日々のティータイムに欠かせない「紅茶」。親しい人からプレゼントしてもらったり、自分へのご褒美として購入したりと、私たちの生活に豊かな時間をもたらしてくれます。
そんな紅茶ですが、実は健康効果がとても高く、過去には万能薬ともいわれていたのだとか。
この記事では、紅茶が持つ効果・効能や成分、上手な飲み方について紹介します。
MOKUJI
紅茶の基礎知識・成分
紅茶はとても身近な飲み物ですが、どんな風に作られているのか知らない人も多いのではないでしょうか?まずは紅茶の製法や成分を知り、紅茶への理解を深めましょう。
紅茶は植物の葉を発酵して作られる
紅茶は、カメリア・シネンシスというツバキ科の植物の葉を発酵し、作られています。
紅茶というとイギリスのイメージがありますが、実は発祥は中国。ウーロン茶系のお茶を製造していた業者が、ヨーロッパ人の嗜好に合わせて発酵を進めた結果、現在の紅茶が誕生したといわれています。
なお、同じく中国発祥のお茶としては、緑茶やウーロン茶がありますが、実はこの2つのお茶は、紅茶と同じカメリア・シネンシスから作られたもの。違いは「茶葉の発酵度合い」にあり、茶葉を全く発酵させていないものは緑茶、半発酵の状態のものはウーロン茶になります。同じ植物の葉を使っているのに、加工の違いによってまったく違う風味が出るのは、お茶ならではの魅力といえるでしょう。
紅茶に含まれる主な成分は「タンニン、カフェイン、テアニン」
紅茶の代表的な成分としては、「タンニン、カフェイン、テアニン」の3種類が挙げられます。
タンニンは渋みの一種で、カテキンやポリフェノールなど健康効果が高い成分を含んでいます。紅茶の約1~2割はこのタンニンであり、抗がん性や抗酸化性、抗菌性を持っているのが特徴です。
また、コーヒーのイメージが強いカフェインはアルカロイド系の成分で、脳や筋肉を興奮させる作用があります。そのほか、疲労回復、皮下脂肪の燃焼、新陳代謝の促進、覚醒を促す働きもあり、幅広い健康効果が期待できるでしょう。
テアニンはアミノ酸の一種で、うまみと甘味を引き出す成分です。神経伝達物質であるドーパミンやセロトニンの濃度を変える働きがあり、血圧の上昇を抑えたり、ストレスを和らげたりと、脳・神経機能の調整にも一役買っています。
紅茶がもたらす効果・効能5選
その健康効果の幅広さから、世界中で「万能薬」として重宝されてきた紅茶。もちろん、医薬品ではないので、病気や体調不調を確実に治してくれるわけではありません。
しかし、紅茶の効能は科学的にも証明されていて、現在も健康効果に関するさまざまな研究が行われています。ここでは、そんな紅茶がもたらす主な効果・効能について紹介します。
免疫力の向上
紅茶に含まれるカテキンやポリフェノールには、体内に侵入した細菌やウイルスを排除する働きがあり、インフルエンザや風邪予防に効果的です。「緑茶によるうがいは喉の殺菌ができる」といわれていますが、紅茶によるうがいも同じ効果があります。
また、体温が1℃上がると、免疫力は最大5~6倍もアップするといわれています。温かい紅茶を日常的に飲むことで、病気になりにくい体作りができるでしょう。
血糖値のコントロール
紅茶には、酵素の活動を抑え血糖値の上昇を防ぐ作用もあります。パンやごはんなどの炭水化物を食べると、分解の過程で血糖値が急激に上昇し、高血圧や糖尿病のリスクが高まるといわれています。食事と一緒に1杯の紅茶を飲めば、糖の吸収がゆるやかになり、成分病のリスクを抑えることにつながるでしょう。
脂肪吸収を抑える
紅茶特有の成分「テアフラビン」は、脂質の分解を助ける酵素を阻害し、脂肪の消化・吸収を抑えてくれます。つまり、脂っこいものを食べるときに紅茶を一緒に飲めば、脂肪の吸収が通常よりも抑えられ、吹き出物の予防や体型維持ができるというわけですね。適量を守って飲むことで、ダイエットやメタボ対策にも効果が期待できます。
アンチエイジング効果
年齢とともに新陳代謝がゆるやかになると、体内の老廃物を出しにくくなるもの。紅茶には新陳代謝を促すカフェインと、デトックスに役立つカリウムも含まれています。
また、老化原因のひとつである「活性酸素」を取り除く抗酸化作用があるので、体内のこげつきを防ぎ、お肌のアンチエイジング効果も期待できます。
リラクゼーション効果
紅茶に含まれるテアニンと香り成分には、リラックス効果があります。就寝前に紅茶を飲めば、副交感神経が優位に働き、気持ちよく眠りにつくことができるでしょう。
「紅茶にはカフェインが入っているから、目がさえて寝られなくならない?」と心配になるかもしれませんが、大丈夫です!確かにカフェインには覚醒作用がありますが、疲労回復やストレス軽減などの効果も併せ持っているので、適度な摂取であれば問題なし。就寝前に温かい紅茶を1杯飲むことで、かえって気分が落ち着き、入眠効果が高くなります。
効能アップにも!紅茶の上手な飲み方3つ
せっかく紅茶を飲むなら、最高においしい状態で作りたいですよね。
ティーバッグタイプとリーフティータイプの2種類がありますが、どちらもおいしい入れ方に違いはありません。
ここでは、紅茶を上手に淹れる方法と飲み方について解説します。
紅茶は種類で味がこんなに変わる? ホッと一息におすすめのマリアージュも紹介
沸騰したてのお湯で淹れる
紅茶を淹れる時は、沸騰したて100℃程度のお湯を使いましょう。ぬるかったり、沸騰しすぎたりすると、紅茶の香気成分が十分出ず、せっかくの香りを楽しめません。汲みたての水を火にかけ、5円玉くらいの泡が出るまで、じっくり沸かしてくださいね。
高い位置からお湯を注ぐ
お湯はできるだけ高い位置から、勢いよく注ぎます。高い位置から注ぐことで、酸素に絡んだ茶葉が上下運動(ジャンピング)を起こし、紅茶の成分がしっかり抽出されます。
なお、「ベスト・ドロップ」と呼ばれる最後の一滴は味が凝縮しているので、入れると紅茶の味が引き締まります。
最後の一滴まで残さず注ぎ終わったら、ソーサーなどでフタをして茶葉を蒸らしましょう。蒸らし時間は、細かい茶葉で2分半~3分、大きい茶葉で3~4分が目安。温度はできるだけ下げないのが、おいしい紅茶を淹れるポイントです。
いろんな飲み方を楽しむ
紅茶は飲み方の種類が豊富なところも、魅力のひとつ。ミルクティーやレモンティー、チャイやロシアンティーなど、さまざまな飲み方があります。飲み方によって美味しく淹れるコツや健康効果が変わるので、ぜひストレート以外も試してみてくださいね。
ちなみに、ミルクティーはタンパク質やカルシウムを補うのに効果的な飲み方です。ミルクをたっぷり入れれば、紅茶のミルクの温効果でホッとリラックスできますよ。
爽やかなレモンの香りとさっぱりした味が飲みやすいレモンティーは、ビタミンCの補給にぴったりです。レモンを加えると抗ウイルス活性や美肌効果が高まるので、季節を問わず飲みたい紅茶といえますね。
紅茶に合うお菓子と組み合わせることでマリアージュを楽しむのもおすすめです。
おわりに
かつて万能薬とも呼ばれた紅茶は、女性にとって嬉しい効果がたくさんあります。
紅茶を淹れるひとときは、自分の心と体に向き合い、毎日を丁寧に過ごせる大切な時間。ひとりの時間を楽しむとき、集中して何かに取り組むときなど、さまざまな場面に紅茶を取り入れることで、紅茶の効果を感じやすくなるでしょう。
ただし、いくら良いといっても過剰摂取は禁物です。一度にたくさん飲むのではなく、継続して飲むことが大切なことを忘れないでくださいね。
ぜひこの機会に、奥深い紅茶の世界を楽しんでみてはいかがでしょうか。