ハーブは、種類によって育て方が異なります。キッチンなどの室内でも、上手に育てらるものも少なくありません。成功のポイントは、日当たりが影響しない品種を選ぶこと。そこで本記事では、ハーブの基本的な育て方を押さえるとともに、室内栽培に適しているハーブの種類と育て方・収穫のコツ、ハーブを活用して美味しく食べられるおすすめレシピを紹介します。
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【基本手順】ハーブの育て方
まずは、ハーブの育て方とコツについて解説します。栽培に必要なアイテムや基本の育て方を知っておきましょう。
①ハーブ栽培に必要なアイテムを揃える
最初にハーブ栽培に必要なアイテムを揃えます。
- 苗:初心者は種ではなく苗から育てるのがおすすめ。育てやすく失敗しにくい。
- 培養土:ハーブ用や野菜用の培養土を選ぶ。そのまま使えるので配合する手間が省ける。
- 鉢、プランター:移動させて日当たりを調整できる。
- 鉢底ネット:防虫・土の流出防止・根腐れ防止に役立つ。
- 鉢底石:水はけを良くする。
- その他:ハサミ、手袋など園芸作業に使うものを用意する。
②苗をプランターに植え替える
ハーブ栽培に必要なアイテムを一通り揃えたら、苗を植え替えます。初心者はプランターよりも鉢がおすすめです。品種によって性質が違うため、ひとつの鉢に1品種だけ植えます。鉢の大きさは5~6号のものを選び、5号なら1リットルの培養土を、6号なら2リットルの培養土をそれぞれ入れましょう。詳しい手順は次のとおりです。
- 鉢の底に鉢底ネットと鉢底石を敷く。
- 培養土を、規定量の3分の1程度入れる。
- 苗を植える。ポットから取り出したら、根を崩さないように注意しながら根の周りにある土をはらう。
- 鉢の底から水が出てくるくらいの水を与えたら、植え替え完了。
③水・肥料を与える
無事植え替えが終わったら、水と肥料を与えます。土を触って水気が完全に乾いていたら、それが水やりのタイミング。プランターの底から流れ出るくらいの量をあげてください。ただし、毎日こまめに水をあげてはいけません。ハーブは乾燥を好む植物なので、水をやり過ぎると根腐れを起こす可能性があります。
苗を植えてから1週間経ったら肥料を与えます。与える目安は1~2週間に1回程度ですが、育てるハーブの種類に合わせて回数や量を調節しましょう。
【種類別】日当たりが影響しないハーブと育て方・収穫のコツ
ここでは、室内栽培に適したハーブの種類をピックアップし、種類ごとに特徴と育て方のコツを解説します。人によっては、集合住宅に住んでいるため屋外でハーブを育てられない、などのケースがあるでしょう。そんなときは日当たりが影響しないハーブの品種を選んで、室内で育てるのがおすすめですよ。
パクチー
パクチーは、初心者が育てやすいと言われるハーブのひとつです。葉は生で食べられ、葉以外にも実や根も食べられるのが特徴。肉や魚料理に使えば、臭みを消す効果を期待できます。
パクチーは日当たりを好みますが、日陰でも育つハーブです。ただし低い気温が苦手なので、気温を20度以上に保つ必要があります。また水を好むため、土を乾燥させないように注意して管理してください。
葉が20センチくらいの大きさになったら収穫時です。茎が固くなる前に、外側の葉から収穫しましょう。
チャービル
チャービルはフランス語でセルフィーユと言われ、比較的育てやすく手間がかからないハーブのひとつです。「美食家のパセリ」とも呼ばれており、甘い香りが特徴。葉には細かい切れ込みが入っています。サラダやスープ、肉・魚料理、スイーツの飾りなど、幅広い使い方ができるのが魅力的です。
チャービルは、風通しが良く適度な明るさが確保できる日陰、湿気のある土を好みます。土が乾いたらたっぷりの水を与えてください。収穫時は、5枚程度残しながら外側の葉から摘みます。なお花が咲くと収穫量が減るので、つぼみがある場合は茎ごと収穫しましょう。
ルッコラ
ルッコラは、ゴマに似た風味とほのかな辛みを楽しめるハーブです。パスタやピザにトッピングしたり、肉料理の付け合わせやおひたしにしたりと幅広く使えます。収穫量が多い場合、茹でて水気を切れば冷凍保存が可能です。
日差しが強すぎると葉の苦みが強くなったり葉が硬くなったりするため、特に夏場は日の当て方に注意してください。明るめの日陰に置く、日なたに置く時間を少なくする、など工夫しましょう。
水やりに関しては、表面の土が乾いてから適度に与えるのがポイント。多湿を苦手とするハーブなので、土やルッコラの様子を見ながら水やりをすることが大切です。
葉が10~15センチくらいまでの長さになったら、外側の葉から順に収穫します。
ペパーミント
ペパーミントは古くから薬草や薬味、香料として使われてきたハーブです。蚊やコバエが嫌う香り成分が含まれているので、虫除けとしてキッチンに置いておくと良いかもしれません。
繁殖力が非常に強いのが特徴で、地植えだと増えすぎるため、初心者は鉢植えの方がおすすめです。ペパーミントは比較的暑さ・寒さに強いハーブですが、日当たりが強すぎると葉が枯れたり萎れたりすることも。明るい日陰などが場所として適しています。
水を好むハーブのため、乾燥には注意が必要です。土の状態を気にしつつ水やりを行いましょう。また、みるみる育っていくので、こまめに収穫してくださいね。
日当たりが影響しないハーブを使ったレシピ
先に紹介した日当たりが影響しないハーブを使ったレシピを紹介します。ハーブが上手に育てられたら、さっそく料理に活用してみましょう。
パクチー好き必見「パクチーとトマトのさっぱりサラダ」
<材料>
- パクチー 3束
- トマト 2個(もしくはミニトマト200グラム程度)
- 紫玉ねぎ 1/4個
- (※)酢 小さじ2
- (※)塩 小さじ1
- (※)黒こしょう 少々
- オリーブオイル 小さじ4
<作り方>
- トマトを一口サイズにカットする。
- パクチーをざく切りにする。
- 紫玉ねぎをみじん切りにする。
- (※)の材料をよく混ぜ合わせ、オリーブオイルを加えてなじむまで和える。
- 1~3を合わせて皿に盛り、4をかけて完成。
半熟加減がポイント「チャービルとチーズのふわとろオムレツ」
<材料>
- 卵 2個
- チャービル 5本~10本(お好みで調整)
- ピザ用チーズ 20グラム
- バター 適量
- (※)牛乳 50ミリリットル
- (※)塩 少々 ケチャップ 適宜
<作り方>
- チャービルを細かく刻み、少量は飾り用に残しておく。
- 卵をボウルに割り入れ、刻んだチャービルと(※)を混ぜ合わせる。
- フライパンを中火にかけてバターを熱する。2を流し入れて菜箸で大きく円を描くように混ぜつつ加熱する。
- 半熟になってきたらピザ用チーズを中心に乗せ、卵の周りが固まってきたタイミングで火からおろす。
- 卵を折りたたみながらオムレツの形に整える
- お皿に盛ったらケチャップをかけ、飾り用のチャービルを乗せたら完成。
火を使わず作れる「ルッコラの洋風白あえ」
<材料>
- ルッコラ 50グラム
- 豆腐 半丁
- (※)塩 少々
- (※)コショウ 適量
- (※)砂糖 小さじ1
- (※)しょうゆ 小さじ1/2
- (※)オリーブオイル 適量
<作り方>
- 豆腐をキッチンペーパーなどで包んでしっかり水切りしたあと、ザルなどでこす。ブレンダーなどで混ぜても良い。
- ルッコラをざく切りにする。
- 1と(※)を混ぜ合わせ、その中に2のルッコラを入れ、絡むように混ぜれば出来上がり。
爽やかに香る「ジンジャーミントティー」
<材料>
- 紅茶のティーバッグ 2個(人数・濃さに合わせて数を調整)
- ペパーミントの葉 5枚位
- 生姜スライス 30グラム
- 熱湯 適量(人数・濃さによって量を調整)
- はちみつ 大さじ2(お好みで)
<作り方>
- 生姜をスライスする。
- ポットに紅茶のティーバッグ、ペパーミントの葉、生姜スライスを入れ、熱湯を注ぐ。
- 約3分待ち、カップに注ぐ。はちみつを加えて完成。
室内でハーブを育てる際に必要な虫対策
最後に、虫を寄せつけづらくなる対策について解説します。室内でのハーブ栽培では、屋外に比べると虫がつく心配は比較的少ないです。しかし、それでもついてしまうケースがあるので注意しておいた方が良いでしょう。
受け皿に溜まる水をこまめに捨てる
プランターや鉢の下に敷く受け皿の水はこまめに捨てましょう。害虫は湿気や水垢を好むので、寄ってきたり繁殖したりする可能性があります。
無機質の土や化成肥料を使う
通気性・保水性に優れている赤玉土などの無機質の土や、コバエが好きなものが入っていない無機質な化成肥料を使いましょう。有機肥料には虫を寄せつける成分が入っているため、害虫がつく原因になる可能性があります。しかし、無機質な化成肥料であればコバエの発生・繁殖などの予防が可能です。
こまめに収穫・間引きをして風通しを良くする
こまめに収穫したり間引いたりして、風通しを良くしましょう。葉が増えてプランターの中が混み合うと、風通しが悪くなり虫が繁殖しやすくなります。
日当たりが影響しないハーブや育て方を知り、美味しく活用しよう
室内でのハーブ栽培は、室内の日当たりに適した品種を選び、育て方のポイントを把握しておけば、決して難しくはありません。自分で収穫したハーブは一段と美味しく感じられるはず。楽しみながらいろいろなハーブを育てて、普段の料理に活用してくださいね。
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