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Aug 25, 2022

秋の入り口におすすめの9月のお花と飾り方|くらしの花図鑑

コスモス

秋の始まりを感じる9月。花もがらっと入れ替わります。
まだまだ残暑の厳しい時期ですが、お花屋さんのラインナップはがらっと切り替わり、秋が訪れます。
そこには夏のお花とは全く印象の異なるお花がたくさん。
せっかくなので、少しずつ訪れる秋を、花とともに迎えてみてはいかがでしょう。
今回は、そんな秋の始まりを楽しめるお花と、おすすめの飾り方をご紹介します。

 

9月に飾りたいお花Best5

1:マム(菊)

マム(菊)

 

入手しやすさ ★★★★★
長持ち度   ★★★★★
ドライ向き  ★✩✩✩✩

9/9は菊(重陽)の節句

9/9は、五節句のうちのひとつ、「重陽の節句」という日があります。
今では馴染みの薄い行事ですが、とても縁起の良い日。
邪気を払い長寿の効能があると言われている菊(マム)を飾って楽しむことから、「菊の節句」とも言われています。

 

おしゃれな品種増えてます

菊(マム)=仏花のイメージがあるかもしれませんが、年々、品種改良によってとてもおしゃれなマムが増えています。
色だけでなく咲き方も様々で、一目見ただけでは菊と気づかないような、ときめく品種がたくさん。(ex.アナスタシア、ロマンティックガール、ピンポンマム…)
飾るときは同系色よりも、思い切って違う色・品種同士で生けることで、モダンに生けられます。

 

マム(菊)はとても長持ち!

仏花で重宝されるくらいなので、とても長持ちなのが特徴。
茎は切るよりも折る方が水揚げが良くなります。
葉っぱもたくさんついていますが、全て取る方が花持ちも見栄えも良くなりますよ。

2:ダリア

ダリア

 

入手しやすさ ★★★★★
長持ち度   ★★★✩✩
ドライ向き  ★✩✩✩✩

秋こそダリア!秋の主役

秋の花といえば、やっぱりダリア。鮮やかな色合い、大きくて豪華な花姿は、唯一無二の美しさです。
出回りは9月〜春頃までと長いですが、最も品種が豊富なのが秋。
洋花ですが、和風のお花にも合うので、和花の多い秋は楽しみ方が無限大です。

 

一輪で抜群の存在感

直径は小さなもので10cm、大きなものになると15cm以上にもなる大きな花は、一輪で飾るだけで存在感抜群。
同じ種類を3輪ほど、高低差をつけて生けるとさらに豪華さが増します。

3:ケイトウ

くすみカラーのケイトウ

 

入手しやすさ ★★★★✩
長持ち度   ★★★✩✩
ドライ向き  ★★★★✩

秋ならではの個性的な見た目

和名は「鶏頭」、英名は「Cookscomb Woolflower」と、見た目が鶏のトサカに似ていることからつけらています。
他のお花では類を見ない、ベルベットのような毛の質感と鮮やかな色合いがとっても個性的。
その花姿から「おしゃれ」「風変わりな」という花言葉がつけられました。

 

ドライフラワーにもなる

新鮮なうちに吊るしておけば、鮮やかな色合いそのままのドライフラワーになります。
なるべく乾燥した場所で吊るすのがおすすめ。

 

水は浅め、霧吹きNG!

茎がとても柔らかいので、水は浅めで。切り戻しもこまめにしてあげましょう。
花の部分は毛が生えていて蒸れやすく、蒸れるとカビが生えてしまうので、濡れないように注意。

4:コスモス

コスモス

 

入手しやすさ ★★★✩✩
長持ち度   ★★★✩✩
ドライ向き  ★✩✩✩✩

9/14はコスモスの日

ホワイトデーのちょうど半年後に、その時期一番美しいコスモスの花を贈りあって、気持ちを確かめ合う日とされています。

 

独特のピンク

「秋桜」と書いてコスモス、と読むほど、秋の代表的なお花。
コスモスの独特のピンクは、春を象徴する桜のピンクとはまた違った味わい深さを見せてくれます。

 

コスモスだけをたくさん飾るとかわいい

生けるときは、まずはコスモスだけを飾るのがおすすめ。
花の高さは敢えて揃えず、お花の自然な動きを楽しみましょう。
風に揺られるような繊細な花姿に癒されますよ。

5:リンドウ

リンドウ

 

入手しやすさ ★★★★✩
長持ち度   ★★★★✩
ドライ向き  ★★★✩✩

和の情緒溢れる、深い青/紫の花

こちらも菊同様、古くから日本で親しまれているお花。和花のひとつです。
吸い込まれるような深い青/紫が印象的で、和花生けにはなくてはならない存在。

 

敬老の日のプレゼントに

「正義」「勝利」という花言葉や、根っこが生薬として使われていたことから、
「病に打ち勝つ」という願いを込められ、敬老の日に重宝されています。
接客していても、リンドウの味わい深さは特に高齢の方にご好評だなと実感します。

 

綺麗に見せる切り分け方のコツ

リンドウは、長い茎に段咲きになっているお花。
長い花瓶ではそのまま生けられますが、短い花瓶に生ける時は、切り分ける必要があります。
コツは、花の真上よりも少し内側にハサミを入れて切ること。
茎の切り口が花で隠れて、綺麗な見栄えになります。

フローリストが考える自宅に飾る際のポイント

①マム+ダリア 〜和洋折衷で華やかに生ける

洋花にも合うマムと、和花にも馴染むダリアを組み合わせれば、自然で美しい和洋折衷を楽しむことができます。
ポイントは、短めにボリュームよく生けること。
1本のダリアを主役に、引き立てるような色合いのマムを複数本合わせるとバランス良くなります。(マムの咲き方はなんでもOK)
後述するグリーンを足すことで、さらに綺麗にまとまります。

②マム+リンドウ 〜お月見も花とともに!

黄色のピンポンマムとリンドウを組み合わせると、秋の夜空に浮かぶ月をイメージした花生けができます。
アクセントとして、ススキを合わせてあげるとさらに雰囲気が出るのでおすすめです。

③ピンクのケイトウ+コスモス

単体で生けても十分かわいいケイトウとコスモスですが、同系色を組み合わせることでよりかわいく生けられます。
ふんわり生けたコスモスに、ピンクのケイトウをアクセントとして2~3本足すだけ。
ケイトウは、ウモウケイトウ・ノゲイトウがおすすめです。

9月のお花に合わせたい、おすすめのグリーン

秋のお花には、「明度の低い色味」「毛の質感」「穀物」の要素を持つグリーンを加えることで、秋らしさをより演出することができます。

ススキ

ススキと一緒に飾る秋の花

 

お月見でお馴染みのススキですが、「毛の質感」の要素もあって、秋のお花全般に合います。
形を生かして、他の花よりも少し高さを出して生けるとバランス良くなります。

紅葉ベビーハンズ(キイチゴ)

ベビーハンズ紅葉(木苺)

 

一年を通して出回りの多いグリーンですが、秋は紅葉した品種が出回ります。(明度の低い色味)
赤ちゃんが手を広げたような形の葉はかわいらしく、どんな花とも相性ばっちり。
先述したマム&ダリアの組み合わせでも活躍してくれます。

アワ(粟)

粟

 

「穀物」の要素を加えてくれるグリーン。
夏にも重宝される花材ですが、秋のお花にも合います。
花のボリュームに合わせて、1~2本組み込むのがおすすめ。

おすすめの花瓶

焼き物が一押し!

出典:楽天

 

夏と打って変わっておすすめしたいのが焼き物。マットな質感や、ざらっとした洗い質感の陶器は、特に和花との相性が抜群。形も様々なので、お気に入りのひと瓶を見つけて様々な花生けを楽しむと、愛着も深まります。

 

 

 

木製の花器も風情が出ておすすめ

 

 

陶器とはまた違った風情を演出してくれるのが、木の素材の花瓶ナチュラルでやさしい印象が、心をホッとさせてくれます。秋は全面が木製の花瓶の方が、お花の重厚感に負けないのでおすすめです。

 

 

 

 

食器を活用すると違った表情が見られる

 

カップに行けた花

 

ちょっと試してみてほしいのが、食器を活用した生け方。茶碗や湯呑みにお花を生けることで、花も器もいつもと違った味わいが生まれます。少し深めの平皿に水を張り、小ぶりの花を2~3輪生けるのもかわいいですよ。(ふちに花首を置き、寝かせるようにして生けるとうまく生けられます)

 

 

合わせたい行事食・小物

秋の花の飾り方

重陽の節句で栗ご飯

重陽の節句には、栗ご飯を食べる習わしがあります。テーブルに菊を生けて、栗ごはんを頂きながら、家族の健康と不老長寿を願いましょう。

 

中秋の名月は月見だんごと

一年で最も月が美しく見える中秋の名月。(2023年は、9月29日(金)です。)
月見団子と、おすすめの組み合わせ②で紹介したお花は相性ばっちり。大きめの花瓶にススキだけをボリューム良く生けるのも、雰囲気が出るのでおすすめです。「花より団子」と良く言いますが、せっかくなので「花も団子も」欲張りに楽しんじゃいましょう。

今年のお月見は美しい花とともに。中秋の名月にちなんだ花飾り|くらしの花図鑑

 

読書の秋。この秋に読みたい本を添えて

棚に花を飾るとき、本との相性ってすごく良いんです。この秋は、読みたい本やお気に入りの本とお花を一緒に飾ってみてください。普段なかなか本を読めない方も、花の手入れのついでに本を手に取ることで、いつもより読書の秋を楽しめるかも。

山本幸久著「花屋さんが言うことには」(ポプラ社)では、今回ご紹介した菊(マム)についてのお話もあるので、お花が好きな方・気になった方は、ぜひこの秋の一冊に読んでみてくださいね。

 

出典:楽天BOOKs

 

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花にまつわる行事とともに、季節の移り変わりを楽しんで。

 

9月は、重陽の節句、コスモスの日、中秋の名月など、花に関係の深い行事が多くあります。
忙しいとなかなか感じることができない季節の移ろいを、行事を利用し、花を生けることで存分に味わってみてくださいね。

花と緑をこよなく愛するお花屋さん。 日々の暮らしがちょっぴりハッピーになるような、花や緑との関わり方をお届けします。

花屋WAKAflower(わかフラワー)