一見、難易度が高そうな壁紙のDIYですが、扱いやすい種類の壁紙を選び、ポイントを押さえれば、初心者でもきれいに仕上げることが可能です。本記事では、壁紙の種類やDIYに必要な道具、賃貸の壁紙DIY、張り替え時にやりがちな失敗や成功のポイント、おしゃれな壁紙が買えるサイトなどを紹介します。
MOKUJI
壁紙DIYの気になるポイント
壁紙のDIYを始める前に、まずはそのメリットや費用、作業に必要な時間など気になるポイントを見ていきましょう。
壁紙をDIYするメリット
壁紙は日が経過すると、汚れや色褪せが目立ってきます。壁紙を張り替えるだけで、部屋の雰囲気が一新され、清潔感のある空間に。業者に張り替えを依頼する方法もありますが、コツさえ押さえれば初心者でもでき、費用が抑えられるなどのメリットがあります。
壁紙DIYにかかる費用
国産壁紙のリーズナブルな物では、1メートル400円程度で購入可能です。幅約92センチのロール状で販売されており、必要な長さよって金額が決まります。例えば、6畳間の場合、幅92センチ×長さ約30メートルを必要とし、費用は1万円前後。中には、初心者向けの壁紙と道具がセットになっているキットもあります。
壁紙DIYにかかる時間
糊づけが不要なシールや糊つき壁紙を使えば、作業も早く終わります。トイレやキッチンカウンターなど狭いスペースなら、2時間程度で施工可能です。6畳間の場合は、下処理を含めて半日以上かかるとみておきましょう。輸入壁紙は、糊づけ作業の時間も必要です。
賃貸の壁紙をDIYする際の注意点
賃貸物件には決まりや制限があることが多く、注意が必要です。ここでは、賃貸の壁紙をDIYする際に気を付けるべきポイントを紹介します。
注意点①原状回復義務がある
賃貸の場合、経年劣化が原因と思われる汚れなど以外は、基本的に原状回復義務があります。万が一、故意に傷つけたり汚したりすれば、退去する際に敷金から原状回復に必要な費用が差し引かれます。そうならないためには、原状回復できるDIYに留めておくことが大切です。
DIYする際、原状回復可能にするのであれば、基本的には管理会社への事前報告はなくても問題ありません。ただし、契約でリフォームが禁止されている場合などは、管理会社に相談しましょう。
注意点②内装制限というルールがある
物件によっては、「内装制限」というルールを適用している場合があります。このルールは、火災などの緊急時に備えて、安全に避難できる時間を確保するための内装にするというものです。たとえば、より安全に避難できる時間を確保するため、不燃性の壁紙にするなど。
壁紙の内装制限は、壁紙の下地と壁紙の施工方法との組み合わせで認定されます。そのため、DIYで上から新しい壁紙を貼ってしまうと、施工方法が変わるためルール違反になるのです。DIYの前には内容制限の対象箇所であるかどうかを確認し、もし対象なら管理会社に相談しましょう。
賃貸に適した壁紙DIY
賃貸物件の壁紙をDIYする際は、上記で解説したルールを守る必要があるため、壁紙の選び方が非常に重要です。ここでは、賃貸物件に適したDIYの方法について解説します。
賃貸に適した壁紙DIY①貼ってはがせるタイプの壁紙を貼る
シールや糊つき壁紙は、裏のフィルムをはがして貼るだけなので、とても手軽にできて初心者・賃貸向きです。
裏面に弱粘着性のシールがついているので、元の壁を傷つけにくく、また少ない道具で貼れます。ただし、貼ったりはがしたりを繰り返していると、粘着力が弱まってはがれやすくなるので注意しましょう。
賃貸に適した壁紙DIY②はがせるタイプの糊を使う
糊を使う場合は、水に溶けやすくはがしやすいフレスコ糊がおすすめです。万が一跡が残っても、上から水をかけて拭き取ればきれいに落ちます。
作業時には糊をたっぷりめに付ければ、壁紙をずらしながら貼れるので微調整ができて便利。ただし、フレスコ糊と相性が良くない壁紙もあります。その場合は、輸入壁紙に多く見られるような、不織布が裏面に施された壁紙を使うと良いでしょう。
賃貸に適した壁紙DIY③マスキングテープや両面テープを使う
マスキングテープを使った方法とは、マスキングテープを貼って元の壁紙を保護し、両面テープで新しい壁紙を貼るというもの。
この時、糊が残りづらいシリコン系・アクリル系の粘着剤が使われているマスキングテープを選びましょう。ただし、粘着力が弱くはがしやすい一面もあるので、部分的なDIYにおすすめです。ころ良いマスキングテープがなければ、はがせるタイプの両面テープを使うのも手です。
国産壁紙と輸入壁紙、どちらがいい?
壁紙には、国産壁紙と輸入壁紙がありますが、どちらを選べば良いのか分からない人もいるでしょう。ここでは、国産壁紙と輸入壁紙の違いについて簡単に説明します。
リーズナブルで扱いやすいのは国産壁紙
リーズナブルな価格で手に入るのが国産壁紙のメリットの一つです。1メートル当たり数百円で買える物がある他、100円ショップのリメイクシートまであります。国産壁紙は種類が豊富で、用途に合わせて選べるのも魅力。壁紙の上から貼れる物やはがせるタイプの物などもあるので、初心者向きと言えます。
デザインにこだわりたいなら輸入壁紙
国産壁紙に比べてデザイン性が高いのが輸入壁紙。糊づけの手間やコストはかかりますが、ヴィンテージ風や大胆な柄物など個性的なデザインが多く、理想の部屋作りにこだわりたい人などにおすすめです。
壁紙DIYに必要な道具
壁紙を張り替える際には、まず道具を揃えなければいけません。ここでは、壁紙DIYに必要な道具を紹介します。
壁紙DIYに必要な基本の道具
- ・カッターまたはハサミ:壁紙を必要な長さにカットする
- ・ヘラ:壁紙の角を処理する
- ・ローラー:壁紙を壁になじませたり、つなぎ目が目立たないようにしたりする
- ・カット定規:壁紙をまっすぐカットする時に使う
- ・なでバケ:壁紙のしわ伸ばしや空気抜きに使う
- ・スポンジ:はみ出した糊を拭き取る際に使う。使う時は水を含ませる
- ・竹べら:壁紙に折り目を付ける時に使う。これで壁紙にクセを付けることで、きれいに壁紙を切り落とせる
- ・地ベラ:余分な壁紙を切る時にガイドの役割をする
より安価に済ませたいなら、へら・ハケ・ローラーなど、複数の役割を持つスムーサーを用意するのも一つの手です。
|
壁紙DIYを自分で糊づけをする場合に必要な道具
糊づけなしの輸入壁紙を使用する時は、基本の道具の他に以下の3つを準備しましょう。
- ・糊:壁紙を貼る時に壁面や壁紙に使う
- ・ローラー:壁紙または壁に糊をつける時に使う
- ・バケツ:糊づけ作業時に糊を入れる
|
|
壁紙の張り替えの手順
作業をスムーズに行うために、下処理やカットなど壁紙の張り替えの手順をチェックしておきましょう。
壁紙の張り替え手順①壁の下処理をする
壁紙の張り替えは、もとの壁紙をはがしてから貼るか、その上から貼るかの2つの方法があります。壁紙をはがしてから貼るのは手間がかかりますが、仕上がりはきれいです。表面がデコボコした素材や防汚コーティングされている壁紙は、のりがつきにくいため、はがしてから貼るのをおすすめします。
壁紙をはがすときは、角や継ぎ目にカッターで切り込みを入れ、刃を寝かせながら差し込みます。壁を傷つけないように慎重にはがしていきましょう。
壁紙の張り替え手順②必要な長さに壁紙をカットする
壁の寸法を測り、上下5センチほど長めにカットします。柄入りの壁紙の場合は、柄を合わせてカットする必要があるので注意してしましょう。
壁紙の張り替え手順③糊づけをする(必要な場合)
裏地に糊やシールがついていない壁紙は、糊づけが必要です。不織布素材の壁紙の場合は、ローラーを使って直接壁に糊をつけます。ローラーでは難しい角の部分はハケを使いましょう。紙素材の壁紙は、紙の裏地に糊をつけます。糊をつけた面が重なるように、じゃばら折りにしておくと作業がしやすいです。
壁紙の張り替え手順④壁紙を貼る
シールやフィルムつきの壁紙は、少しずつはがしながら壁に直接貼っていきます。貼った壁紙の上から、なでバケを使って中心から外に向かって空気を押し出していきましょう。少し力を込めながらなでるのがポイントです。
壁紙の張り替え手順⑤余分な壁紙をカットする
隅まできれいに貼れたら、ヘラで角の部分を決め込み、定規を使って余分な壁紙をカットします。壁紙の継ぎ目の上からローラーを転がすと、壁によくなじみ継ぎ目が目立たなくなります。
壁紙の張り替え手順⑥裏技:ホッチキスで留める
糊を使わずに壁紙を貼りたい場合は、ホチキスで留めるという裏技も。壁紙を画びょうで仮留めしてから、ホチキスで留めていきます。ホチキスは180度に開くタイプを選びましょう。
壁紙DIYで失敗しがちなこと&成功ポイント
壁紙DIYの際、貼り方に気を遣うことが大切です。そこで、部分ごとの貼り方のポイントを、失敗例を挙げながら紹介します。
部位別注意ポイント①壁紙に入る余分な空気
シールタイプの壁紙を貼る際には、空気が入り込むことがよくあります。スムーサーなどを使って空気を逃がす方法もありますが、難しくてうまくいかないことも。そこでおすすめなのがカッターを使う方法。空気が入った部分に切れ目を入れ、空気を抜くだけなので簡単ですよ。
部位別注意ポイント②天井との境目
壁と天井の境目が目立ってしまうという失敗は、DIYではよくあること。そうならないために、まず壁紙を床から天井までの高さに10センチプラスした長さにカットしましょう。そして、壁から上下5センチずつはみ出るように貼ります。
はみ出た部分は、指で天井と壁の境界部分に入れ込み、竹べらを使って折り目を入れてください。そして、地ベラを境界部分にしっかり当てて、余分な部分をカットすればOKです。
部位別注意ポイント③壁紙同士のつなぎ目
壁紙が柄物の場合、壁紙同士のつなぎ目がズレて見栄えが悪くなってしまうことがあります。そうならないために、柄の幅分多めに壁紙を用意しておきましょう。
1枚目を貼ったら、それを基準に隣同士になる壁紙をカットしましょう。そして2枚目の壁紙を、1枚目と数センチ重なるように軽く貼ってください。位置が定まったら、ハケを使いながら全体を貼り、地ベラをはわせながらカッターで余分な部分をカット。最後にローラーを使って、つなぎ目を馴染ませれば完成です。
部位別注意ポイント④コンセント周り
コンセント周りも失敗しやすい部分の1つです。コンセントのある壁では、壁紙を貼る前に、コンセントプレートを外しておきましょう。そして、壁紙を貼りながらコンセントの位置をチェックし、そこに切り込みを入れます。さらに、竹べらでコンセントの形に合うよう折り目を付けます。後は折り目に沿って、地ベラを用いながらカットすればOKです。
部位別注意ポイント⑤窓枠
コンセントと同様に、カットする場所を間違えるとやり直しが必要です。慎重に行いましょう。
窓枠手前まで壁紙を貼ったら、まずは窓と重なって浮いた壁紙をカットします。次に、窓枠に傷がつかないように気を付けながら、枠の角から内に向かって斜めにカットしてください。後は竹べらで折り目を付けてからカットするだけです。
壁紙DIY初心者のための成功ポイント
初めての壁紙DIYは、うまくできるか心配ですよね。ここでは、初めて壁紙DIYに挑戦したい人に成功するためのポイントを紹介します。
成功ポイント①無地の壁紙を選ぶ
大胆なデザインの輸入壁紙もステキですが、柄合わせが難点の1つ。簡単につながる柄もありますが、ずらしながら貼る場合は、余分な壁紙とテクニックも必要です。ややハードルが高いので、初めての場合は、柄合わせの必要がない物を選びましょう。
成功ポイント②小さな場所から始めてみる
まずはキッチンのカウンターやドア、トイレなど面積が小さい場所から始めてみると、道具の使い方や力の入れ具合、角の処理など、作業のコツがつかめます。ダイソーやセリアなど、100均で購入できるリメイクシートは、手軽に使えて初心者にもおすすめです。
成功ポイント③2人以上で作業する
いくら幅が狭い壁紙を使っても、曲がってしまったり、高い場所に届かなかったりして、1人で作業するのは一苦労。面積が大きい壁の貼り替えには、半日ほど費やすことも多いので、なるべく2人以上で作業するのがおすすめです。
成功ポイント④ワークショップに参加して練習する
販売店やホームセンターなどでは、壁紙の貼り替えをワークショップ形式で実施しているところもあります。実際に体験しながらコツを学べ、必要な道具もその場で買えるなど、初心者に嬉しいメリットがたくさんあるので、参加してみてはいかがでしょうか。
リーズナブルでおしゃれな壁紙が揃うおすすめのサイト・ブランド
この投稿をInstagramで見る
この投稿をInstagramで見る
壁紙DIYの魅力は、好みのデザインやカラーで部屋の雰囲気を変えられること。ここでは、おしゃれな壁紙が買えるおすすめのサイトやブランドを5つピックアップしました。
おすすめの壁紙サイト・ブランド①RESTA(リスタ)
この投稿をInstagramで見る
壁紙を始めカーペットなどの床材や工具まで揃うDIYショップです。壁紙は1メートル単位で買い足すことができます。無地の糊つき壁紙と必要な道具がセットになった「チャレンジセット」など、初心者向きのアイテムも豊富です。
おすすめの壁紙サイト・ブランド②WALPA
この投稿をInstagramで見る
おしゃれなデザインが豊富な輸入壁紙専門店です。スタイルや柄、ブランドや国別の壁紙まで検索できる他、raschなどのリーズナブルなブランドがあるのも特徴です。貼ってはがせる輸入壁紙のお試しセット(110円)は、壁紙DIYを体験しながら感覚が分かるため、初心者にもおすすめです。
おすすめの壁紙サイト・ブランド③カインズ
この投稿をInstagramで見る
ホームセンターカインズも、おしゃれなデザインの壁紙が充実しています。タイプ別やはがしやすさから壁紙を選べるので、初心者でもトライしやすいでしょう。アクセントパネルや装飾デコシートなど、気軽に壁紙DIYが楽しめるアイテムもあります。
おすすめの壁紙サイト・ブランド④Wagic
この投稿をInstagramで見る
DIY専門店であるルームファクトリーのオリジナルブランド。デザインが豊富である他、エンボス加工によって立体感を演出した壁紙など、本物の質感にこだわっている点も特徴的。また、壁紙を貼った後に感じる特有のにおいが気にならないのも魅力です。
おすすめの壁紙サイト・ブランド⑤DCM
ホームセンターのDCMでも、DIYに使える壁紙が販売されています。好きなサイズにカットできるタイプの壁紙であれば、45センチ×90センチサイズが100円(税抜き)という驚きの安さ。その他、人気海外ブランドの壁紙も、70センチ×10.05メートルの1巻き単位で購入可能です。
自分好みの壁紙DIYにチャレンジしよう!
壁紙のDIYは、コツさえつかめば初心者でも可能です。まずは面積の小さい場所からチャレンジしたり、ワークショップに参加したりして、壁紙張り替えのコツをつかみましょう。また、賃貸の場合は原状回復が可能な範囲でDIYすることや、事前に契約書を確認して必要があれば管理会社に相談することも忘れずに。扱いやすさやデザイン性など、こだわりたいポイントで壁紙を選び、部屋をお気に入りの空間にしてくださいね。
リビングに特化したDIY方法については、こちらをチェックしてみてください。壁紙に関してだけでなく、間仕切り方や子ども用の学習スペースの取り入れ方など、細かなコツがチェックできます。