぴったりの落ち着いた色合いのものが増えます。秋バラとの相性も抜群です。

 

いろいろな形を組み合わせて飾ると楽しい

一口にケイトウと言っても、ニワトリのトサカそっくりの「トサカケイトウ」、小ぶりで丸い形がかわいい「クルメゲイトウ」、ふわふわの羽をまとめたような「ウモウゲイトウ」、ツンツンした「ノゲイトウ」など、さまざまな形の品種があります。その形の違いは、同じ花とは思えないほど!
その違いを生かして、ケイトウ同士の組み合わせを楽しんでみてください。

 

3:秋色カーネーション

秋色カーネーション

 

入手しやすさ ★★★★★
長持ち度   ★★★★✩
ドライ向き  ★★✩✩✩

 

カーネーションも秋カラーがかわいい!

バラと同じく、通年出回りがあるカーネーションも、この時期は秋色が美しくてとてもおすすめ。深い色や、絶妙なニュアンスカラーの品種が多く、今しか出会えない色を見つけると思わずキュンとしてしまいます。

 

持ちが良いのも嬉しいポイント

カーネーションは持ちが良いお花のひとつ。新鮮な花を選んで長く楽しみましょう。花びらの根元にある「がく」の部分をやさしく摘んだ時に、中がぎっしり詰まったようなかたい感触が新鮮な証拠です。

 

クッションカラーとして使い勝手が良い

秋のカーネーションは、ミルクティーのような色や、ピンクブラウン、スモーキーパープルなど独特のカラーバリエーション。主役を引き立てるおしゃれない色合いの品種が多いので、他の花と組み合わせるときに大活躍します。

 

4:秋色アジサイ

秋色アジサイ

 

入手しやすさ ★★★✩✩
長持ち度   ★★★✩✩
ドライ向き  ★★★★★

 

アジサイ=梅雨の花?いいえ、秋も旬です!

アジサイは梅雨のイメージがありますが、お花好きにとっては秋もアジサイの季節!バラやカーネーションに続き、アジサイにも秋色の品種があるんです。秋色アジサイは、なんと言ってもアンティークカラーがかわいい!

 

シックだからこそ大胆に生けるのがコツ

シックな色合いとアジサイならではのボリューム感を生かすには、他の花と組み合わせず、単体で大胆に生けるのがおすすめです。

 

楽しんだあとはドライにしてインテリアに

ドライフラワーにしてインテリアにすると、抜群にかわいくなるのが秋色アジサイ。ドライにするときは、逆さまにして吊り下げると綺麗に仕上がりますが、少量の水を入れた花瓶に挿したまま放置する方法も手軽でおすすめ。吊り下げる方法よりも、花が自然なうつむき加減になり、また違った雰囲気に仕上がりますよ。

 

5:ティナス

ティナス

 

入手しやすさ ★★★✩✩
長持ち度   ★★★★★
ドライ向き  ★★★★★

 

秋色好きにはたまらない実もの

秋は実ものが豊富に出回る季節。中でもティナスは個人的にイチ押しです。わたしも含め、秋の花が好きな人にファンが多い印象です。

 

ブルーベリーのような色合いと独特の光沢がかわいい

たわわに実る小粒の実たち。ブルーベリーのような深い青紫の色合いとなんとも形容しがたい独特の光沢は、いつまでも見ていたくなる美しさです。花と組み合わせても、単体で生けてもかわいく生けられます。

 

ドライにもなります

ある程度新鮮なうちに乾燥させると、綺麗にドライになります。ドライにした後はざっくりまとめてスワッグにするもよし、シンプルな透明の花瓶に入れて飾るのもおしゃれなインテリアになっておすすめです。

 

フローリストが考える自宅に飾る際のポイント

①バラ+ケイトウorカーネ+ティナス

主役にバラ、引き立て役にケイトウかカーネーション、グリーンとしてティナス。主役・引き立て役・グリーンの王道3種類の作りやすい組み合わせです。

 

②バラ+カーネ+ティナス+穀物系グリーン

①の組み合わせに穀物系のグリーンを加えて、ちょっと贅沢に。シックな秋色の花・実もの・穀物と、秋らしい要素がたっぷりです。特に毛の質感が好きな方は、カーネーションをケイトウにしてみてください。

 

③秋色アジサイ+グリーン

大胆に生けたい秋色アジサイは、他のお花と組み合わせずに、グリーンだけを足して生けてみましょう。ユーカリを器から垂れ下がるように生けると、アジサイのボリューム感をさらに引き立ておしゃれにしてくれます。

 

11月のお花に合わせたい、おすすめのグリーン

穀物(アワ、ヒエ、フォックステイル)

穀物(アワ、ヒエ、フォックステイル)

 

実りの秋は、穀物系の切花が豊富。毛の質感のある穀物は、秋らしさをぐっと引き立ててくれます。

ユーカリの垂れ下がる品種(ポポラスベリー・ロングリーフ)

ユーカリの垂れ下がる品種(ポポラスベリー・ロングリーフ)

 

動きのあるグリーンは、秋のシックな花たちをさらにおしゃれに演出してくれます。中でもユーカリのポポラスベリーやロングリーフといった品種は、「しなり」のある品種で非常におすすめ。器からこぼれ落ちるように生けると、簡単にこなれた生け方ができます。

 

柳系(ウンリュウヤナギ、セッカヤナギ、ユキヤナギ(紅葉))

柳系(ウンリュウヤナギ、セッカヤナギ、ユキヤナギ(紅葉))

 

独特な動きがある柳は、花と組み合わせることでぐっと洗練された雰囲気に。稲妻のようなウンリュウヤナギ、龍のようにたくましいセッカヤナギ、細やかな葉の紅葉が美しいユキヤナギ。それぞれの魅力があります。

 

11月のお花におすすめの花瓶

重厚感のある陶器

 

重厚感のある陶器

色・質感とともにずっしりとした秋の花には、それに負けない重厚感のある陶器がおすすめ。大きめの器に、花だけでなく、グリーンや柳もふんだんに使ってたっぷり生けてみてください。

 

 

 

スモークカラーのガラスベース

スモークカラーのガラスベース

スモークカラーのガラスベースは、ガラス素材なので抜け感もありながら、シックな花をしっかりと支えてくれます。ぼってりとした、厚めのガラス素材がマッチします。

 

 

 

 

11月のお花に合わせたい小物

松ぼっくり

松ぼっくり

花瓶の足元に松ぼっくりを2〜3個転がすだけで、秋らしさがさらに増します。松ぼっくり=かわいいという印象ですが、おしゃれな花と一緒に飾るとこんなに素敵な小物になるんだなと驚きますよ。100円ショップで購入したり、公園に落ちている松ぼっくりを消毒して使ってみてください。

 

 

 

 

プレースマット

プレースマット

普段、食器をおしゃれに並べるために使われるプレースマットは、花瓶もおしゃれにしてくれます。花と花瓶とのコーディネートを考えるのがとても楽しいですよ。花瓶を置いている棚も汚れず、一石二鳥です。

 

 

 

残り少ない秋を、存分に楽しんで!

花瓶に生けられた花たち

 

秋は、シック・アンティークな雰囲気が好きな人にとって、花選びが楽しくてたまらない季節。11月は、それを楽しめる最後の1ヶ月です。冬の訪れをちょっぴり心待ちにしながらも、今しか楽しめない秋のお花たちを存分に楽しんでくださいね。

花と緑をこよなく愛するお花屋さん。 日々の暮らしがちょっぴりハッピーになるような、花や緑との関わり方をお届けします。

花屋WAKAflower(わかフラワー)