寒い冬、すぐに室内を暖めてくれる暖房ですが、気になるのは電気代ですよね。しかし、暖房器具の使い方次第では効率よく部屋と体を暖められる上に、暖房費も節約できるんです。節約につながる暖房器具の使い方のコツに加え、エアコンをメインにした使い方や、暖房効率を上げるためのエアコンのお手入れ方法について解説します。
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暖房費の目安
メーカーによって多少差はありますが、主な暖房器具における暖房費は、おおよそ以下の通りです。
1時間あたり
- エアコン:暖房使用時 約3.4円~約46.5円
- 電気ストーブ:約27円
- こたつ:強-約4.3円 弱-約2.2円
また、総務署の調査によると2人以上の世帯における各月の電気代は、夏よりも冬の方が高いことが分かっています。
- 7〜9月:8,000円台〜10,000円台
- 1〜3月:11,000円台〜13,000円台
出典:総務省「用途分類:収入及び支出金額・名目増減率・実質増減率(月・四半期・年)」
冬は屋内と屋外の気温差が大きいため、室温が暖房の設定温度に達するまで時間がかかり、電気代が高くなると考えられています。
節約につながる、暖房器具の使い方のコツ
高くなりがちな冬の電気代を節約するには、暖房器具の使い方が重要です。用途に合わせて使い分けたり、複数の暖房器具を組み合わせたりなど、部屋の温度が下がらないよう工夫しましょう。
用途に合わせて暖房器具を使い分ける
電気代を節約するなら、部屋の広さや用途に合わせて暖房器具を使い分けるのがポイントです。例えば、空間の広い部屋を暖める場合はエアコン、狭い空間を暖めるならオイルヒーターやファンヒーターがおすすめ。もしピンポイントで集中的に暖めたければ、電気ストーブやカーペット・こたつなどを利用すると良いでしょう。
暖房器具を組み合わせて使う
暖房器具はそれぞれ暖め方が異なるので、その特徴を活かした使い方をすることで節約につながります。
エアコンの場合、上方向から風が出るため部屋の下側が暖まりにくく、空間全体を暖めるにはある程度の時間が必要です。部屋全体が暖まるまでは、下側を局所的に暖められるカーペットやこたつ、電気ストーブを使って体感温度を上げてみましょう。エアコンの設定温度を高くする必要がなく、節約につながりますよ。
サーキュレーター・加湿器を併用する
部屋の空気を循環させるためにサーキュレーターを使うのもおすすめです。暖かい空気は天井付近に留まり、冷たい空気は下に貯まりやすい性質があります。サーキュレーターを使えば、部屋上部に溜まった暖かい空気を部屋全体に循環させられるでしょう。
また湿度は、10%低くなると体感温度も1℃低くなると言われています。つまり、湿度を高くすると体感温度がアップするので、加湿器を併用して部屋の湿度を上げるのも効果的です。
サーキュレーターや加湿器を上手に併用すれば暖房器具の設定温度を上げずに済み、節電につながりますよ。
暖かい空気を逃がさないようにする
暖房で暖まった空気を逃がさないようにするのも大切。
冬は部屋の冷気の半分程度が窓から出入りすると言われているため、窓際の断熱がとても重要です。長めかつ厚手のカーテンや断熱カーテンを設置する、窓に断熱シートを貼る、などの対策をしましょう。窓からの冷気を遮断できると同時に、暖かい空気が外に出ていくのを防げます。
断熱シートはホームセンターなどで入手できますが、なければ緩衝材でも代用できます。
暖房費を節約するためのエアコンの使い方
エアコンをメインの暖房器具として使っている家庭も多いはず。エアコンの使い方は、暖房費に大きく影響します。以下では、暖房費が節約できるエアコンの使い方を解説します。
温度・風向・風量の設定を見直す
エアコンをメインの暖房器具として使う場合は、温度・風向・風量を今一度見直しましょう。
<温度>
温度は、環境省が推奨している20℃に設定。エアコンの設定温度を1℃下げるだけで、年間約1,650円の電気代が節約できます。
<風向>
風向は下向きに設定します。暖かい空気は上に溜まってしまうので、風向を下にして暖かい空気を部屋の下に送るのがポイントです。
<風量>
風量は自動に設定してください。節約しようと風量を弱にしていると、設定温度になるまでに時間と電気代がかかってしまいます。設定温度に到達するまでの消費電力はかなり高いので、自動運転で一気に温度を上げた方が節約には有効です。
短時間の外出ならつけっぱなしにする
電源をこまめにつけたり消したりしないのも節約のポイント。これは電源が入って運転し始める時に、かなりの電力を消費するからです。そのため短時間の外出であれば、つけっぱなしの方が節約できます。
なお、外出時間の目安は30分です。30分以内の外出ならつけっぱなしにしましょう。
定期的にエアコンをお手入れする
暖房費を節約するには、エアコンのメンテナンスも欠かせません。エアコンを長期間使用していると、汚れやほこりがどんどん溜まってしまいます。特にエアコン内部のフィルターにほこりがついて目詰まりしていると、暖房の効率が悪くなり電気代が上がる原因に。
フィルターは、2週間に1度くらいの頻度で掃除をしましょう。なお、室外機の汚れも暖房効率を悪くする原因です。エアコン本体を掃除する際は、同時に室外機のお手入れも行ってくださいね。
暖房を効率良く稼働!エアコンのお手入れ方法と手順
暖房費を節約するにはエアコンのお手入れも大切。暖房効率アップのために、フィルターだけではなく、エアコン本体・室外機とその周りもきれいにしてください。
①フィルターのほこりを取る
エアコンを掃除する際は、必ず電源を抜きます。また、フィルターを外した時にほこりが舞うのを防ぐために、周りのほこりを掃除機で吸い取っておきましょう。準備が整ったら、以下の手順で掃除を進めます。
- エアコンからフィルターを取り外し、表面についたほこりを掃除機で吸い取る。
この際、フィルターを傷つけないよう丁寧に吸い取る。 - 取り除けなかったほこりは、裏側からシャワーを当てて取る。
それでも取れない場合は、ほこりがついている反対の面から中性洗剤を溶かした水を当てて洗う。 - 水を切ってしっかり乾かす。
エアコンのフィルターのカビ・汚れ対策や一人でもできるお掃除方法を紹介
②エアコン本体を拭く
フィルターを洗って乾かしている間に、エアコン本体の掃除をすると効率的にお手入れができます。
<エアコンの表面や吹き出し口>
100円ショップで手軽に入手できる除菌シートのような使い捨てできるものを使って掃除をします。
<手の届かない細かいところ>
細かいところは、綿棒や専用の隙間ブラシなどを使って掃除をしましょう。専用の隙間ブラシがなければ、割り箸に使い捨ての掃除シートを輪ゴムで固定したものでも代用可能です。なお故障の原因になりかねないため、無理やり奥に入れないよう注意してくださいね。
<仕上げ>
カビ防止のため、最後にアルコールで拭くのがおすすめです。
③室外機と周辺を掃除する
室外機の主な汚れは土埃や落ち葉など。エアコン本体とは汚れの原因が違うため、掃除方法も異なります。
- 室外機の表面についた埃や土埃、落ち葉を取り除く。
汚れがひどければ、室外機の上から優しく水をかけて、汚れを取る。 - ドレンホース内の汚れを、歯ブラシや割り箸などを使ってかき出す。
- 仕上げ拭きをして完了。
室外機周りにたくさん物が置いてあることでも、暖房効率は悪くなります。室外機周りにある不要な物は片付けるようにしましょう。また雪が降る地域の場合、雪で室外機をふさがないよう、防雪フードなどを適宜利用するのがおすすめです。
暖房器具を上手に使い、費用を抑えながら暖かい冬を過ごそう
寒い冬を乗り越えるには、暖房器具の使用は欠かせません。気になる暖房費を抑えるには、複数の暖房器具を組み合わせて使用する他、空気を循環させたり冷気が入らないように工夫したりするのがポイントです。エアコンをメインで使用する場合は、風向・風量など使い方に気を付けるのも大切。暖房器具を上手に使って暖房費を節約し、効率的に部屋と体を暖めましょう。