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Jan 25, 2024

3月3日は桃の節句 お花とともに、健やかな日々を願って|くらしの花図鑑

︎桃の節句とは

五節句のうちのひとつ

3月3日は桃の節句。「ひな祭り」として親しまれている、五節句のうち2番目の節句です。本来は「上巳(じょうし、じょうみ)の節句」という名称で、平安時代中期に中国から伝わったと言われています。

女の子の健やかな成長を祝う

ひな祭りといえば女の子のお祭りですよね。もともと「上巳の節句」では、厄除けの意味を込めて、枕元に身代わりの人形を置いたり、海や川に流したりする「流し雛」を行っていました。それと同時に、平安時代の宮廷貴族の子女たちが雛人形で遊ぶようになったことから、女の子の健やかな成長を願う日として定着したのだとか。

「桃」の節句になった由来

「上巳の節句」が伝わった当時の旧暦の3月3日ごろは、ちょうど桃の花が美しく咲く季節だったことから、「桃の節句」と呼ばれ始めました。また、古来より桃の木には「不老長寿を司り、魔除け・邪気払いの力を持つ」と言われてきました。その縁起の良さから、桃の花を飾る風習が生まれたと言われています。

︎桃の節句におすすめのお花と花言葉

桃の節句におすすめのお花①桃

 

花言葉:「チャーミング」「気立ての良さ」「私はあなたのとりこ」「天下無敵」

 

桃の節句なので、もちろん桃の花は欠かせません。先述した通り、非常に縁起の良いお花であり、つぼみから美しい花を咲かせる様子に心もほころびます。

 

次に紹介する桜との違いは、お花のつき方と花びらの形。花柄(かへい)と呼ばれる、枝から花にかけて伸びる柄の部分が、桜が長めであるのに対して桃はかなり短く、枝に直接つぼみがついているように見えます。また、桜の花びらには切り込みがあるのに対し、桃の花びらは切り込みがなく丸みのある印象です。「全体的にころんとした、かわいい印象があるのが桃」と覚えておくとわかりやすいですよ。

 

桃のつぼみはちょっとした衝撃で落ちてしまうことがあるので、扱うときは大切に。

桃の節句におすすめのお花②桜

 

花言葉:「精神美」「優美な女性」「純潔」

 

桜も桃の節句に縁のあるお花です。雛人形を飾る際には、雛人形に向かって右側に桜を、左側に橘を飾る習わしがあります。桜にも「不老長寿」「邪気払い」の力があるとされており、桃と同じく春の訪れを感じられることから、桃の節句でも重宝されるお花です。

桃の節句におすすめのお花③橘

 

花言葉:「追憶」

 

桜と一緒に雛人形の横に飾られる橘。橘は、一年を通して葉が緑色のままで、黄色の実が長く残ることから「不老長寿」を意味するとされています。

桃の節句におすすめのお花④菜の花

 

花言葉:「小さな幸せ」「快活な愛」「明るさ」

 

春を感じさせてくれるお花のひとつ、菜の花。その鮮やかな黄色は、桃のピンク色とも相性抜群。

その他桃の節句におすすめの切花

チューリップ

 

花言葉:「思いやり」「博愛」

 

春の訪れを感じさせてくれるチューリップ。あたたかみを感じさせてくれる花言葉に、健やかな子どもの成長への思いを込めることができます。

 

ガーベラ

 

花言葉:「希望」「常に前進」

 

前向きな花言葉は、ひな祭りにぴったり。明るい未来への願いを込めることができます。また、太陽を思わせる花の形は、桃や他の花のアクセントになります。

 

スイートピー

 

花言葉:「門出」「優しい思い出」「永遠の喜び」

 

ひらひらと動きのあるお花、スイートピー。その繊細なかわいらしさは、他のお花の存在感に調和しながら、一層引き立たせてくれます。香りも非常によく、おすすめです。

 

レースフラワー

 

花言葉:「可憐な恋」「繊細」「感謝」

 

小さな白い花がたくさん集まった可憐なお花、レースフラワー。ひな祭りの明るい色味のお花たちに添えることで、その名前の通り、レースをまとわせてくれるようなお花です。お花全体がふんわりとかわいらしくなるので、ふわふわした雰囲気が好きな方はぜひお迎えしてみてください。

︎桃の節句のお花|おすすめの飾り方

おすすめの飾り方①枝物単体で

一番シンプルな、桃の枝を単体で生ける飾り方。もちろん、一本でも、複数本でも◎です。
花瓶は、シンプルなガラスベースや派手すぎない陶器などがおすすめ。生けるときは、花瓶の高さに対して、2〜3倍くらいの長さになるようにするとバランス良く生けられますよ。

 

おすすめの飾り方②ピンク系でまとめる

せっかくの桃の節句なので、桃の花色に合わせたピンク系のお花を組み合わせて、かわいらしさをとびきり楽しんでみましょう。組み合わせるときのポイントは、濃淡さまざまなピンクを織り交ぜること。そうすることで、のっぺりとした印象にならず立体的になり、それぞれの花の良さが際立ちます。

おすすめの飾り方③黄色やオレンジと合わせる

 

春らしさや、明るさ・はつらつさを楽しみたい場合は、ピンク・黄色・オレンジの3色の組み合わせがおすすめ。この時期ならではの心ときめく色合わせです。チューリップ・ガーベラ・スイートピーはカラーバリエーションが豊富なので、「かわいい!」と思った色を選んで、桃や他のお花と組み合わせてみてください。

 

︎桃の節句に一緒に楽しみたい食事や小物

桃の節句に楽しみたい食事

桃の節句には、たくさんの行事食があり、そこにも意味がたくさん込められています。ぜひお花と一緒に食事も楽しんでみてください。

甘酒・ 白酒

白酒には、「身の穢れを洗い流す」という意味が込められています。白酒にはアルコールが含まれるため、子供が飲めるようにアルコールなしで作られたのが甘酒なんだとか。白酒も甘酒も、酒粕や麹から作られているので、健康や美容にも良いんですよ。桃の節句なので、ぜひ桃の花びらを浮かべて楽しんでみてください。

 

ひなあられ

色とりどりの丸い形がかわいらしいひなあられ。その色にも、子供たちの健康と成長を祈るという意味があります。実は、関東のひなあられはふわっとした甘い米菓子、関西のひなあられはおかきのような醤油・塩味がベースのものが主流で、地方によって違いがあるんです。子供だけでなく、大人もおつまみやおやつにいかがでしょうか。

 

ちらし寿司や 手まり寿司

ちらし寿司や手まり寿司は、色々な食材が使われ、「エビ=背中が丸くなるまで長生きできる」「レンコン=先まで見通しがきく」など、それぞれの食材に縁起の良い意味が込められています。また、見た目も華やかで、お祝いにもぴったり。ひな祭りの定番の食事として親しまれ続けています。

はまぐりのお吸い物

一対のはまぐりは「仲の良い夫婦」を象徴し、「一生一人の人と添い遂げるようにという願い」という意味が込められてきたそうです。ちらし寿司や手まり寿司とも相性ぴったりなので、ぜひ合わせて楽しんでみてください。

 

桃の節句に飾りたい小物

雛人形がモチーフの小物

女の子のいないご家庭や、もうひな祭りのお祝いをしなくなった大人の女性も、雰囲気を楽しむために雛人形を飾ってみるのもおすすめです。最近は雛人形がモチーフのかわいらしいインテリアもたくさんあるので、お気に入りの一点を見つけてみてください。

小さい手毬

お花を生けた花瓶の周りに小さな手毬を一緒に飾ることで、ひな祭りの雰囲気が一層出て、とってもかわいらしくなります。手鞠にも「丸く収まる」「ものごとがころころうまく運ぶ」という意味もあって、縁起も良いんですよ。

春色のテーブルクロス

桜色・若草色・檸檬色・藤色など、春色のテーブルクロスを合わせて生けると、桃の節句らしい華やかさが演出できます。木製のお盆などをフラワーベースの下に敷くのも◎

桃や桜モチーフのアクセサリーを身にまとう

縁起の良い桃や桜のアクセサリーを身につけて、パワーを身にまとって楽しむのもおすすめ。飾っている桃や桜を押し花にして、アクセサリーを手作りしてみるのも楽しいかもしれません。

︎縁起の良いお花を生けて、子どもも大人も、健やかな日々を祈って

 

今回ご紹介した通り、ひな祭りのお花には縁起の良い意味がたくさん込められています。また、この時期は春の訪れを感じさせてくれるお花もたくさんあるので、ぜひ今年の桃の節句はお花も一緒に楽しんでみてくださいね。

花と緑をこよなく愛するお花屋さん。 日々の暮らしがちょっぴりハッピーになるような、花や緑との関わり方をお届けします。

花屋WAKAflower(わかフラワー)