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桜について
桜と日本
着物や帯など和の装い、紙幣や硬貨・切手などで見かけることの多い桜の柄。そんなイメージもあって、桜=和の印象を持つ方も多いのではないでしょうか。日本には国花を定める法律はないため、明確に定められてはいませんが、一般的には、桜と菊が日本の国花と考えられています。
桜と日本のつながりは古代に遡り、日本人ははるか昔から今に至るまで桜を愛し続けてきました。
平安時代に編纂された古今和歌集には、桜について詠んだ歌がなんと70種も収録されているのだとか。貴族の間では昔から桜の宴が特別な行事とされてきました。浮世絵や歌舞伎・絵画など芸能や芸術の分野でも愛されてきた桜。どんな時代でも、身分に関係なく、桜の美しさは日本人を魅了してきたんですね。
桜の花言葉
桜の花言葉は、「精神の美」「純潔」。日本人の品格を表すシンボルとして、美しさを花言葉に託したと言われています。桜の花の散り際の潔さと武士の品格が関係するとも考えられてきました。桜と日本の国民性のつながりが花言葉からより一層感じられますよね。国によっても桜の花言葉は異なり、アメリカでは「優れた教育」、フランスでは「私を忘れないで」という花言葉が決められています。
切花で楽しめる桜の品種
桜といえば、外に咲くお花見の桜のイメージが強いですが、実はおうちで楽しめる切花の桜もあるんです。蕾の状態でお迎えした場合は、10日間程度楽しむことができます。時期によっていろいろな種類があるので、ここからはメジャーな品種を紹介します。
啓翁桜(けいおうざくら)
流通時期:1〜4月上旬
特徴:最も出回りの期間も、見かける頻度も高いのが啓翁桜。日頃お花見で見慣れている桜より少しピンクの色味が強く、小さめのお花が特徴です。透明感のある花びらが美しく、キュンとときめきます。
東海桜(とうかいざくら)
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流通時期:1〜3月
特徴:啓翁桜に比べ若干色が濃く、くすんだ色…と言われていますが、実はプロの花屋でも見分けが付かないほど啓翁桜と東海桜は似ています。品種の系統としてもかなり近しいので、親戚同士といったイメージでしょうか。
彼岸桜(ひがんざくら)
流通時期:2〜3月
特徴:啓翁桜・東海桜よりも白っぽく小ぶりなお花が特徴。名前の通り3月の彼岸の時期によく流通します。
吉野桜(よしのざくら)
流通時期:3〜4月上旬
特徴:前述の3種類よりも白っぽく少し大きめのお花を咲かせ、ソメイヨシノに少し近い印象です。よく出回っている切花の桜は直線的な枝が多いのに対し、吉野桜はしなやかで曲線的な枝が特徴です。
八重桜(やえざくら)
流通時期:3月下旬〜
特徴:最も遅い時期に流通するのが八重桜。幾重にも重なったフリル感たっぷりのボリュームあるお花が特徴で、他の桜と違った雰囲気を楽しめますよ。
桜の持つ開運パワー
桜には様々な縁起の良さ・開運パワーがあると言われています。
・生命の芽吹く季節である春を連想させることから、「ものごとの始まり」の縁起が良い
・一斉に花を咲かせるので「繁栄」「豊かさ」の象徴とされている
・良い運気を呼び込む開運のパワー
・邪気を取り除く浄化のパワー
風水的には、玄関に飾るのがおすすめ。家の「気」の入り口である玄関から、開運の気を呼び込みましょう。
お花屋さんでの桜の選び方
お花屋さんでは、様々な開花状態の桜が売られています。桜が満開になっている枝は、見た目が華やかで魅力的ですが、圧倒的おすすめは蕾の状態で購入すること。おうちで蕾から満開になるまでの様子をたっぷり長く楽しめます。来客時など、当日に綺麗な状態の桜を生けておきたいという場合は、しっかり花が咲いた枝を選ぶと良いですよ。
桜のおすすめの飾り方
桜の美しさを楽しむためには、シンプルなガラス花器や、落ち着いた色の陶器がおすすめ。陶器の場合は、柄の入っていない無地のデザインの方が桜の美しさが一層際立ちます。
桜のおすすめの飾り方①大きめの花瓶にざくっと
桜の枝は50cm〜1mほどの長さで販売されていることが多く、切り分けずにそのまま楽しむことができます。高さ30cmほどの大きめの花瓶にさらっと1本生けるだけでも存在感ばっちり。複数本生けると、満開になったときにその美しさに圧倒されます。もちろん、短く切り分けて生けるのも◎。
枝の切り分けは少し難しいので、お花屋さんで購入するときには、花瓶の大きさを伝えてちょうどいい長さに切り分けてもらうといいですよ。生けるときは長さのバランスは気にせず、ざっくり生けるだけで様になります。
桜のおすすめの飾り方①落とした枝はとっくりやおちょこに入れて
大きめの花瓶に生ける際に切り落とした短めの枝は、一輪挿しなど小さめの花瓶に生けてあげましょう。特におすすめしたいのは、とっくりやおちょこに生けること。ぐっと風情が出て、より桜の美しさを楽しめます。
桜のおすすめの置き場所
桜は、気温によって開花速度が変わります。長く楽しみたい時は涼しい場所に、一気に花が開く様子を楽しみたい時は暖かい場所に置くといいですよ。ただし、直射日光やエアコンの風が当たる場所は避けるようにしましょう。桜の花は繊細なので、つぼみや花が萎れたり乾燥してしまうことがあります。
桜と一緒に合わせる小物
富士山にちなんだ絵や小物は縁起がいいと言われているので、新年や新学期などの良い運気を呼び込みたいときは、富士山柄のポストカードやタペストリーを一緒に飾るといいことがあるかも。プレートマットや和紙を敷いて、和の雰囲気や春の空気感を演出するのもおすすめです。
桜のお手入れ方法
桜のお手入れ方法①縦に切り込みを入れる
桜の枝の切り口は、横向きではなく、縦に割るようにして切りましょう。太い場合は、十字に切り込みを入れるようにしてください。そうすることで水に触れる面積が広くなり、枝が水を吸い上げやすくなります。桜の枝は太くて固いので、必ずお花用・園芸用のはさみを使うようにしてくださいね。
桜のお手入れ方法②ハサミで切れない太い枝はカッターなどで皮を剥がす
園芸用のはさみがない場合や枝が太くて切れない場合は、カッター等を使って枝の皮を剥いであげましょう。カッターを使う場合は怪我をしないように注意してくださいね。
桜のお手入れ方法③水はこまめに変える
桜はどんどん水を吸うので、花瓶には多めに水を入れるようにしましょう。水の減りが早いだけでなく汚れやすいので、1~2日に一回は水替えをしてあげると綺麗に花を咲かせてくれますよ。
桜のお手入れ方法④さっと霧吹き
桜の花は繊細で乾燥しやすいので、水替えのタイミングでさっと全体に霧吹きをかけてあげましょう。
春が訪れるよろこび、桜が秘めるパワーと美しさを味わって
「花を飾ると空気が良くなるな」と感じたことのある方は多いのではないでしょうか。中でも桜は特に、空間に華やかさを与え、良い「気」で満たしてくれる不思議なパワーを持つお花だなと、毎年飾るたびに感じています。固くちいさな蕾から、満開まで開花していく様子を日々見ていると、なんとも言えない感動とパワーを貰えます。お花見の桜とはまた違った美しさがあるので、ぜひ今年はおうちで桜を楽しんでみてくださいね。
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