1年のうち、最も太陽の光が降り注ぐ8月。年々増していく気がする暑さに、ちょっぴり気持ちもうんざりしていませんか?そんな夏こそお花のパワーを借りて、元気に乗り越えちゃいましょう。
今回は「夏らしさ」「元気が出る」「涼しさ」をテーマに、おすすめのお花と飾り方を現役フローリストがご紹介します。
MOKUJI
8月に飾りたいお花Best5
1:ひまわり
入手しやすさ ★★★★★
長持ち度 ★★★✩✩
ドライ向き ★✩✩✩✩
夏といえばひまわり!とにかく元気が出るお花
夏のお花、と聞いてたくさんの人が連想するであろうひまわり。 和名は「向日葵」、英名は「sun flower」と、まさに太陽のお花です。 太陽がそのまま花に姿を変えたかのような形は、見る人の心を明るく、元気にさせてくれますよね。 花が咲くときは、太陽の方向を向いて咲くことから、花言葉は「あなただけを見つめる」
ひまわりは種類もたくさんあって飽きない
ひまわりの形はワンパターンでずっと飾っていると飽きそう、と思われがち。
ですが、最近は品種改良によっていろいろな品種が生まれたので、夏の間でも飽きることなくひまわりを楽しむことができるんです。
赤や白、ブラウンの花を持つ、変わった色のひまわりや、
「ゴッホのひまわり」「モネのひまわり」など、画家の描いたひまわりがモチーフの品種も。
ひまわりを生ける時は水は浅めで
ひまわりの茎はやわらかく、うぶ毛が生えているのが特徴。
細菌が繁殖しやすいので、水は3~5cmほどの浅めに。こまめに水を替えることで長持ちします。
茎は角度をつけず水平に、まっすぐカットしましょう。
2:アンスリウム
入手しやすさ ★★★★✩
長持ち度 ★★★★✩
ドライ向き ★✩✩✩✩
洗練された雰囲気でブライダルでも人気
まるで作りもののような、美しい光沢を持つお花。
ハートを逆さまにした形から、花言葉は「恋に悶える心」。
光沢と、独特で洗練されたその雰囲気から、最近はブライダルでもとても人気です。
アンスリウムはトロピカルフラワーなので長持ち
アンスリウムは「トロピカルフラワー」と呼ばれる、南国育ちの花の一種です。
原産地が暑い地域なので、暑さに強く、持ちが良いので夏にぴったり。
高さを変えて2輪生けるとバランス良く生けられる独特の形を持つので、飾るときは思い切って高低差をつけるとおしゃれに飾ることができます。
他の花と組み合わせても良いですが、アンスリウムだけを飾ることで、その洗練された雰囲気をより感じることができます。
3:デルフィニウム
入手しやすさ ★★★★★
長持ち度 ★★✩✩✩
ドライ向き ★★★✩✩
爽やかさナンバーワンのデルフィニウム
じつは、青色のお花は、植物学的に非常に少ないとされているんです。
そんな数少ない青色の花の中でも、特別美しい青色を持つのがこのお花。
光に透けるような繊細な花びらは、透明感と涼しさを感じさせてくれるので、夏にぴったり。
単色でも、いろんな色を組み合わせても綺麗
カラーバリエーションは、深い青から爽やかな水色、紫や白などさまざまです。
好きな色を単色で飾ってもかわいいですが、違う色を混ぜて飾ると同系色のコントラストが楽しめるのでおすすめ。
デルフィニウムは枯れる前ならドライにもできる
デルフィニウムは枯れる前であれば、ドライフラワーにもなります。
ポイントは、できるだけ新鮮な状態でドライにするということ。
涼しいお部屋で2〜3日ほど生花を楽しんでからドライにすると、両方を楽しめます。
4:エリンジウム
入手しやすさ ★★★✩✩
長持ち度 ★★★★★
ドライ向き ★★★★★
シャープさと涼感のある見た目が人気
鋭さ・金属質を感じさせる独特なお花。
メタリックブルーのトゲトゲした見た目には、他の花にはない、潔いかっこよさがあります。
デルフィニウムとはまた違った涼やかさを感じさせてくれます。
スモーキーな色味で合わせるとおしゃれに
エリンジウムの明度の低い青色は、同じく明度の低いスモーキーな色合いともよく合います。
暗めの色のアジサイや、ユーカリなどのグリーンを合わせると、モダンでおしゃれな感じに。
エリンジウムは長持ち&綺麗にドライになる
見た目の強さのイメージどおり、花も非常に長持ち。
3~5日ほど生花で楽しんだあと、逆さまにして吊るしておくと、色を保ったまま綺麗にドライフラワーになります。
5:モカラ
入手しやすさ ★★★★✩
長持ち度 ★★★★✩
ドライ向き ★✩✩✩✩
ぷっくりした肉厚な花びらがかわいいモカラ
最後は、夏気分をぐっと上げてくれるリゾート感たっぷりのお花、モカラ。
ぷっくりとした肉厚な花びらと、鮮やかな花色が特徴です。
実際、リゾートホテルなどでもよく飾られているのを見かけます。
モカラはトロピカルフラワーなので長持ち
アンスリウムと同じく、南国育ちのトロピカルフラワー。
そのため暑さに強く、長持ちです。
水が濁りやすいので、こまめに水換え・切り戻しをしてあげましょう。
カラフルで元気が出る色合いを楽しめる
赤、ピンク、黄色、オレンジなど、はっとするような鮮やかなカラーバリエーションが特徴です。
好きな色だけで飾るもよし、同系色(黄色・オレンジなど)で複数色組み合わせるのも気分が上がるのでおすすめです。
フローリストが考える!8月の花を自宅に飾る際のポイント
①ひまわり+デルフィニウム〜夏の組み合わせおすすめNo.1
青と黄色のコントラストが印象的な組み合わせ。
どちらの美しさも際立たせてくれます。
まるで海と太陽を思わせるような、夏一番のおすすめです。
②デルフィニウム+エリンジウム〜視覚から涼しく
繊細・透明感・爽やかが特徴のデルフィニウムと、シャープな涼感を持つエリンジウム。
それぞれの涼やかさは互いを打ち消し合うことなく、際立ちながらも綺麗になじみ合います。
たくさんボリュームを出す生け方よりも、それぞれ1本ずつ空間のある生け方をすると、涼しく生けられます。
③アンスリウム+モカラ〜トロピカルに
トロピカルフラワー同士の組み合わせ。
アンスリウム:モカラ=1:2 くらいのボリュームで生けるとバランス良くまとまります。
同じくトロピカルフラワーであるクルクマや、このあと紹介するグリーンを仲間に入れてあげると、よりにぎやかな南国風に。
8月のお花に合わせたい、おすすめのグリーン
お花だけの組み合わせもかわいいですが、
グリーンを組み合わせることで、花の表情がさらに豊かに変化します。
今回ご紹介した夏のお花に合うグリーンを厳選しました。
モンステラ
切り込みの深い、大きな葉っぱが特徴のグリーン。
モンステラ単体で生けてもおしゃれになるくらいなので、1本加えるだけでお花の表情が変わります。
トロピカルフラワーとの相性が抜群。
アレカヤシ
こちらもダイナミックさが特徴のグリーン。
モンステラと同じく、1本加えるだけで雰囲気がぐっと変わります。
トロピカルフラワー、ひまわりとの相性が良いです。
ドラセナ(コンパクタ)
ドラセナの中でも小さな品種。
パイナップルの頭の部分を彷彿とさせるような葉の生え方が特徴です。
葉はバラさず、1本そのまま入れましょう。
8月のお花におすすめの花瓶
夏こそガラス素材!
涼しさを感じたい夏は、透明感を演出できるガラスベースがダントツでおすすめ。
どんなお花も爽やかに生けることができ、光にキラキラ揺れる水の美しさも楽しめます。
陶器派なら、艶っぽい白
陶器に生ける場合は、つるんとした艶のある質感が夏のお花によく合うのでおすすめ。
色は白にすると、どんな色のお花とも合います。
浅めのガラスボウルがあれば最後まで楽しめる
浅めのガラスボウルを活用すれば、「フローティングフラワー」を楽しめます。
花の部分だけを水に浮かべるだけでできちゃいますよ。
見た目が綺麗なだけでなく、お花が長持ちしにくい夏でも、最後まで花を楽しむことができる生け方です。
8月の花を飾るときに合わせたい小物
ビー玉
ガラスベースの中にビー玉を入れると、キラキラしてとても綺麗。
花の色に合わせてどんなビー玉を入れるか考えるのも、楽しみのひとつになります。
貝殻
海が好きな人は、花瓶の隣に貝殻も一緒に飾ると、雰囲気がぐっと上がるのでおすすめです。
フローティングフラワーをする時は、器の中に入れても綺麗!
ポストカード
海や緑を感じさせるポストカードを一緒に飾ることで、夏をさらに感じることができます。
お花の臨場感も高まって、さらに楽しむことができます。
暑さに負けない!お花で元気と涼やかさを取り入れて。
お花を飾ることで、見た目で元気や涼やかさをもらえるだけでなく、植物の持つマイナスイオンにもきっと癒されるはず。
お花は毎週変えることができるので、その時の気分に合わせて夏を楽しんでみてくださいね。
花と緑をこよなく愛するお花屋さん。 日々の暮らしがちょっぴりハッピーになるような、花や緑との関わり方をお届けします。
花屋WAKAflower(わかフラワー)