食品を保存する際に使用するラップ。すぐに捨ててしまうのはもったいなく不経済だなと感じていませんか。この記事では手作りでき、再利用が可能な蜜蝋ラップの作り方や使用方法を紹介します。手作りの蜜蝋ラップを取り入れて、より豊かでエコな生活を意識してみてはいかがでしょうか。
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蜜蝋ラップとは
蜜蝋ラップとは、ミツバチが巣を作る時に分泌される「蜜蝋(みつろう)」や植物性オイル・天然樹脂を布にコーティングしたものです。蜜蝋ラップは手の温度によってラップが柔らかくし、食器や食品に密着させて使用します。健康への影響やプラスチック製品の環境への負荷を減らすために、最近注目されているのです。
蜜蝋ラップのメリット
蜜蝋ラップのメリットを3つ紹介します。
蜜蝋ラップのメリット①食品を新鮮に保存できる
蜜蝋ラップはプラスチックのラップよりも通気性や保水性が高いため、食品を新鮮な状態で保存できます。また、蜜蝋や植物性オイルには抗菌作用もあるため、お弁当など食品の持ち運びにも利用可能です。
蜜蝋ラップのメリット②繰り返し使える
蜜蝋ラップは使った後に水洗いをして自然乾燥させれば、1~2年ほど繰り返し使うことができます。プラスチックのラップを使う頻度を抑えて、キッチンから出るプラスチックゴミを減らすことができます。
蜜蝋ラップのメリット③好きなデザイン・色の布で作ることができる
蜜蝋ラップを手作りすればお気に入りのデザインや色の布を使って、オリジナルの蜜蝋ラップを作ることが可能です。また市販の蜜蝋ラップにも様々なデザインの布を使ったものが多く、お好みの柄を選ぶことができます。
蜜蝋ラップの使用例
蜜蝋ラップを具体的にどのようなシーンで使用するのか例を紹介します。
蜜蝋ラップの使用例①野菜や果物の保存
使いかけの野菜や果物を蜜蝋ラップで包んでみましょう。体温で蜜蝋を溶かし、手で圧力をかけて密着させる蜜蝋ラップで包めば、野菜や果物に密着します。そのほか、ピクニックやキャンプなどで屋外に野菜や果物を持って行くときも蜜蝋ラップをそのまま野菜や果物を乗せるお皿として使うことができます。
蜜蝋ラップの使用例②お弁当のラッピング
蜜蝋ラップをサンドイッチやおにぎりを包むのにも使えます。蜜蝋ラップは保水性が高いため乾燥しづらく、鮮度を保ちやすいです。中身に合わせて蜜蝋ラップのデザインを変えれば、毎日のお弁当がより楽しくなるでしょう。
蜜蝋ラップの作り方
実際に蜜蝋ラップを作るための材料や作り方を紹介します。
蜜蝋ラップの材料・道具
【材料・道具】
- ・布(綿や麻がおすすめ)
- ・蜜蝋
- ・クッキングシート
- ・新聞紙
- ・アイロン
- ・アイロンマット
- ・ピンキングハサミ
蜜蝋ラップの作り方手順
- 布の端をピンキングハサミで切り、ほつれないようにしておく
- アイロンマットの上に新聞紙を敷き、その上に布より一回り大きいサイズのクッキングシートを乗せる
- アイロンでしわをとった布を乗せる
- 布の上にまんべんなく蜜蝋を乗せる
- さらにクッキングシートをもう1枚乗せる
- 低温(80~120度)のアイロンで蜜蝋を全体に伸ばす
- 上のクッキングシートを外し、完全に冷めるまで放置する
- 下のクッキングシートも外して完成
蜜蝋は10cm×10cmで約3g使います。作りたい蜜蝋ラップの大きさに合わせて準備しましょう。小さな粒状の蜜蝋は使いやすく、おすすめです。
蜜蝋ラップを使用する際の注意点
蜜蝋ラップを使用する時の注意点を4つ紹介します。今まで使っていたプラスチックのラップを全て蜜蝋ラップに代用するのは難しいため、プラスチックのラップの使用量を減らしたり、繰り返し洗って使えるシリコンのラップと併用をおすすめします。
蜜蝋ラップ使用時の注意点①生肉や生魚には使用しない
蜜蝋ラップは生肉や生魚には使用できません。水洗いだけできれいにするのが難しい、油が多い食品なども使用を避けましょう。蜜蝋ラップは熱に弱いため、お湯で洗うことができません。
蜜蝋ラップ使用時の注意点②電子レンジには使用しない
蜜蝋ラップを付けたまま電子レンジを使用することはできません。蜜蝋ラップは熱に弱いため、電子レンジで加熱すると蜜蝋や植物性オイルが溶けてしまうからです。そのほか温かい食材を包む時にも蜜蝋の溶け出しが懸念されますので、食材が冷めてから蜜蝋ラップを使いましょう。
蜜蝋ラップ使用時の注意点③酸性の食品や物には使用しない
レモンやお酢などの酸性の食品を包むのにも蜜蝋ラップは向いていません。酸性の食品と蜜蝋ラップが触れると、蜜蝋が溶け出してしまうからです。酸性の食材を容器などに入れて直接蜜蝋ラップに触れずに、蓋の代わりに蜜蝋ラップを使うのであれば大丈夫です。
蜜蝋ラップ使用時の注意点④1歳未満の子供が使用するもの・食品には使用しない
蜜蝋ラップは1歳未満の子供が使用するものや食べる物には使用してはいけません。蜜蝋はハチの巣を遠心分離機にかけて残った巣の部分であるため、ボツリヌス菌によるアレルギーを起こす可能性があります。また、はちみつにアレルギーを起こす方も蜜蝋ラップの使用は避けましょう。
へたってきた蜜蝋ラップを復活させる方法
蜜蝋ラップは繰り返し水洗いをして使うことができますが、どうしてもシワができたり濃い色が移ったりしてしまいます。経年劣化した蜜蝋ラップは補修してより長く使うこともできます。
蜜蝋ラップの補修方法は、蜜蝋ラップを作る時と同様にアイロンで表面の蜜蝋を溶かして全体に広げることです。蜜蝋が一部取れてしまった所がある場合は、隙間を埋めるようにアイロンをかけましょう。何度か繰り返し行い表面の蜜蝋が減ってきた場合は、追加で蜜蝋を広げてもよいでしょう。
蜜蝋ラップの布自体が汚れて補修してもきれいにならなくなってきたら、捨て時です。蜜蝋ラップに使う布の素材によっては土に還るため、刻んでコンポストに入れて肥料にすることもできます。そのほか、着火剤としても使えるため、BBQや焚火に使うと有効活用できるでしょう。
オリジナルの蜜蝋ラップを作ってみよう
蜜蝋ラップはプラスチックごみを減らし、繰り返し使うことができるラップとして注目を集めています。市販品もありますが、今回ご紹介したように好きな布と蜜蝋を使って簡単に手作りすることもできます。加熱や汚れが落ちにくい食材などの使用に気を付ければ、とても便利なアイテムです。少しでも地球に優しい蜜蝋ラップを使って、エコな生活に取り組んでみてはいかがでしょうか。