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Jun 14, 2021

お店じゃ味わえない魅力♪10分で完成のカンタン家飲みおつまみレシピ

長引くコロナ禍の影響もあり「家飲み」「宅飲み」と呼ばれる、おうちにいながらまったりお酒を楽しむ時間を楽しむ人が増えています。後片付けはちょっぴり面倒臭いけれど、終電を気にすることなく、所持金を気にすることなく、気心の知れたパートナーや家族と飲むお酒は格別なものですよね。
でも、つい同じようなおつまみばかりになってしまったり、惰性で飲んでしまったりしてしまうことも。そこで 今回は、そんな「家飲み」のマンネリを覆すヒケツと簡単&時短で美味しいレシピを、料理家の平野由希子さんに教えてもらいました。

平野由希子さんプロフィール

料理家・フード&ワインプロデューサー。日本ソムリエ協会認定ソムリエ。2015年フランス農事功労賞シュヴァリエを叙勲。書籍・雑誌・広告の料理レシピ制作をはじめ、商品開発・ワインプロデュース・飲食店プロデュースなど多岐にわたって活躍。ル・クルーゼ活用術やフレンチ・おつまみレシピなど著書多数。公式サイト

 

平野由希子さんが考える「家飲み」の魅力

プロが作ってくれた美味しい料理を楽しむ「外飲み」ももちろん楽しいですが、家飲みには家飲みの魅力があふれています。平野さんは、家飲みにどのような魅力を感じているのでしょうか。

 

「いちばんの魅力は、旬の味や好きなものを思うように料理して食べることができる、ということでしょう。

例えば――今の季節であれば、春野菜。手をかけて作られたお料理も美味しいものですが、家庭で、ごくシンプルに素材を生かした味付けしたものが、逆にとっても美味しかったりしますよね。

自粛生活で料理づくりに疲れた、なんてときは季節の野菜を追いかけてみるといいかもしれません。

今日は菜の花、明日はタケノコ、春キャベツにアスパラ菜にと、さまざまな旬の味を食卓に並べるだけで、おうちの食卓がぐっと華やかになりますよ」

家飲みを楽しむヒケツ

自宅でできる分、身近なお酒である家飲み。

おつまみ以外にも、お酒や演出など、もっと楽しむためのコツはなんなのでしょうか?

おつまみ

「先ほども言いましたが、旬を追いかけると楽しいと思います。あとは、あまり気負うことなく、チーズ&ワインとかで済ませちゃうのも家飲みなら全然あり。

海外での経験ですが、家飲みにお呼ばれして出掛けたら、おつまみにオリーブや生ハムくらいが一般的。でも、家飲みはそれでいいんです!

日本人はつい、あれこれと頑張り過ぎてしまう傾向にあります。頑張らず気負わず、何げない日常を楽しむくらいの感じが、家飲みにはちょうどいいと思います」

お酒選び

当たり前のことではありますが、家飲みはどんなお酒を選んでもいいと思います。

その日食べたい料理を考えて、例えば後ほどご紹介するラムチョップがメインであれば赤ワインを用意したり、アサリの蒸し物を添えるなら白ワインや日本酒を添えてみたり、シャンパンをシメにいただくのもオツなものです。

また、お料理とお酒のペアリングが上手くいくと、相乗効果で美味しさが引き立ちます!1+1=2ではなく、1+1=3以上になる。こうした組み合わせを探す楽しみも、ぜひ味わってみてください。お店ではできないお酒の飲み方を味わうこと。これもまた家飲みの魅力です」

食器・酒器

「私は器からお料理を考えることもあるのですが、自分が気に入っている食器を使うことで、家飲みを少しだけ上質な時間にすることができるのでは?と思います。普段は使っていない戸棚の奥にしまっている食器を出してみたり、おもてなし用のグラスを使ってみたり。

いつもとは違う雰囲気をプラスすると、きっと家飲みが特別なものになりますよ」

その他あれこれ

「調理器具についても自分が気に入ったものをそろえると気分が高まります。良い道具を使うと、それだけで料理の腕が上がりますし、気に入った色・形・素材の調理器具は、並べてあるだけでもモチベーションが上がります。

せっかくの家飲みですから、お気に入りに囲まれてワクワクした気持ちで楽しみましょう」

平野由希子さん直伝!10分で完成のカンタン家飲みおつまみレシピ

くらマグ読者に平野さんがこっそり教える、カンタン&美味しい家飲みレシピをご紹介!

どれも10分で完成なので、お仕事や家事の後にササっと作ってご褒美家飲みタイムを満喫しましょう。

素材の味をシンプルに「菜の花のミモレットがけ」

【材料(2人分)】

菜の花:1束

オリーブオイル:大さじ1

にんにく:1/2かけ

塩:少々

ミモレット:適量

【作り方】

①菜の花は水につけてしゃっきりとさせ、軸とつぼみの部分を分けるように、半分の長さに切る

②鍋に水大さじ2~3とオリーブオイル・つぶしたにんにく・塩少々を入れる

③菜の花の軸を並べ、その上につぼみ部分をのせてふたをして中火にかける

④3~5分を目安に蒸す(5分は長めだけど、柔らかめの菜の花もまた美味しい)。途中で23回、上下を返す

⑤器に盛り付けたら、オリーブオイル(分量外)を少量回しかける。アツアツのうちにミモレットをすりおろしてふりかけたら完成

 

「特有のほろ苦さが適度に残る、菜の花をいちばん美味しく食べる調理法だと自負しているのがこちら。

ちんげん菜やアスパラ菜、かき菜など、いろいろな菜花に応用できます。少し柔らかめに火を通すと甘味が感じられてオススメ。パスタに応用してもいいし、薄切りにしたバゲットに載せてタルティーヌにしてもいいですよ。

ミモレットは深い旨味があり、日本酒によく合います。ぜひお好みのお酒を用意して楽しんでみてください」

見た目もかわいいフルーツおつまみ「いちごとミニトマトのバルサミコマリネ」

【材料(2人分)】

いちご:10

ミニトマト:5

フレッシュタイプのチーズ:40g(リコッタチーズ、マスカルポーネ、クリームチーズなど)

バルサミコ酢:大さじ1

はちみつ:小さじ1~2

オリーブオイル:大さじ1

黒こしょう:適量

ミント:少々

【作り方】

①いちごは大きいものは4等分、小粒は2等分にする。ミニトマトは半割りに

②ボウルにバルサミコ酢とはちみつ、オリーブオイルを加えて混ぜる

③ ②にいちごとトマトを加えて混ぜる

④器によそい、チーズ・千切りにしたミント・黒こしょうを粗く挽いて散らしたら完成

 

「バルサミコ酢は、できれば熟成したものを使ってください。まだ若いバルサミコ酢を使う場合は、はちみつの量を増やして甘みを足すか、半量程度になるまで煮詰めてから使うと味わい深くなります。

ミントは軽く香る程度の少なめが美味しいので、入れすぎないようにしましょう。

チーズは、今回はリコッタチーズを使っていますが、マスカルポーネやカッテージチーズなどもよく合います。お好みのチーズを選んで添えてください」

春の味覚が生き生き!「あさりとグリンピースのワイン蒸し」

【材料(2人分)】

あさり:200g(砂抜きしたもの)

グリンピース:100g(さやからむいて) 

タイム:1~2枝

にんにく:1/2かけ

白ワイン:大さじ3

オリーブオイル:大さじ1

バター:大さじ1

こしょう:適量

【作り方】

①鍋にオリーブオイルとにんにくを入れて熱する

②香りが出てきたら、あさりとグリンピースを入れて炒め合わせ、白ワインとタイムを加える

③ふたをし、あさりの口が開くまで中火で煮る

④仕上げにバターを加え、こしょう少々

⑤グリンピースとともに盛り付けて完成

 

「簡単なのに手抜きは一切ナシ!なレシピです。

春はあさりもグリンピースも旬。旬なものは手間暇をかけなくても美味しいので、ぜひご家庭で試してください。もちろん、あさりの代わりにハマグリを使ったり、グリンピースの代わりに菜の花など他の野菜を使ってもOK

あれこれアレンジして、好みの味を探してみるのも楽しいと思います」

クミンの香りがお酒を引き立てる「仔羊のスパイス焼き」

【材料(2人分)】

ラムチョップ:4

にんにく:1かけ

塩:小さじ2/3

クミンシード:小さじ1

黒こしょう:適量

オリーブオイル:大さじ1

クレソン:適量

【作り方】

①ラムチョップの両面に塩・クミン・黒こしょうをまぶす。にんにくは半分に切ってつぶす

②フライパンにオリーブオイルとにんにくを熱し、ラムチョップの背の脂の部分から中火で焼き始める

③脂の部分がしっかりと焼けたら弱めの中火にし、各面1分ずつくらいを目安に好みの加減に焼き上げる

④器に盛り、クレソンを添えたら完成

 

「背の部分をきっちり焼いてあげると、とても香ばしく、ラム肉特有の香りが気にならなくなります。

ラムチョップといえばローズマリーが定番ですが、今回はカレーによく使われるスパイス『クミン』を使いました。辛味がなく上品な香りで、お酒の邪魔をしないのがクミンの魅力。

フライパンの空いているところで、一緒にアスパラガスなどを焼いて、お肉に添えても美味しいですよ」

おわりに

10分レシピだからといって、必ず時間内で作らなければならないことはありません。お料理することがストレスにならないよう、マイペースを保ち、楽しみながら作ってみてください」と平野さん。

 

せっかくの家飲み。自分流の楽しみ方で、頑張りすぎることなく、家族や大切な人たちと和気あいあいと過ごす、贅沢時間を味わってみましょう。

 

 

Photo_Ikki Fukuda Interview & Text_Megumi Waguri Edit_Yasushi Shinohara