ダイエットを成功させるには、食事制限や運動のほか、「睡眠の質を高める」ことも大切です。良質な睡眠は心と身体を回復し、ホルモンの正常な分泌を促してくれるため、無理なくキレイに痩せたい方はぜひ意識したいもの。
この記事では、ダイエットに成功し、現在もスタイルを維持している『プライム銀座クリニック』の院長、高澤博和先生監修の元、睡眠とダイエットの関係や痩せやすい体質作りに必要な睡眠習慣、なるべく避けたいNG行動を紹介します。
「食事制限や運動を頑張っているけれど、なかなか体重が落ちない」「太りにくく痩せやすい体質になりたい」という方は、ぜひチェックしてみてくださいね。
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睡眠は痩せスイッチに繋がる!その理由と隠れ睡眠不足のサインとは
質の良い睡眠は、痩せスイッチを入れるために欠かせません。睡眠リズムを整えて毎日ぐっすり眠るだけで、太りにくく痩せやすい体質になりやすくなるといわれています。ここでは、睡眠が身体にもたらす影響と隠れ睡眠不足のサインについて解説します。
睡眠で得られる効果はたくさんある
睡眠には疲労回復や脂肪燃焼、免疫力アップなど、さまざまな効果があります。ぐっすりと深い眠りにつくことで脳が休まり自律神経の働きが整うため、ストレスに負けない精神状態を維持しやすくなるでしょう。ホルモンバランスも保たれやすくなり、肥満や高血圧など生活習慣病の予防や、肌荒れなどのトラブルも起こりにくくなります。
睡眠不足は痩せにくく太りやすい体質を作る
十分な睡眠をとれていないと、ダイエットに関わるホルモンがうまく分泌されません。睡眠不足は食欲増進ホルモン「グレリン」を増やし、食欲抑制ホルモン「レプチン」が減る原因になります。その結果、食欲のブレーキが利かなくなり、十分な睡眠をとっている人よりも太りやすくなるといえるでしょう。
また、代謝を活性化する成長ホルモンは睡眠の質が低いと分泌されません。成長ホルモンが不足すると基礎代謝が落ち、食べ物から摂取した栄養をエネルギーに十分変換できなくなります。あまった栄養は脂肪として身体に蓄積されるため、「運動や食事制限をしているのになかなか痩せない」といった悪循環も引き起こします。
ダイエットの大敵!隠れ睡眠不足のサイン
「自分ではしっかり寝ているつもりだけど、実は睡眠不足だった」という人は意外と多いもの。睡眠の質が悪いと日々の疲れが取れず、朝起きるのもつらくなります。ダイエットも失敗しやすくなるため、たいしたことないと放っておくのはNGです。
もしベッドに入ってから数分で寝てしまうなら、それは睡眠不足のサインです。寝つきが良いというのは一見長所のように思えますが、あまりにすぐ寝てしまう場合は身体から危険信号が出ている可能性があります。
また、電車に乗るとすぐにうたた寝したり、夜中に2回以上起きてしまったりする場合も注意が必要です。心身の不調を防ぐためにも、日頃から睡眠の質を良くする工夫を心がけましょう。
太りにくい体を作るための睡眠ポイント3つ
太りにくい体質作りには、日々の生活習慣を整えることが大切です。寝る前の時間だけでなく1日をどう過ごすかが、睡眠の質を高めるコツ!快眠のポイントを押さえて、理想の体型をキープしましょう。
就寝後3時間は目が覚めないようにする
成長ホルモンは寝てから3時間の間に多く分泌されます。分泌量のピークは寝付いてから1~2時間の間なので、この間はなるべく目が覚めないようにしましょう。照明を落としリラックスした状態で布団に入ることで、ぐっすり眠りやすくなりますよ。
夜中の3時には寝るようにする
昼夜逆転の生活は、睡眠リズムを乱す原因になります。日々の生活が不規則だと身体にも大きな負担がかかるので、夜中の3時には布団に入ることが大切です。忙しくて十分な睡眠時間が取れない人ほど、22時~午前2時頃の「睡眠のゴールデンタイム」を意識しましょう。
7時間睡眠を心がける
必要な睡眠時間は人によって違いますが、成人は「7時間睡眠」がベストです。アメリカの調査によると、もっとも死亡率が低く長寿なのは睡眠時間が7時間の人なのだとか。仕事や育児などでまとまった睡眠時間がとれない場合は、こまめに仮眠したり30分早く布団に入ったりして、睡眠負債がたまらないよう心がけてくださいね。
睡眠の質を向上させるための7つのポイント
睡眠の質を高めるには、どんなことに注意して過ごせばよいのでしょうか。ここでは、快眠のコツを7つに分けて紹介します。
就寝3時間前までに食事を済ませておく
食べ物を消化するには約2~3時間かかるので、食事は寝る3時間前には済ませておくのがベスト。消化管の中に食べ物が残った状態で寝てしまうと、胃への負担がかかる上、睡眠の質が悪くなる原因に。胃酸の活動が活発化する20時以降はなるべく食べないようにすると、胃腸への負担も軽くなりますよ。また「夕食抜きダイエット」を実践している場合には、空腹によって交感神経優位になると睡眠の質が下がるため、寝る前の時間に消化の良いスープや半固形のものなどを少量食べることで睡眠の質を高めることができるでしょう。
基本は「腹8分目」でタンパク質多め
腹8分目を意識するのは、ダイエットにも快眠にも重要です。特にダイエット中は、脂肪になりにくい栄養素「タンパク質」多めの食事を心がけましょう。タンパク質の量を増やすことで炭水化物や脂質の割合が減り、太りにくい食習慣が身につきます。
温かい飲み物で眠気を促す
温かい飲み物は気持ちを落ち着かせてくれる効果があり、寝つきを良くしてくれます。カフェインが入っているものは逆効果なので、飲むならカフェインレスを選んで。美容と健康を考えるなら、ハーブティーやホットミルク、豆乳などがおすすめです。
ぬるめのお風呂でリラックスする
ぬるめのお湯に15分程度浸かると、スムーズに眠りやすくなります。タイミングは眠る時間の1時間半~2時間前がベストです。ぬるめのお湯が苦手な人は、温かさを感じやすくなる発泡タイプの入浴剤を使うと良いでしょう。
快眠できる寝室環境を整えよう
寝室を快適な環境に整えると、快眠の度合いが違ってきます。光・音・温度・湿度は睡眠に大きく影響するので、自宅の寝室が眠りやすい環境かどうかチェックしてみましょう。スムーズに就寝モードへ切り替えるには、部屋着ではなくパジャマで寝るのがおすすめです。
朝起きたら朝日を浴びる
朝起きたら、まずは太陽の光を浴びましょう。体内時計がリセットされることで、適切な時間に眠くなり寝つきも良くなります。ガラス越しでは十分な効果が得られないので、換気のためにも窓は数分間開けてくださいね。
食事の時間や量はライフスタイルに応じて
毎日の生活において食事は重要なもの。質の良い睡眠のためといってもストレスを感じてしまっては継続するのが難しいですよね。そのためライフスタイルに応じて必要な食事のタイミングと量を調整することが大切です。空腹のストレスは仕事や睡眠の両方に悪影響があったり、リバウンドの原因につながったりします。適切な食事量と時間は日中のパフォーマンスを上げ、夜もぐっすり眠れるでしょう。
睡眠の質を下げるNG行動3選
毎日気持ちよく眠るためには、睡眠の質を下げる行動は避けたいもの。NG行動が習慣化している人は、できることから少しずつ改善してみてくださいね。
寝る前に食事をとる
夜遅い時間に食事すると、心身が休息モードにならず眠気を感じにくくなります。どうしてもお腹が空いてしまう場合は、消化が良く低カロリーなものを少量食べるようにしましょう。
布団の中でスマートフォンを見る
布団の中でスマートフォンを見ると、脳が「寝なくてもいい」と思い込んでしまったり、ブルーライトによって睡眠ホルモンが十分分泌されなくなったりします。30分経っても眠れない場合は一旦布団を出て、眠気が出るまで別の部屋で静かに過ごすのがおすすめです。
寝る前にカフェイン・アルコールを摂取する
寝る前のカフェイン・アルコールは睡眠の質を下げる原因になります。アルコールは寝つきこそ良くなりますが、眠りは浅く夜中に目覚めやすくなるので、就寝の4時間前までには飲み終えましょう。
まとめ
良質な睡眠は、ダイエットをはじめ、健康や美容のためにも大切です。睡眠不足が続くと食欲抑制や代謝に関わるホルモンが分泌されにくくなるので、思うように体重が減ってくれない原因に。運動や食事制限を頑張ってもなかなか痩せず、ダイエット成功も難しくなります。
ぜひ今回ご紹介した快眠のコツを実践して、痩せやすい体質を目指してみてくださいね!
監修:髙澤 博和
プライム銀座クリニック(東京)院長
東京および北京・杭州(中国)のクリニックで美容外科の手術のほか健康・美容に関する総合的なアドバイスを提供している。
https://prime-ginza.jp