梅シロップは、水で割って梅ジュースとして飲んだり、おかずの調味料として使ったりとアレンジが効きます。今年の夏は梅仕事として香り高い梅シロップ作りにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。シンプルな梅シロップの作り方やアレンジレシピ、余った梅の実の活用方法、よくあるトラブルと対処方法について紹介します。
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アレンジが効く!梅シロップの作り方
まずはシンプルな梅シロップの作り方を紹介します。シロップを作っておけば、ジュースはもちろん、普段の料理にも活用できますよ。
材料
- ・青梅
- ・氷砂糖(青梅と同じ重さを用意)
- ・保存瓶(長期使用が可能なモノ)
青梅と氷砂糖をそれぞれ1kgずつ用意する場合、3〜4L程度の保存瓶がちょうど良い大きさです。
下準備
①青梅の下処理
- 梅のヘタ(黒い部分)を取り除き、洗う
- 洗い終わったら、布巾やキッチンペーパーなどで水分をすべてふき取る
- 時間に余裕があれば1~2時間程度、乾燥させる
梅は熟していない青い実(青梅)を使用しましょう。
②保存瓶の殺菌
- 保存瓶はきれいに洗い、60~70度程度のお湯で温める
- 容器全体が温まったらお湯を捨て、そこへ熱湯を注いで殺菌消毒をする
アルコールをかけて拭くと、より殺菌効果が高まります。また、いきなり熱湯をかけると容器が破損してしまう可能性があるため、耐熱性のあるものを使用しましょう。
なお長期保存するものは水気厳禁・加熱殺菌必須です。必ずやり方を守るようにしましょう。
手順・保存方法
下準備ができたら、保存瓶の中に青梅と氷砂糖を交互に入れて完成です。
※リンゴ酢をいれるとフルーティな味わいに。リンゴ酢を入れる場合は1kgの梅に対して氷砂糖は700g、リンゴ酢は300mlの割合で作るようにしましょう。お酢を入れることで、早く仕上がる上、殺菌効果や発酵の予防ができる効果が期待できるでしょう。
<保存方法>
- 仕込みをした翌日から、1日2〜3回容器を傾けて混ぜる
- 10日間前後経過しシロップが上まで上がってきたら、混ぜずに放っておく
- 2〜3週間経過したら、容器の中の梅を取り出してシロップのみ残す
※清潔な別容器にシロップを移し替えても良い - 太陽光が直接当たらない冷暗所か冷蔵庫で保存する
冷暗所の場合は1〜2ヵ月、冷蔵の場合には1年を目安に使い切りましょう
梅シロップのアレンジレシピ①おかず
梅シロップをアレンジしたレシピを紹介します。豚肉や鶏肉は梅シロップと非常に相性が良いですよ。
食べ応え抜群!|スペアリブ
アレンジレシピ1つ目は、豚肉を使った「スペアリブ」。コクがあるのにさっぱりとした口当たりで、食べ応えもバッチリです。
<材料>(2人分)
- ・豚スペアリブ 500g
(A)
- ・水 140cc
- ・焼肉のタレ 大さじ2
- ・梅シロップ 大さじ2
- ・塩・こしょう 少々
- ・ベビーリーフや水菜などの野菜 適量
- ・マヨネーズ 適量
<作り方>
- スペアリブの両面にフォークで穴を開け、塩こしょうをふりかける
- フライパンに1を入れて両面を焼き、焼き色が付いたら(A)を入れる
- 落とし蓋をして弱火で15分ほど煮こみ、最後に強火にして照りが出るまで煮詰める
- 緑の野菜とマヨネーズをお好みで添えれば完成
梅シロップがアクセント|豚肉のさっぱり炒め
梅シロップを使うことで、簡単に深い味わいが楽しめるレシピが作れます。
<材料>(2人分)
- ・豚肩ロース (薄切り) 250g
- ・薄力粉 10g
(A)
- ・梅シロップ 大さじ1と1/2
- ・しょうゆ 大さじ1と1/2
- ・すりおろし生姜 小さじ1
- ・料理酒 少々
- ・サラダ油 大さじ1
- ・レタスもしくはキャベツ 適量
<作り方>
- 豚肩ロースに薄力粉をまぶす
- 中火で熱したフライパンにサラダ油をひき、豚肩ロースを炒める
- 両面に焼き色がついてきたら、(A)を入れてさらに中火で1分ほど炒める
- レタスもしくはキャベツと一緒にお皿に盛りつけて完成
しっとり&やわらかい|鶏ハム
梅シロップを使えば、鶏ハムがしっとりやわらかに仕上がります。
<材料>(2人分)
- ・鶏むね肉 1枚(200〜250g)
(A)
- ・梅シロップ 小さじ1
- ・塩 小さじ1
<作り方>
- 鶏むね肉に(A)をもみ込み、水が入らないようラップで包み、両端をねじってキャンディ状にする
- 1を半日〜1日冷蔵庫で寝かせ、味をなじませる
- 鍋に水と2を入れて火を着け、沸騰したら火を止める
- お湯がぬるくなったら肉を取り出す
- 好みの大きさ・厚さに切って完成
梅シロップのアレンジレシピ②スイーツ・ドリンク
梅シロップを使ったスイーツ・ドリンクのレシピを紹介します。食後のデザートや、暑い時の一杯にいかがでしょうか。かき氷のシロップにもおすすめです。
プルプル食感が楽しい|梅ゼリー
おやつや食後のデザートにおすすめのさわやかな梅ゼリーです。材料がシンプルなので、簡単に作れますよ。
<材料>
- ・梅シロップ 100cc
- ・ゼラチン 5g
- ・砂糖 15g
- ・水 200cc
<作り方>
- 鍋に、材料を全部入れて混ぜ合わせる
- 沸騰するまで弱火で加熱する
- 好みの容器に2を注ぎ、粗熱が取れたら冷蔵庫に入れて冷やす
- 冷えて固まったら完成
ほんのり梅香る爽やかドリンク|梅ラッシー
牛乳と梅シロップを混ぜれば、まるでラッシーのような濃厚な味わいになります。
<材料>(2人分)
- ・梅シロップ 大さじ4
- ・牛乳 400ml
- ・氷 適量
- ・ミント(お好みで)
<作り方>
- グラスに梅シロップと牛乳を入れてよく混ぜる
- 氷を入れ、仕上げにお好みでミントを飾れば完成
梅シロップ作りで余った実の活用法
梅シロップを作った後に余るのが梅の果肉。そのまま食べても美味しいですが、せっかくなら余った実も上手にアレンジしたいですよね。余った梅の実を活用したレシピを2つ紹介します。
梅ジャム
梅ジャムを作っておけば、パンに塗ったり、ヨーグルトに入れたりなどさまざまな楽しみ方ができます。砂糖は使用する梅の量に対して20〜50%の量を使います。好みの甘さに合わせて調整すると良いでしょう。
<材料>
- ・梅
- ・グラニュー糖
- ※種を取り除いた梅の重さに対して20~50%の量
- ・水 適量
- ※梅の固さや水分量により調整
- ・梅シロップ
- ※梅100gにつきお玉半分位
<作り方>
- 鍋に梅を入れ、浸かるくらいの水を注いで火を着ける
- 沸騰したら火を少し弱め、梅がやわらかくなるまで煮る
(様子を見て足し水をしながら煮る) - すりこぎなどで梅を潰し、手で実をはぐようにして種を取り出す
- さらに残った実を潰して重さを計り、梅の量に見合った砂糖と梅シロップを入れる
- 4に水を適量入れて弱火〜中火の火にかけ、混ぜながら煮詰める
(水分が足りないようなら適宜水を足す) - 好みの固まり具合になったら完成
梅の甘露煮
休憩時間のおやつ、食事の箸休めとして楽しめる梅の甘味が際立つ甘露煮レシピです。砂糖は梅の重さに対して60%くらいが適量です。
<材料>
- ・梅 1kg
- ・水 梅と同量
- ・砂糖 600g
- ・塩 小さじ1/2
- ・薄口醤油 小さじ1
<作り方>
- 鍋に梅、水、砂糖を入れて、中火にかける。
- 1に塩と薄口醤油を入れる。
- 沸騰したら弱火にし、梅が崩れないように注意しながら10分ほどやわらかくなるまで煮る。
- 梅にお箸がスッと刺さるほどやわらかくなれば完成。
手作り梅シロップに起こりがちなトラブルと対処法
梅シロップを手作りすると、カビが生えたり発酵したりするトラブルが起きるケースも。原因としては以下のことが考えられます。
- ・梅の水気を取り除けていない
- ・しっかり消毒できていない
- ・保管場所が温かい
カビには毒性があるものもあるため、もしカビが生えたら処分が必要。また発酵した場合は、シロップが濁りツンとしたアルコールのような臭いを放ちます。カビや発酵の予防には、以下の対策をしっかり行うことが重要です。
- ・使う梅や保存瓶などはしっかり乾かして水気を切る
- ・保存瓶はしっかり熱処理・消毒する
- ・温度や湿度が高い場所での保存を避ける
- ・砂糖は数回に分けて入れる
- ・1日数回かき混ぜる
なお梅シロップが発酵してしまったときは、以下のように対処しましょう。
- 容器から梅を取り出し、シロップを70度くらいで加熱する
- アクを取りながら2〜3分煮て、冷やした後に容器に移す
梅シロップを作って、アレンジレシピを楽しもう
梅シロップをひとつ作れば、ドリンクからメイン料理まで幅広いメニューを作れます。炭酸水と焼酎で割っていつもの風味と違う梅酒で楽しむことも♪冷蔵なら1年間保存が効くので、長い期間梅シロップを楽しめるでしょう。ぜひ自家製の梅シロップで、さまざまなアレンジレシピに挑戦してみてはいかがでしょうか。
梅を使った大量消費レシピ!さっぱりおいしい保存食からおやつまで